私って、昔から得意な学科とか人に自慢できる才能とか何もなくて
きっとこの先ずっと、誰の役にも立てないまま迷惑ばかりかけていくのかな、ってそれが嫌でしょうがなかったんです
でもマミさんと会って、誰かを助けるために戦ってるの、見せてもらって
同じことが、私にもできるかもしれないって言われて、何よりも嬉しかったのはそのことで
大変だよ
ケガもするし、恋したり遊んだりする暇もなくなっちゃうよ憧れるほどのものじゃないわよ、私
無理して格好つけてるだけで、怖くても辛くても、誰にも相談できないし、ひとりぼっちで泣いてばかり
良いものじゃないわよ 魔法少女なんて…そうね、そうなんだよね
本当に、これから私と一緒に戦ってくれるの?
傍に居てくれるの?はい、私なんかで良かったら
魔法少女まどか☆マギカ第3話劇中での一幕。
巴マミにとって、その女の子は希望だった。否応なく戦いの世界へ踏み入ることになった自分とは違い、己の意志で己の未来を選び取ることができる。だからこそ願った。この子の力になりたい、と。決断の時までこの子を力強く見守れる者でありたい、と。
マミはまどかに独白する。戦いの地に一人立つ寂しさを。明日も知れない夜の恐怖を。その不安と弱さを吐露する。
鹿目まどかにとって、その女性は憧れだった。自分の危機に駆けつけてくれ、己の身も構わずに優しく、厳しく、おおらかに接してくれる姉のような存在だった。だからこそ願った。この人のようになりたい、と。自分に、この人のようになれる力があるのなら、と。
まどかはマミに告白する。その寂しさを自分が埋めると。その恐怖と共に戦うと。一緒にいると宣誓する。
かくして、マミはまどかにとって隣に並ぶべき人となり、まどかはマミにとって正真の救いとなった。孤独な戦いも、夜の恐怖も、ついに終わったのだ。
この後、マミに訪れる一つの結末に諸君らは憤怒し、悲嘆し、呆け、涙し、やりどころのない感情をぶつけているかもしれないが、どうかこれも忘れないで欲しい。
「もう何も怖くない」
彼女がこんな台詞を言った意味を。どれほどの希望を胸に抱いていたかを。その軌跡を。
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最終更新:2024/04/18(木) 10:00
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