その発想はあったとは、誰でも思いつきそうなネタを実現した動画に対する賛美である。
誰もが思いつくようなネタ、と言ってしまうと聞こえが悪いかもしれないが、こういった動画の制作には通常の動画制作とは異なる苦労が付きまとう。
このような動画の作者は、常に誰かに先を越されるかもしれない恐怖と戦いながらの動画制作となる。誰でも思いつくようなネタだからこそ頻繁に起こる、ネタかぶり。もし先を越されてしまったら、それまで懸命に作っていた動画を、涙を拭いたティッシュとともにゴミ箱へ捨て去らなければならない。
重要なのはスピードだけではない。「誰でも思いつく」ということは視聴者にもネタがばれているということでもある。ごまかしは一切、通用しない。ネタかぶりを避けるために突貫工事で作り上げた間に合わせのような動画では、視聴者の満足は決して得られない。
しかし、これらの難題を見事クリアし、視聴者の期待に応えきった作品には惜しみない賞賛が与えられるだろう。
近年はジェバンニの増殖により先を越される危険性は増大し続けている。一方で、林立する優良MADに慣れた視聴者の目は肥え、ハードルは常に上がり続けている。苛烈を極める環境の中、孤独な動画作者たちは今まさにこの瞬間にもしのぎを削り、動画を制作し続けているのだ。
“みんなでニコニコしたい”という、たった一つの願いを実現するために。
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最終更新:2025/12/10(水) 03:00
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