ウィザードリィ#2 ダイヤモンドの騎士(原題:KNIGHT OF DIAMONDS。THEがつくこともある)とは、ウィザードリィの2作目であり、ウィザードリィIIIでもある。
わかりにくいのでサブタイトルの略であるKODと呼ぶか、「#2」という表記をして区別することが多い。
「ウィザードリィIII」だと大概ファミコン版IIIのことだが、PCエンジン版III(リルガミンの遺産)という可能性も否定できない。
「ウィザードリィ#2」ならダイヤモンドの騎士の可能性が高いが、「ウィザードリィ2」だともうわかんねえ。
なのでタグ名では「ダイヤモンドの騎士」が多いようだ。
ニルダの杖に守護されていたリルガミンの街だったが、街の内より生まれた魔人ダバルプスにより危機に瀕する。
リルガミンの王子アラビクは、「伝説のダイヤモンドの騎士」の装備を身につけ、姉マルグダ王女と共にダバルプスの打倒に成功するが、ダバルプスの最期の呪いにより、アラビクとニルダの杖は地下迷宮へと沈んだ。
冒険者の目的は、地下6階層の「ダバルプスの呪いの穴」に消えたニルダの杖を取り戻すことであり、その過程で道中に散らばったダイヤモンドの騎士の装備を集める必要がある。
装備を入手するには、戦って倒す必要がある。これら装備が本作のボスキャラである。
本作はキャラクターを作成せず、前作で育てたキャラクターを転送することが前提の設計になっている。
一階から魔術師の最高位呪文であるMALOR(ワープ魔法)が必要だからである。
そのため最初から敵も強いのだが、その強さは中途半端で、装備が引き継げないとはいえこっちは最初から最強の攻撃呪文が使えるのに、どうも頼りない敵とだらだら戦う感じになっている。
前作にいなかったレベルの強敵が登場するのは終盤。もうゲームクリアは目前だ。
アイテムは前作ものに加えて、より強力なものが追加されているが、それも終盤まで出ない。
迷宮は前作より少ない6階層だが、構造的に隅々まで探索する必要があり、ボリューム自体は結構ある。
謎解き要素としてリドルが追加されているが、どうも釈然としない問題が多い。
前作と比べキャラクターを育てる楽しみも減っており、評価しにくいタイトル。
ファミコンでもターボファイルという周辺機器でキャラクターの転送は可能だったが、そのまま移植することはできなかったので後回しにされて、先に#3が「ウィザードリィII」として移植された。
遅れて移植された「III」は、ストーリーこそ同じだがゲームの中身は全く別物で、後回しにされたことでゲームとしての完成度も高まっている。
迷宮の構造は原型を残しつつも大部分変更、キャラクターもレベル1から開始することが前提となり、ゲームバランスも完全に改められた。原作通りマロールが必要な場面もあるが、終盤のフロアに変更されている。
中途半端な強さだった敵の性能も出現階層も全て見直されている。能力は原作より抑えられているものも多いが、難易度自体は安定して高めになっており、後半になるとオリジナルと同じ能力のものも出てくる。
オリジナルで深い階層でしか出ないのに全然強くなかったスモッグビーストに至っては、そのままの性能で2Fから登場するようになり、かなりの強敵に変貌している。#1や#3のモンスター、さらにはファミコンに移植されていない#4の召喚モンスターも参戦。
オリジナルには「サッキュバス(ヘルマスター)」のようにアップル版からIBM-PCに移植する際に改名されたモンスターがいるが、一部が#4で改名前の名前で出ていたためか、このバージョンだと両方登場したりする。
人間系にはソーサリスや破戒僧など、ファミコン版オリジナル敵までいる。
迷宮もオリジナルと同様複雑で、リドルがないぶん多数のキーアイテムを探し回って翻弄されることになる。
アイテムもファミコン版独自の名前に変更され、「れきせんのむねあて」には騙される人が続出した。
変更はゲームシステムにも及ぶ。#5の魔法が一部先行で輸入され、効果の低い魔法のレベル引き下げも行われた。
また全キャラ一律18だった特性値の上限が「種族の初期値+10」に改められ、種族選択の重要度も上がっている。これは日本版では定番の設計となる。
さらにはオリジナルにいない隠しボスの存在がある。6Fにはクリア称号を持ったキャラクターだけが行ける裏エリアがあり、そこに桁外れの強さの隠しボスが配置されている。#4の最強の仲間モンスターだったこいつを倒すことが、冒険者の真の最終目的と言えるだろう。
文句なしにダンジョンRPGの傑作。
リルガミンサーガの1作として収録。グラフィックにファミコン版の雰囲気を受け継いでいるが普通に#2扱い。
オリジナルの国産パソコン版と微妙に仕様が違うようだが大差もないと思う。リドルも移植されており、隠しボスもいない。
シリーズ最強武器として有名なMuramasa Blade!だが、原語版で村正が最強武器と言えるのは本作が最後だったりする。これ以降はそもそも登場しなかったり、強いがぶっちぎりの最強ではない武器に落ち着いている。
クリア後にしか入れないファミコン版隠しボスのエリアだが、テレポーターで普通に行けるのでこれが正規ルートだと思ってる人もかなりいる。
Rabid Rat(狂暴なネズミ)というモンスターがファミコン版で間違ってラビットラット(ウサギみたいなネズミ?)と訳されてしまい、後の機種も仕方なくそれに続くという謎な状況になっている。
Rhino Beetle(ライノゥビートル)というモンスターがファミコン版で「コインみたいな虫(rhinoに「お金」という意味があるらしい)」と解釈されているが、たぶん性能的にはサイのようなカブトムシをイメージしたモンスターである。
GBC版はファミコン版の隠しボスこそが真の黒幕と解釈し、裏ダンジョンが大きく膨張した。
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最終更新:2025/12/10(水) 00:00
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