カール・エドワルド・バイエルラインとは (カールエドワルドバイエルラインとは) [単語記事]

カール・エドワルド・バイエルラインは銀河英雄伝説の登場人物。
CVは大山尚雄（初代）、神奈延年（二代目）。
ウォルフガング・ミッターマイヤーの幕僚の一人で分艦隊司令官。艦隊旗艦はニュルンベルク。

経歴

第8次イゼルローン攻防戦において援軍として参戦。この時の階級は中将。

ラグナロック作戦ではフェザーン経略やランテマリオ星域会戦に参加し、ミッターマイヤー艦隊の一翼として従軍。

バーミリオン星域会戦の裏側で行われたハイネセン奇襲では、ロイエンタールの暴走を懸念して、独断で警戒態勢をとり、ミッターマイヤーに諭されてるも解除はしなかった。

ローエングラム王朝創設時に大将に昇進。大親政ではマル・アデッタ星域会戦に参戦。

同盟滅亡後にロイエンタールに不穏の嫌疑が発生した時、面会に赴こうとしたミッターマイヤーに自重を促すが一喝される。しかしミッタマイヤーの方が軽率であったらしく、年長者のビューローがバイエルラインの方を支持してミッターマイヤーを翻意させた。

回廊の戦いでは艦隊6000隻を率いて出陣。アッテンボローと互角に戦うが、元々兵力に劣るアッテンボローは擬態の遁走をする。追撃の為あえて突出したところをヤンに攻撃されて翻弄されてしまう。

第2次ランテマリオ会戦ではロイエンタールの策にかかり、突出したところを集中攻撃されてミッターマイヤーに救出される。この時の敗北で、副司令官レマー中将以下3人の提督を失った。
ロイエンタールの死に対して嗚咽を漏らしたミッターマイヤーの声を聞き、一生この光景が忘れられないと感想を抱いている。

以後もミッターマイヤー艦隊の一翼として活動したと思われる。獅子の泉の七元帥の誕生にともない、繰り上がりで上級大将となったのかは不明。後世の記録から、ミッターマイヤーの後を襲った事が示唆されている。

人物

長身で瞳の色はダークブルー。
ミッタマイヤー艦隊の勇将達の中でも最も若く、果敢な指揮官。豪胆かつ剽悍な人為で、人は悪くないが時に毒舌を吐く事もあった。
年齢は不明であるが、ロイエンタールより5才年下との記述がある事から黎明編24才～落日編29才と逆算される。

少年時代は教師の目を盗んで午睡をしていたりとあまり真面目な生徒ではなかったようである。
メルカッツの生死を酒の肴にしてミッターマイヤーと飲もうとするなど不謹慎な面もあった。

作中では恋人はおらず、軍が恋人と、職務にかまけて異性を省みなかった。
女性のタイプはエヴァンゼリン夫人で、年上の人妻か、年下の少女がタイプなのか解釈が分かれるところである。

上官であるミッタマイヤーを敬愛し、ミッターマイヤーの方でも目をかけており、用兵や人生の師としてのメンタリティで接していた。ヤンに敗れた時も咎める事なく、まだまだ役者が違う、と将来の期待を込めている。
時にミッターマイヤー邸に寄ってささやな酒宴にあずかる事もあった。

反面、ロイエンタールは苦手だったようである、ロイエンタールの方でも青二才呼ばわりして重視しなかった。
両者の年齢差は5才あったが、それだけに留まらない風格と迫力の差があった。

ラインハルトに対する忠誠心も高く、侮辱した同盟の特使オーデッツに対してブラスターを抜きかけた事もあった。敵に破れても仰ぐ旗は変えぬと頑な面も見せて、ミッターマイヤーは頷きつつも口に出すのは慎むように注意されている。

能力

単純な力業だけの人物でなく、異常な嗅覚を示す一面もあり、ロイエンタールの危険性に気付きかけていた。ロイエルタール本人とのやりとりから知ったミッターマイヤー、ベルゲングリューン以外で、外面からロイエルタールの梟雄性を洞察しえたのはオーベルシュタインとヒルダを含めて三人である。

艦隊指揮能力は、同盟軍のアッテンボローと拮抗する。アッテンボローが逃げを打つのに拘りがないのに対して、罠と知ってもあえて突破を図る等、提督としてのタイプは大分違うようである。
ヤンやロイエンタールとの戦いでは経験と能力の不足から敗北を喫した。

二十代後半で大将まで昇進を重ねた稀有な人物。ただ、最大級の武勲をあげ、武運も高かったミッタマイヤーの部下で、異動される事もなかったという点を差し引く必要はあるのかもしれない。
グリルパルツァー、クナップシュタイン、トゥルナイゼンといった新進気鋭の次世代の提督達の一人であり、後続として期待されていた。しかし上級大将（一個艦隊司令官として独立）になる為には経験、識見、視野が不足しているとされる。前の三人が失態して値を消す中、後世に令名を残す事となった。
「ミッターマイヤーの後継者、有能で誠実で清廉な軍人」と後世の歴史に記録される。