エースをねらえ!とは (エースヲネラエとは) [単語記事]

エースをねらえ！とは、山本鈴美香による伝説の少女漫画
およびそれを原作としたメディアミックス作品である。

概要

週刊マーガレット1973年2・3合併号より1975年5号まで連載され、いったん完結したが、
3年後第二部として再開され1978年4・5合併号から1980年8号まで連載される。
厳しい特訓で強くなる特有のスポ根漫画の枠を超え人生論漫画になっている。

あらすじ

主人公、岡ひろみはお蝶婦人(竜崎麗香)に憧れて西高テニス部に入部。
名門西高にいながらも上手くなれない岡ひろみを宗方コーチが代表選手に抜擢する。
実力がない岡は断ろうとしたが周りの部員に妬まれながらも試合に出てお蘭に完敗する。
それ以来、宗方コーチの説得もあり特訓を受け入れる。
特訓の辛さや負ける怖さから挫けそうになるが
宗方コーチ、お蝶、お蘭、藤堂のアドバイス、励ましで
お蝶、お蘭と打ち合えるほどに上達する。

さらに岡ひろみは世界大会で2位になり宗方コーチに報告を楽しみにするが
海外遠征後に宗方コーチの死を知り岡ひろみは悲しみから乗り越えられないでいた
色々あって最終的には乗り越えて日本代表1枠を勝ち取る。

作風

いわゆるスポ根漫画とは一線を画するもので特訓に耐える描写より
テニスに情熱をぶつけている人がたくさん出てくる。
師弟愛、親子愛、葛藤などの描写が多い
特に宗方コーチの死後は生とは何か、愛とは何か、親子とは何かといった説学的な説教漫画化する。
テニスへの情熱が異常だが、テニス描写に現実離れした
大怪我や魔球のような必殺技は描かれていない。

テニスの王子様（テニヌ、テニプリ）とは異なり試合課程を客観的に凄さよりも心の変化などを主観的に描いている。
背景も内面を重視し台詞や回想シーンを非常に多用する。
瞳がない顔になる描写も多い。
誰がどの台詞を話しているのか、思ってるだけで話してないのか、
これはいつのシーンなのかという風に混乱する読者もいるだろう。
特に少年漫画を読んできた人、古風な少女漫画を読み慣れてない人には読みにくいと感じやすいといえる。
※内面の炎を背景で使い、決して火事が起こっているわけではない。

登場人物

岡ひろみ
　竜崎麗香(お蝶婦人)に憧れて西高テニス部に入る。素直でひた向きな性格で
　お蝶婦人を追いかけ宗方コーチを信頼して特訓に打ち込む。
　大きな可能性を持ちながら壊れやすさも見事に描かれている。

ゴエモン
　ひろみの飼い猫。黒い猫である。

牧
　西高でひろみの同級生で親友。

宗方仁
　残りわずかな一生を捧げられる選手を探して西高で岡ひろみをみつけ選手にし付きっきりでコーチする。
　理屈に合わないことはしない男で哲学的な台詞で周りを納得させる。
　トップ選手だったが、22歳の時に練習中に倒れて選手生命を諦める。

竜崎麗香
　通称“お蝶夫人”。超高校級の実力者で、西高生徒会副会長。自分に憧れるひろみをテニス部に誘い、妹のようにかわいがる。
　庭球協会理事の娘として、プライドが高い。
　現代では完全にネタとして扱われるお嬢様ことばを使う。
　岡ひろみの1つ上である

藤堂貴之
　生徒会長。西高テニス部男子副キャプテンでもある。宗方の特訓や先輩たちのいじめに耐えるひろみを優しく励ます。
　愛そうとするが、宗方コーチに「男なら女の成長を妨げるような愛しかたはするな！」と説得され
　岡ひろみの全てを受け入れる器の大きさを持つ苦悩が描かれている。

尾崎勇
　西高テニス部男子キャプテン。藤堂とダブルスを組めば天下無敵。

千葉鷹志
　新聞部員（報道部員）で、藤堂・尾崎の親友。テニスの取材・撮影をライフワークにしており、
　早い時期からひろみの写真を撮り続ける。空手をたしなみ、黒帯を許されている。

宝力冴子
　東京・白蘭高校に転入した帰国子女。関東メンバー合宿で自分と同学年のひろみを見つける。
　世界を知る立場から、ひろみを刺激するライバル。奔放な性格で、宗方コーチを尊敬している。

英玲
　はやぶされいと読む。ひろみに憧れてテニス部に入る後輩。かなり可愛い。実力もある。

神谷裕介
　面影が宗方コーチに似ている。ひろみの後輩。香月が3年の時、1年生。後に西高のテニス部を背負ってたつ
　ひろみが神谷に宗方コーチから教わった技術を全て教える。

桂大悟
　宗方仁の親友。宗方の再起不能宣告と同時にテニス界を引退する。
　宗方との“ある約束”を守るため、永平寺で修行生活に入った。宗方の死後、
　健康なコーチとしてひろみの復活を支え、世界へ送り出す。