ウインカーネリアン 単語


ニコニコ動画でウインカーネリアンの動画を見に行く

ウインカーネリアン

4.7千文字の記事
これはリビジョン 3405834 の記事です。
内容が古い・もしくは誤っている可能性があります。
最新版をみる

ウインカーネリアン(Win Carnelian)とは、2017年生まれの日本の競走馬である。栗毛の牡馬。

主な勝ち鞍
2022年: 関屋記念(GⅢ)
2023年: 東京新聞杯(GⅢ)
2025年: スプリンターズステークス(GⅠ)

概要

スクリーンヒーロー、母コスモクリスタル、母父*マイネルラヴという血統。

父のスクリーンヒーローは現役時代、9番人気から2008年ジャパンカップを勝ったことで知られるグラスワンダー産駒。現役引退後はレックススタッドで種牡馬入りを果たすも、唯一のGⅠ勝利が低人気からの大金星ということもあって、供用当初は期待薄であった。
しかし、初年度産駒からモーリス、ゴールドアクターといった超大物を輩出。その後もコンスタントに重賞馬を輩出し続けており、この馬が生まれた2017年には種付け料700万の人気種牡馬にまで成り上がっていた。
残念ながらキャリア後半には受胎率の低下が見られており、ウインカーネリアンが現役中の2023年シーズンを最後に種牡馬としても引退済みである。

母のコスモクリスタルは初勝利まで11戦を要しながらも短距離戦で4勝を挙げた遅咲き。
4代母Reprocolorから広がる牝系には欧州での活躍馬が多く、日本でテイエムオペラオーやメイショウサムソンの父として知られる*オペラハウスも同じ一族である。

母父のマイネルラヴはスプリンターズステークスで引退レースのタイキシャトルを破ったことで有名なシーキングザゴールド産駒(外国産馬)。
種牡馬としても散発的ながら重賞馬を送り出したほか、母父としてはJBCスプリント馬ドリームバレンチノを輩出している。


2017年4月16日、北海道新冠町のコスモヴューファームで誕生[1]。その後、傘下の一口馬主法人「ウインレーシングクラブ」(ウイン)の所有馬として総額2200万円(=6.5万×400口)というそこそこの価格で募集を受ける。
最終的には、父・スクリーンヒーローを管理したほか、やがて2021年年度代表馬のエフフォーリアなども手掛ける関東のベテラン、美浦・鹿戸雄一厩舎に入厩する運びとなった。

馬名の由来は「冠名+宝石名」。
この馬の「カーネリアン」とは、勝利・勇気・友情などの意味を持つ宝石・紅玉髄のことである。

艱難辛苦の先にある勝利

2歳~4歳(2019年~2021年)

2歳6月の東京芝1800m戦で松岡正海騎手を背にデビューしワーケアの2着。中2週で福島未勝利戦に転戦し、鹿戸厩舎所属の三浦皇成騎手が背を任されて初勝利を挙げる。
松岡騎手に戻って新潟2歳S(GⅢ)で重賞初挑戦となるも6着に跳ね返され、続く芙蓉S(OP)も逃げ粘れずオーソリティの2着。その後休養に入り、この4戦で2歳を終える。

3歳2月に条件戦セントポーリア賞で始動するが6着、当時来日していた短期外国人騎手フィリップ・ミナリクに手綱を任せた弥生賞ディープインパクト記念(GⅡ)も7着と賞金加算に失敗。一縷の望みをかけて再び三浦皇成騎手を背にして中2週で3歳1勝クラスに出走し勝利。ギリギリでクラシックへの出走に成功する。
しかし、田辺裕信騎手を迎えた皐月賞(GⅠ)こそ17番人気ながら粘って4着と見せ場を作るものの、続く東京優駿(日本ダービー)(GⅠ)ではあっさり潰れてブービー17着に惨敗。

同年秋は自己条件に戻り、札幌芝2000mの2勝クラスへ横山武史騎手で打って出るも5着。
続く茨城新聞杯で三度、三浦皇成騎手を背にして3勝目を挙げる。それまで騎手は流動的だったが、以降単発騎乗ながら3勝全てを挙げていた三浦皇成騎手に固定、彼を主戦とする。
3勝クラス初戦の常総Sは4着。年をまたいで5歳初戦の若潮Sでは初勝利以来のマイル戦に出走しカラテの2着、続く同条件の幕張Sで勝利しOPに昇格する。この勢いでダービー卿チャレンジトロフィー(GⅢ)に出走予定であったが、直前に跛行をきたし出走取消。その後の検査で蹄葉炎が判明。競走馬としては伸び盛りである4歳期の半ばから長期休養を余儀なくされてしまった。

