エイワス 単語

エイワス

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注意 この記事は新約とある魔術の禁書目録の重大なネタバレが含まれています。
了承した方のみ自己責任で突っ走ってください

エイワス(聖守護天使エイワス)とは、ライトノベル『とある魔術の禁書目録』に登場するキャラクターである。

元ネタは、現実のアレイスター=クロウリーに「法の書」を伝えた同名の高次元存在。アイワスと表記される事も。クロウリーはこの知性体を自身の「聖守護天使(HGA=Holy Guardian Angel)」と見做した。
テレマにおける「ホール・パール・クラアトの使者」であり、他にも「秘密の首領(シークレットチーフ)」や「地球外生命体」など様々な魔術的記号を内包する。

クロウリー曰く、「法の書」が完成した1904年以降は「ホルスの時代」…つまりキリスト教支配下の「オシリスの時代」が終焉を迎えた後に到来する、「人間一人ひとりが神となる時代」であるという。

旧約禁書の概要

ドラゴン』と呼ばれる学園都市の最重要機密。
その正体は、かつてアレイスター=クロウリーに知識を授けた「聖守護天使エイワス」と呼ばれる高次元存在。

聖守護天使、地球外生命体、シークレットチーフの真なる者など様々な説が存在する。本人曰く、天使という記号に対応しているが、ドラゴンの呼び名の方が本質に近いらしい。

ヒューズ=カザキリを核とし、AIM拡散力場を集合させることで現出した。この製造過程を経て「現出」したものの、それだけでAIM拡散力場に莫大な負荷をかけ、結果ミサカネットワーク、更には打ち止めへの影響も引き起こした。

登場は旧約19巻だが、名前だけなら旧約7巻(法の書篇)の時点で「守護天使エイワス」として挙がっている。
金髪の光り輝くような長身の持ち主で、ゆったりとした白い装束を身にまとう。性別は不明だが、作中の三人称は‘彼’。外観の見た目だけなら女性的に見える。
時折言葉にノイズが混じるが、これは「ヘッダが足りない」ために意味を表現できないとのこと。

アレイスターは彼に「自殺防止機構」のようなものを植え付けたため、彼自身が意識せずとも外敵からの攻撃の一切を防ぐ。これは、一方通行の超能力を力でねじ伏せた上に、更に覚醒した一方通行の黒い翼の力さえも圧倒した。彼の見せた攻撃の詳細については直接食らった一方通行によると、垣根帝督や木原数多のように「すり抜けた」のとも、上条当麻のように「打ち消した」のとも違う、「気付いたらダメージを受けた正体不明」の力と回顧している。

残念ながら、それはrgg時ri代piregiが違うな。
君のは所詮、オシリスの頃のrsg力nopheだ。その程度ではホルスを生きる私にhosef敵qierdないよ。

なお、一方通行を潰したこの力も彼にとっては「無意識の防衛」程度の感覚で、実際に戦う気はなかった上、更に上位の力を振るう際には、「変形」機構まで持っている様子。
戦闘の後、一方通行が意識を失う直前に、『禁書目録』という言葉を頼りにロシア、エリザリーナ独立国同盟へ向かう事を勧めた。

幾度かの事態でアレイスターの「プラン」の崩壊を示唆しており、たまに彼をネチネチいびったりしている。

その立場故に余り表には出ないが、その性格故にアレイスターと比べて自由奔放っぷりを漂わせる。
割とやりたい放題で、一方通行のロシア行きを煽った事で、風斬氷華には脅迫とも言える釘を刺されたりしていた。自身に振りかかる危機も、それを可能とするかも知れない「弱い人間」にも強い興味を持ち、事態を悠然と楽しむ。超然とし過ぎていて、彼にとって塵芥にも等しい人間さえも興味深い対象となっており、「3人の主人公」の存在にもいち早く注目していた。また、プランの中核となる一方通行と会話する為に、わざわざ出向いたりしている。

登場人物の中では上条当麻、一方通行垣根帝督が気になっているようである。

新約禁書の概要

あらゆる宗教概念に依らない最下層の世界「科学の世界」における天使。

オティヌス:
ヤツの名はどこにも出てこない。どんなカテゴリの宗教にも収まらない。……そして、この世界は物理法則の上に幾重にも魔術サイドの位相を折り重ねる事によって成立している

エイワスとは、一番下層……純粋なる物理法則の世界に佇む天使なのだ

新約とある魔術の禁書目録 18巻P.285より抜粋

とあるシリーズの世界は、魔術法則が支配する「位相(異世界)」を幾重にも重ねた状態で成立している。その一番下、最下層に位置するまっさらな異世界が「純粋なる物理法則の世界」と呼ばれている。

エイワスを召喚したアレイスター=クロウリーは「科学的」という言葉を「霊的・物理的問わず物事の因果を美しく順序立てて説明できること」として使っていた。
エイワスもそうした意味での純粋なる科学=物理法則の世界に佇む天使であり、神に隷属する十字教の支配を脱した人類の次なるステージ「ホルスの時代(アイオーン)」を生きる高次存在でもある。

エイワスの喚起

アレイスターとのファーストコンタクトは1904年。
旧約7巻と新約18巻の描写を繋げると、禁書でもアレイスターの最初の妻・ローズの身体を霊媒にした召喚だったようだ。この時、エイワスがローズの体を介してアレイスターに口伝した情報が「法の書」として書き留められ、使用すれば十字教の時代が終わると伝えられる眉唾物の魔道書になっている。

