アストロノーカ

アストロノーカとは、1998年にムームーとシステムサコムが制作、エニックス（現スクウェアエニックス）から発売されたプレイステーション用シミュレーションゲームである。
2008年にはゲームアーカイブスで配信が開始されている。

ジャンルは宇宙作物育成・害獣退治ゲーム。

概要

舞台は未来（26世紀）の宇宙で、主人公は農家を営む為にニッカボッカ星系にやってくる。
目標は「全宇宙野菜コンクール」に優勝して宇宙一の農家になることであり、農業用ヘルパーロボットのピートと共に毎日作業に追われることとなる。

基本的に仕事は、「よりよい野菜の種を作り、育てる」、「害獣バブー（以下バブー）から畑を守る」、「コンクールに出品し優勝を目指す」の繰り返しである。

ちなみに、交配やバブーの進化のためにAIが搭載されている。

あまりメジャーなゲームでは無いものの、神ゲーと呼ぶ人は多い。

宇宙野菜

宇宙野菜（以下野菜）はA科、B科、C科の三つの科に分けられ、各科12種、合計36種の野菜が存在する。

地球上の野菜の名が付いている（ｃｆ.シマイモ、星カブ）ものがほとんどを占めているが、地球産の野菜とは見た目、味、食べる部分、そもそもの目的などが大きく変わっている。
また、各野菜には重さ、大きさ、栄養などの属性が1つ以上あり、基本6種、特殊4種の計10種の属性が存在する。

「交配マシン」と呼ばれる機械を用いて野菜の種を掛け合わせ、新たな種類の野菜の種を生み出したり、属性の強化、ある種類の野菜が持っていない属性を他の種類の野菜から引き継ぐなど、野菜を強化（または劣化）させていく。
また、交配マシン自身も数回改良することができる。
多くのプレイヤーは交配にプレイ時間のほとんどをかけているとも言えるだろう。

畑に種を植えることによって生育が始まり、早いものは３日、遅いものは２週間ほどで完全成熟となり、完成した野菜とその野菜の種が３つ収穫できる（完全成熟を待たずに成熟の状態であれば収穫することはできるが、その場合は種が収穫できないか、もしくは少なくなる）。
畑は初期は１つであるが、４つまで増やすことが可能である。１つの畑あたり６個のブロックがあり、６つの野菜を育てることができる。
また、バブー（詳細下記）に食べられた野菜は「傷物」とされ、収穫こそできるものの（成育中に食べられると消滅する）、種も収穫できなくなり、野菜の売却価格も相当落ちることとなる。
ちなみに、完全成熟してからしばらく放置しておくと枯れる。

基本的には、育てて収穫した野菜を売却することで資金を稼ぐこととなる。

バブー

全宇宙に広く存在する野菜を食べる害獣。１６種類ほど存在し、１６種の中でもそれぞれ色や体型、模様が違うバブーが存在する。

生態は多くが謎に包まれているが、ほぼ毎日、１匹～３匹で畑を荒らしにやって来る。
ちなみに日曜日はバブーもおやすみ。

畑が荒らされないようにバブーを撃退するために、プレイヤーはトラップを設置しなければならない。
トラップ設置区域を突破されると畑に侵入され、野菜が食べられてしまうこととなる。
撃退方法には体力を消耗させる、やる気をなくさせるといった一般的なものから、川へ流す、空へ飛ばすなど特殊な物まで色々ある。

凄まじいスピードで進化をしており、引っ掛かったトラップが効かなくなる方向へ進化する。
例えば、体力が削られた場合は増え、腕を使った場合は腕力が強くなるなどである。
また、風や電気に耐性ができたり、羽が生えたり（恐らく羽生えバブーは多くのプレイヤーのトラウマである）、進化の方向は様々である。ある程度使い続けていると、トラップ自体を迂回するようになることもある。

ちなみに、かごや落とし穴でバブーをマイバブーとして捕獲することが可能であり、メモリーカードを使って他人と交換できる。交換したバブーは敵としてやって来ることとなる。

バブーの羽は高級羽毛布団の羽毛として最適であり、パンタロン町の布団屋ではレアなトラップや野菜の種と交換することができる。

コンクール

毎週日曜日にテンガロン村、パンタロン町、ソンブレロ市でコンクールが行われている。
ただし、１年目はパンタロン町のコンクール会場が改装中のため行われず、また、１月のテンガロン村のコンクールは無い。

多くのコンクールは野菜が指定され評価基準もその野菜の属性にまつわる物が多いが、上級のコンクールでは特殊な条件、評価基準が設けられているものもある。
指定された野菜以外を出品することも可能であるが、評価は全く期待できる物ではない。

初期ではテンガロン村しか行けないが、コンクールに勝ち続けることによってパンタロン町やソンブレロ市に行くことができるようになる。

間違っても出品用の野菜は売ってはならず、倉庫などに保管しておくべきである。
個人的ではあるが、当日になって出品用の野菜が無いことに気がつくことが意外と多い。

登場人物

たくさんいるので、主な登場人物のみ語る。

• 主人公：このゲームの主人公。喋らない。
• ピート：主人公をサポートする農業用ヘルパーロボット。農林PETE1号。改良可能。
• ペドロ：宇宙を飛び回る行商人。ベテラン。野菜やトラップの売買は彼を呼んで行うこととなる。
• ヤマさん：「シマイモのヤマさん」。ご隠居。交配マシンを譲ってくれるが有料だったりする。
• ピーカン星のヤマダ：主人公と同時期に農業を始めた良きライバル。
• 大金持ちのシャルル：資産家の息子で、プライドが高く、天才。出品する野菜はゴールデン野菜である。
• アブドゥル・ドゥバ・ドバド：ゴボウ玉。

その他

季節など

ニッカボッカ星系の季節は人工太陽ニッカボッカで調節されており、１年は６ヶ月である。
１月が春、２月と３月が夏、４月が秋、５月と６月が冬になっており、野菜の中には特定の季節で無ければ育たない物がある。

アストロネット

アストロネットという仮想ネットワークが存在し、ゲーム内のヒントなどが掲載されたり、メールが届いたりする。
ただし、受信専用であり、こちらからの送信は不可能。

体験版

このゲームはエニックスの「スターオーシャン　セカンドストーリー」に体験版として付いてきた。
体験版で魅せられた人も多いと思われる。

コスモぐらし

コスモぐらしは、エニックスが２００３年に発売したWindows用シミュレーションゲーム。
アストロノーカをベースにしたオンラインゲームである。

残念ながら２００５年にサービスを終了している。

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