5歳~7歳(2022年~2024年)

結局ほぼ丸一年休養し、5歳3月のリステッド競走六甲Sで復帰。国分優作が代打騎乗したこのレースこそ6着に敗れるが、三浦に手が戻ると谷川岳S、米子Sとリステッド競走を連勝。
さらに関屋記念(GⅢ)で2番手から逃げた伏兵シュリとの叩き合いを制し、5歳にして念願の重賞タイトルを獲得する。

しかし、肝心の秋大本番マイルチャンピオンシップ(GⅠ)は先行策が取れず12着に大敗。しかも、ここでゲート内で思いっきり立ち上がってしまったために、ゲート再審査を課されてしまう。
当然、鹿戸厩舎ではゲートの訓練が行われたが、出されることを察知して暴れるゲートに縛ったら出れないことを分かって何もしない、極めつけにはゲートの中で寝るとやりたい放題。
再審査そのものでも1度目は不合格となってしまい、ホライゾネットを付けた2回目でなんとかの合格であった。鹿戸師の苦労が忍ばれる……。

6歳初戦の東京新聞杯(GⅢ)は逃げの手を打ち、直線で後続馬の猛追に遭ったが、コンマ2秒内に5頭がひしめく大接戦をアタマ差でしのぎきり重賞2勝目を挙げる。
この後、この馬にとっては初海外・初ダートとなるゴドルフィンマイル(GⅡ)に出走するも6着[2]安田記念(GⅠ)8着、毎日王冠(GⅡ)5着、ブリーダーズカップマイル(GⅠ)11着と、6歳にして国内外への果敢なチャレンジを選んだが、やはりどうにも結果には結びつかず。

7歳初戦も東京新聞杯で始動。やはり逃げを打ち、直線でサクラトゥジュールとの同期対決に屈したが2着。
ウインカーネリアンのターニングポイントとなったのは、7歳にして初めてのスプリント戦となる高松宮記念(GⅠ)。これまで1600~1800mのマイル戦を主戦場にしてきたこの馬としては、大幅な距離短縮。結果、11番人気の支持に留まるものの、重馬場の中を番手から粘って4着と皐月賞以来のGⅠ入着で見せ場を作った。
一方で、安田記念は14着と前年を下回る結果に終わってしまう。

こうした春GⅠ2戦の結果を考慮して、秋は本格的に短距離路線にシフト。スワンステークス(GⅡ)は6着に敗れたが、京阪杯(GⅢ)は逃げ粘ってビッグシーザーのクビ差2着と距離への適性を示した。

8歳(2025年)

もう競走馬としても相当な高齢になる8歳になっても現役を続行し、シルクロードステークス(GⅢ)に出走。3番手から踏ん張り3着に粘り込む。

次走には2年ぶりの海外遠征となるドバイのアルクオーツスプリント(GⅠ)に出走。
逃げてゴール板直前まで先頭に立っていたが、最後の最後で英国馬Believingの強襲に屈しコンマ1秒差の2着。惜しくも初GⅠ勝利とはならなかったが、同競走における日本馬の歴代最高着順を記録した。

帰国初戦は夏競馬のキーンランドカップ(GⅢ)。僅差の1番人気に支持されたが、2番人気の3歳馬パンジャタワーら後輩の末脚に飲み込まれ5着に敗れた。

2025年スプリンターズステークス

こうして迎えた秋のスプリント王決定戦、スプリンターズステークス(GⅠ)
人気は春の王者サトノレーヴ、2年前の勝ち馬で復調気配のママコチャ、安定勢力のナムラクレアが集め、ウインカーネリアンは大外8枠16番を引いたこともあり、11番人気の低評価だった。

最後16番ゲートにウインカーネリアン……。
艱難辛苦の先に、喜びは待っているか三浦皇成――

―ラジオNIKKEI 山本直アナウンサー

しかし、三浦騎手はこの馬の騎乗経験から外目の枠の方が良いと思っていたようで、むしろ大外は好機と捉えていた[3]ようで、抜群のスタートを決め、レースに切り込んでいくウインカーネリアンと三浦。内から鞍上の予想通り、武豊のジューンブレアが主張してきたので先に行かせ、2番手を確保して先行策へと持ち込む。
前半3ハロン33秒7と、このレースとしては遅めの流れでレースは進んでいき、前2頭が後続を離して引っ張る形のまま直線を向いた頃には、もう後続は付いていけない。
結果、内のジューンブレアとのマッチレースに突入。両者一歩も譲らない壮絶な叩き合いとなったが、残り50mで僅かに前に出たウインカーネリアンがそのリードを守り切り、アタマ差で振り切ってゴール板を通過。齢8歳、33戦目にしてGⅠタイトルを掴み取った。

