はかた号とは、東京都新宿区の新宿高速バスターミナル(バスタ新宿)と福岡県福岡市の西鉄天神高速バスターミナル・博多バスターミナルを結ぶ夜行高速バスである。主に三菱ふそう・エアロクィーン(金の白夜行)が使用される。
高速路線バスでは日本で2番目の営業距離を誇り、およそ1,100kmを14時間半かけて結ぶ。
西日本鉄道(西鉄)直営路線のみ1往復の運行である。以前は京王バス担当・西鉄バス担当の2往復あったものの、格安航空機などの影響で現在は減便となった。
長い間国内最長距離の高速路線バスであったが、2011年に運行開始した西鉄高速バス・西武観光バスの大宮・池袋・横浜~天神線「Lions Express」(名前の由来は西鉄ライオンズ→埼玉西武ライオンズ)によってその記録は打ち破られた。西鉄バスマジでスゲェ。が、その「Lions Express」が2015年5月16日をもって運行休止となることが決まったため、再び国内最長に返り咲くことになった。
(なお、高速路線バスではなく高速ツアーバスにおいては、ホットドックグループの「キラキラ号」が東京・長崎間で運行を行なっていたことがある。)
2013年8月の法制度変更に伴いツアーバスが廃止され、新乗合バスとなったが、これにより旧ツアーバスである「ロイヤルエクスプレス」なども同区間の高速乗合バスとなり、「はかた号」と競合するようになった。
全席座席指定制である。原則的に搭乗には事前予約が必要である。
2012年12月20日にダイヤ改正を実施。従前は新宿・博多間を直接結んでいたが、新たに北九州市内(引野口・小倉地区)に停車するようになった。また東京名古屋間の経路が中央自動車道経由から東名高速道路経由に変更となった(実際は2012年12月2日朝の笹子トンネル崩落事故当日から東名高速道路に迂回運行を行い、そのまま東名経由になった)。
2013年4月1日より格安航空会社(LCC)等に対抗すべく、曜日別運賃を設定した。従来のプレミアム・ビジネス・エコノミーのシート別の運賃に加え、月曜日から木曜日に乗ると割引が最も大きくなる。つまり、プレミアムシートでも14000円で乗れる日があるのだが、2014年4月の増税で300~500円追加される。詳しくは西鉄くらしネットを参照。
そしてついに、2014年12月、快適性を重視してパワーアップ。エアロキングの後継車種として現行型エアロクィーンを導入することが発表された。特徴として前側に設置されるプレミアムシートはこれまでよりも快適性を重視した「個室仕様」になる。そのため特別料金も現在の3100円追加から5000円追加になるが、値上がり分は快適性で元は取れるだろう。ちなみにこの新車が導入されるとエコノミーシートは廃止になる。[1]安く行きたい方は「Lions Express」に乗ること必至であろう(前述の通り、「Lions Express」は運行休止)。
また、この改正で博多バスターミナル発着となり、経路も一部変更され、新東名高速道路を走行するようになった。
2016年4月4日改正版。道路事情によっては前後する場合あり。本便はバスタ新宿発着となるが、続行便は引き続きヨドバシカメラ向かい側の旧・新宿高速バスターミナル発、新宿駅西口27番乗り場着となる。
博多バスターミナル18時50分→西鉄天神高速バスターミナル19時10分→黒崎インター引野口20時01分→砂津20時22分→小倉駅前20時26分→バスタ新宿9時25分
※定刻通りに到着することは少なく、東京料金所からの渋滞で10~30分程度遅れることが多い。
バスタ新宿(D乗り場)21時→小倉駅前9時51分→砂津9時55分→黒崎インター引野口10時11分→西鉄天神高速バスターミナル11時02分→博多バスターミナル11時17分
途中休憩は往復ともに山陽道・佐波川SAと新東名・静岡SAが基本である。復路では大幅な遅延があった場合、山陽道・福山SAでも休憩を行うことがある。
はかた号は夜行高速バスの中でも比較的知名度が高い。理由は先述したとおり日本一の運行距離を誇っていた時代があったことなどいろいろあるが、一番は大泉洋・鈴井貴之が出演している北海道発の大人気バラエティー番組「水曜どうでしょう」に登場したことだろう。「サイコロの旅」というサイコロの出た目で行先を決めてゴールの札幌を目指す企画で、たびたび登場する名前である(詳細はウィキペディアの記事を参照のこと)。
初登場は「サイコロ4」。このときはレンタカーで中央高速を走るどうでしょうクルーの横を走り去り、常に深夜バス[2]で苦しめられている大泉洋が「バスに乗ってる人達は博多までがんばるんですねぇ」「何の目を出して連れて行かれるのやら」「あれは人間の乗るものじゃない」などと散々に言っていた。
散々に言った罰かどうかは知らないが、その次の企画「サイコロ5」では期間中に2回もはかた号に乗ることになった。あまりの過酷さに出演者、スタッフともども相当参ったのは言うまでもない。その過酷さは2度目のはかた号乗車中にミスターさんが「ケツの肉が取れる夢をみた」というほどである。過酷さと日本最長距離(当時)を走ることから「キング・オブ・深夜バス」の名がついたのはこの時である。
西日本鉄道博多自動車営業所の運転士が乗務を担当。2人交代で運転する。
専用塗装の三菱ふそう・エアロクィーン2台(0001・02番)を交互に使用するが、定期点検実施時には代車として白夜行塗装のエアロクィーン(4851・52番[3])が使用されることもある。また、多客期などにはエコノミー続行として日野・セレガ(8545・46番)を使用することも見られる[4]。エコノミー続行に使用されてきた8545番は一時期LIONS EXPRESSに転用され、西鉄高速バス福岡支社に転属したが、LIONS EXPRESS運行終了に伴い46番を連れて博多に帰ってきた。これにより従来の8528・29番は名古屋線「どんたく号」のエコノミー続行を経て、現在は西鉄高速バス(西日本鉄道福岡高速自動車営業所)に転属し、熊本線「ひのくに号」に転用されている。
最近なぜかYahoo!で「はかた号」を検索すると「針尾ありさ」が関連ワードに出るが、本人は「はかた号」に乗ったことはないと言う。しかし、乗ってみたいとも話していた。西鉄の中の人によると、「是非乗ってほしい」とのこと。
ちなみに、スタジオジブリ製作・近藤喜文監督作品であるアニメーション映画『耳をすませば』にも、何と京王バス(当時)運営の「はかた号」が堂々画面を横切りながら登場するシーンがある(ただし実際のはかた号は聖蹟桜ヶ丘駅周辺を今も昔も通らない)。ちなみにジブリスタッフと前述「水曜どうでしょう」はこの後何度か縁が結ばれるのだが、奇しくも1995年公開のこの映画から既に、何かしら繋がっていたと言えるのかもしれない。
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最終更新:2024/04/24(水) 18:00
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