アレイスターが「法の書」の内容を基に「テレマ」の概念を主張し、イシス、オシリス、ホルスの三神の名を借りて人類の生きる時代(アイオーン)を切り分けたのもこの頃であった。
彼はエイワスとの接触があった年=「法の書」が完成した1904年より前を神に因われた旧時代と見做し、「1904年に最後の審判は既に果たされ、今ある時代は次の時代(ホルスのアイオーン)である」と主張している。

アレイスターが掲げる計画(プラン)にとってもエイワスは重要な部分を占める。オティヌス曰く、純粋な科学世界の法則を従えるエイワスの制御方法を確立した後、世界にわだかまる「位相」をエイワスの莫大な力でもって完全に排除し、魔術を消滅させる事が可能となるらしい。
(「位相」同士の軋轢が生む「火花」が撒き散らしていた運命の偏りも世界から無くなるため、アレイスターがエイワスを重宝する理由としても筋が通る)

力量

エイワス自身の純粋な力量は不明だが、理論値では完成された『魔神』に対抗出来ると言われている。
先述した通り「地球外生命体説」も内包する以上、地球に縛られた法則には依存しておらず、むしろ地球から離れると徐々に力が解放されていく。

新約18巻のアレイスターvs上条当麻戦で召喚された際、上条の奥底に潜む存在を2行で潰している。その際に「多少は成長しているようだがまだまだ青いな。しかも純度も甘い」という発言を残した。やはり上条の奥底に潜む存在についても把握していた様子。

また、魔道書を伝達したという性質上、自ら魔道書を執筆することも可能なようだ。実際に『窓のないビル』に縛り付けられたミナ=メイザースを地球に逃がす為、魔道書「黒猫祭祀秘録」をミナの身体を借りて執筆している。

ミナの人格を構成する「問答型思考補助式人工知能(リーディングトート78)」に代わる携行可能な依代を芸術家的なインスピレーションを発揮して即興で、しかも一瞬で作り直して一冊の本に記述を纏める、という超人的な行為を難なくこなす辺り、やはり規格外の存在ではあるらしい。
(黒猫祭祀秘録はミナの根幹、そしてインデックスが記録した10万3001冊目の魔道書となった)

性格

作者は新約19巻あとがきで「エイワスは特に善人ではない」と述べているが、一応アレイスターのような「理不尽に全てを奪われても努力を惜しまず足掻き続ける者」には揺り動かされるようだ。ローズに憑依したのもアレイスターに救いの手を差し伸べる為だという。

エイワスを身体に降ろした時、既にローズは娘・リリスを身籠っていた。エイワスは死ぬ運命にあったリリスの構造を事前に読み取り、生命力を位相に退避させていた。アレイスターリリスの「肉の器」を作り、現世に受肉できるようになるまでは位相で保護しておく予定だったと語っている。
リリス(とある魔術の禁書目録)

新約19巻では、約一世紀も魔術の根絶を掲げたアレイスターの血と汗と涙の重さに報いるため、リリスを剥き出しの生命力のまま現世に誕生させ、親子の再会を演出している。

契約者アレイスター=クロウリー君がどのような人間であれ、幸せになるための努力を決して怠ってはならない

……今まであれだけのいばらの道を、よくぞ歯を食いしばって歩き通した。君が孤独の暗闇の中で流した血と汗と涙、その等量だけ九三の数字[1]を背負う天使が報いよう。世の摂理などどうでも良い、既存の神々が決めた定めなどクソ喰らえだ。さあ顔を上げ、前を向いて、胸を張って、堂々と受け止めたまえよ。君自身が不断の努力でもって手繰り寄せた恩恵を!!

アレイスターをネチネチと罵倒しながらも救おうとするエイワスはツンデレなのかもしれない。

しかし、天使というイメージに反して意外と口汚い事も判明している。新約19巻では大悪魔コロンゾンに対しゲロ袋、オガクズ頭、生ゴミ、肉塊、悪魔風情、汚物、タン壺野郎、クソ山、風呂場の黒ずみ程度の存在、便所ブラシ、ゴミ溜め、デブリ野郎などと喋る度に罵っていた。

失敗作…?

新約10巻では魔神「僧正」に「完全な失敗作」扱いされている。彼の発言によると、いずれアレイスターがエイワスの件で頭を抱える事態に陥るとの事。
『魔神』娘々の言葉から失敗作というのは
魔神達の共通見解と思われる。

なお、アレイスターは「呪い」により失敗を余儀なくされている事が判明した。そのため、本当にエイワスが「失敗作」だとしても特に不思議ではないかもしれない。

世界の真実

新約18巻だと台詞にノイズが混ざっていなかった。エイワス曰く、

なるほどなるほど。此度は私の肉声もブレずに届くか。
それだけ世界が真実を思い出していったのかもしれないが。

との事で、世界の真実(本質?)とやらの設定が示唆されている。

現実のエイワスはテレマ教に属する守護天使だが、旧約で判明した「テレマ基準の四大属性(属性の歪み)」との関係といい、世界の真実はテレマ教に関係する何かなのだろうか…。

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関連項目

  • とある魔術の禁書目録
  • アレイスター=クロウリー(とある魔術の禁書目録)
  • 大悪魔コロンゾン
  • ミナ=メイザース
  • リリス(とある魔術の禁書目録)
  • 上条当麻
  • 一方通行(アクセラレータ)
  • 浜面仕上
  • 風斬氷華
  • 魔神(とある魔術の禁書目録)

脚注

  1. *93=ゲマトリア(カバラ)の数秘術でエイワスを表す数価。これはテレマと同じ数価でもある。

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