8歳で国内調教馬がJRA・GI初勝利を挙げるのは2009年天皇賞(秋)のカンパニー、2018年JBCスプリント(京都競馬場開催)のグレイスフルリープに次ぐ3頭目の快挙。なお2着に7番人気ジューンブレア、3着には3年連続3着の2番人気ナムラクレアが入り、三連単1,301,150円と大荒れになった。

鞍上の三浦皇成は、騎手生活18年目で悲願のJRA・GⅠ初勝利。127度目のGⅠ出走での初勝利もJRA史上最長記録というあまりに長い道のりの先で掴んだ念願のタイトルに、インタビューでは開口一番「本当に長かった」と万感の一言。「最後はカーネリアン頼むと、それだけだった。もう勝てないんじゃないかと思った時期もあったが、こうやって叶うことができてよかった」と、スタンドからの万雷の拍手・三浦コールを受けながら、JRA通算1000勝を越えても叶わず、それでもなお願い続けていたGⅠ勝利への感慨を存分に吐露した。

管理調教師の鹿戸雄一はエフフォーリアの有馬記念以来4年ぶりのGⅠ5勝目。同時に厩舎のGⅠ初勝利であった本馬の父スクリーンヒーローとの、17年越しの父子GⅠ勝利を成し遂げた。
また生産者のコスモヴューファームは、なんと1996年の設立から29年目で初めての生産馬によるJRAGⅠ勝利となった[4]

血統表

スクリーンヒーロー
2004 栗毛
*グラスワンダー
1995 栗毛
Silver Hawk Roberto
Gris Vitesse
Ameriflora Danzig
Graceful Touch
ランニングヒロイン
1993 鹿毛
*サンデーサイレンス Halo
Wishing Well
ダイナアクトレス *ノーザンテースト
モデルスポート
コスモクリスタル
2006 黒鹿毛
FNo.13-e
*マイネルラヴ
1995 青鹿毛
Seeking the Gold Mr. Prospector
Con Game
Heart of Joy *リィフォー
Mythographer
*クリスチャンネーム
1993 栗毛
Cadeaux Genereux Young Generation
Smarten Up
Colorvista Shirley Heights
Reprocolor
競走馬の4代血統表

クロスNorthern Dancer 5×5(6.25%)、Hail to Reason 5×5(6.25%)

関連動画

関連リンク

関連項目

  • 競馬
  • 競走馬の一覧
  • スクリーンヒーロー
  • 三浦皇成
  • 2020年クラシック世代

脚注

  1. *同牧場での同父同期にはのちに香港ヴァースを制するウインマリリンがいた。
  2. *ちなみに「なんで芝のマイラーなのに、ダート1600mのゴドルフィンマイルで始動したの?」と思うかもしれないが、これはゲート再審査を避けるためのであった。というのも仮にマイラーズカップに出走して、国内で二度目のゲート再審査をもらってしまうと、春大一番の安田記念に出走できなくなってしまう⋯なので、こうしたリスクを避けるための選択だったのだ。
  3. *BSイレブン競馬中継・第2部(2025年9月28日放送分)コーナー『もしもし突然ですが東です』より。
  4. *国外ではウインブライトがクイーンエリザベスⅡ世カップと香港カップ、ウインマリリンが香港ヴァーズを勝利している。
関連記事

親記事

子記事

  • なし

兄弟記事

おすすめトレンド

ニコニ広告で宣伝された記事

記事と一緒に動画もおすすめ!
紲星あかり[単語]

提供: 核砂糖入り紅茶

もっと見る

急上昇ワード改

最終更新:2025/12/10(水) 07:00

ほめられた記事

最終更新:2025/12/10(水) 07:00

ウォッチリストに追加しました!

すでにウォッチリストに
入っています。

OK

追加に失敗しました。

OK

追加にはログインが必要です。

           

ほめた!

すでにほめています。

すでにほめています。

ほめるを取消しました。

OK

ほめるに失敗しました。

OK

ほめるの取消しに失敗しました。

OK

ほめるにはログインが必要です。

タグ編集にはログインが必要です。

タグ編集には利用規約の同意が必要です。

TOP