この間はジャスティスだったから負けたんだ!とは、劇場版アニメ作品"機動戦士ガンダムSEED FREEDOM"の登場人物 シン・アスカの負け惜しみ完璧な敗因分析である。
かつての大戦で両親と妹を失い、ザフトの一員となってからも心を通わせた少女ステラとも死に別れてしまれ、復讐を遂げるも虚無感しか残らなかったシン・アスカ。そんな中、最高評議会議長ギルバート・デュランダルはデスティニープランを提唱。議長に賛同したシンは"デスティニーガンダム"という最強の力を授かった。一方以前から議長に懐疑的だったキラ・ヤマトやラクス・クライン、そしてかつてシンと肩を並べて戦っていたこともあるアスラン・ザラはデスティニープランを拒絶。シンはキラの駆る"ストライクフリーダムガンダム"やアスランの"インフィニットジャスティスガンダム"と激闘を繰り広げることになる。
その後、最終戦でシンとデスティニーはアスランのインフィニットジャスティスと激闘を交わすも敗北してしまい、そのまま戦いは終結する。一時はキラを殺害しかけるほど憎んでいたシンだったが、戦後はキラの平和を望む理念に共感し、和解した。
SEED DESTINYの物語はこのように締め括られるため、戦績に注目すると「シンとデスティニーはアスランのインフィニットジャスティスに負けてしまった」という結果で終わってしまった。したがって、放送終了からずっと「シンは強いけど、キラやアスランには一歩劣る」という評価であった。
デスティニーガンダムもビームライフルやシールドといった基本的な武装に加え、対艦刀や長距離ビーム砲などの強力な武装、掌部ビーム砲や手の甲のビームシールド、肩のビームブーメランなど豊富な武装を揃えた機体である。しかし、武装のほとんどが腕部に内蔵されていたり、手で持って使用するものであったため視聴者からは「両腕を潰されたら何も出来ない欠陥機」「ロマン兵器ばかりで実践向きではない」と辛口の評価をされていた。
劇中の描写を見れば、シンもデスティニーも「扱いがいい」「強い」とは言い難い状況が続いており、そればかりか「主人公()」「最強のMS()」などと揶揄する声も決して少なくなかった(一方ゲームなどでは使い勝手がよかったり技の演出がカッコ良かったりと恵まれることが多いが、かえって「本編ではなんであんな扱いなんだ」とぶり返すハメになっていた)。
シンは世界平和監視機構コンパスに参加し、キラ率いるヤマト隊の一員として平和維持のため戦闘の仲裁に励んでいた。しかしキラは自分だけが先行し、シンたちには民間人の避難誘導など補佐を任せるような指示をしていたため、シンは「信頼されていないのではないか」という不満を抱いていた。そしてシンに与えられたMSはイモータルジャスティスガンダム―――キラのライジングフリーダムガンダムと並ぶ最新機。だがジャスティスと言えばジャスティスガンダムやイモータルジャスティスといったアスランを象徴するMS。シンはあまりアスランとウマが合わず、さらに前述の通りアスランのインフィニットジャスティスに負けたということもあり、イモータルジャスティスを駆ることについてやや複雑な心境を抱いていた。
そんな折、コンパスは新興国ファウンデーション王国と協力し、ブルーコスモス残党の首魁ミケール大佐の捕縛を試みる。しかしこれはラクスの誘拐などを目的としたファウンデーションの罠。ファウンデーションのMS ブラックナイトスコードの奇襲を受けたシンのイモータルジャスティスやキラのライジングフリーダムは大破、アークエンジェルすら撃沈されてしまう。なんとか生き延びたシンたちは、ラクス奪還に向けて準備を始める。しかしイモータルジャスティスやライジングフリーダムが葬られた今、シンたちにはMSがない。オーブの技術者エリカ・シモンズはシンたちを地下の格納庫へ案内する。そこには、試作兵器開発用に保管してあったストライクフリーダム弐式とインパルスガンダムSPECⅡ、そしてデスティニーガンダムSPECⅡが佇んでいた。しかしブラックナイトスコードと比べればもはや型落ちの旧型、当のエリカにすら心許ないとさえ言われてしまうが、かつての愛機を目にしたシンは
これさえあれば、あんな奴らなんかに!
と、思わず邪悪な笑みを浮かべるのだった。
体勢を整えたコンパスは、戦艦ミレニアムでファウンデーションが潜伏する宇宙要塞アルテミスに向かう。ラクス奪還のために本気で仲間を信じるようになれたキラは、シンに「ミレニアムを頼んだよ」と声をかける。尊敬するキラから信頼を得たシンは、絶対にミレニアムを死守するという決意で漲った。
そして、ミレニアムに向けて4機のブラックナイトスコードルドラが接近する。それを駆るグリフィン・アルバレストたち4人のアコードはデスティニーを見て旧型だとバカにし、かつて倒したシンには「学習能力のないバカ」だと煽ってフラグを積み重ねる。だが、シンは
この間はジャスティスだったから負けたんだ!
と、対戦ゲーで負けた原因を使用キャラのせいにする言い訳みたいな台詞を口にしながら果敢に挑み、凄まじい活躍を見せる。
と獅子奮迅の戦いを見せつけ、観客は「最高潮のシンとデスティニーの組み合わせは最強」であることを頭に植え付けられた。
DESTINY本編とは見違えるレベルのこの強さに関しては
という要因があったのではないかと考察されている。
他方で、しわ寄せを食らったのがイモータルジャスティスである。この台詞に加え、シンとデスティニーの活躍がまぶしいばかりに「イモータルジャスティスは弱い」という印象になってしまったのだ。さらにイモータルジャスティスはこれまでのジャスティス系の特長だったリフターの分離機構もオミットされているためインフィニットジャスティスのデチューン機のように見えること、さらに入れ替わるように出てきたアスランのインフィニットジャスティス弐式は変わらず強いことなども低評価に拍車をかけている。イモータルジャスティスはライジングフリーダムと共通フレームの最新機。武装もシンプルだが手堅い構成で、決して悪い機体ではないはずなのだが。イモータルジャスティスとデスティニーSPECⅡとの間にどれくらい性能差があるかは不明だが小説版では「デスティニーの火力はジャスティスに劣る」という旨の記載がある。
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最終更新:2025/12/08(月) 00:00
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