ガンダムアストレイアウトフレームとは (ガンダムアストレイアウトフレームとは) [単語記事]

「ガンダムアストレイアウトフレーム」とは、ガンダムSEED外伝「機動戦士ガンダムSEED DESTINY ASTRAY」に登場するモビルスーツである。略称は「アストレイOF」。

この項ではアウトフレームの各種形態、オリジナル機「テスタメントガンダム」についても解説する。

概要

GUNDAM ASTRAY OUT FRAME ガンダムアストレイアウトフレーム
型式番号	ZGMF-X12
全高	17.71m
重量	46.40t
搭乗者	ジェス・リブル８（ハチ）カイト・マディガン
装甲	発泡金属装甲
特殊機能	ミラージュコロイド・デテクター
戦闘武器	専用ビームライフル

「DESTINY ASTRAY」でジャンク屋のロウ・ギュールがジャーナリストのジェス・リブルに譲渡した謎の機体。

名称にアストレイの名が付くが、頭部の巨大なV字アンテナとセンサーは明らかにアストレイシリーズとは異なる様に思える。
アウトフレームとは『規格外』のMSという意味を込めてロウが付けた名。繋げると「道を外れた規格外の者」になる。

その実態は、連合が開発したMS「ストライクガンダム」の換装システムをザフトが研究して製造した技術試験機。
正式名称を「テスタメントガンダム」という。

テスタメントは「ジェネシスα」にてリジェネレイトガンダムとの並行開発が進められたが、『一族』の息がかかった連合の特務部隊によって奪われている。

戦後、ジェネシスαで見つかったテスタメントの「予備パーツ」を、ロウが作業用MSとして組み立てた。
ロウ達はアウトフレームをジェスに譲渡した直後に火星へと旅立つ。その際、火星に行く事を嫌がっていた擬似人格コンピュータ「８（ハチ）」を帰還するまでの間、ジェスのサポートに残した。

作中で行われる改造作業はほぼ８の独断によるもので、殆どジェスを通さず行われる。

膝アーマー内蔵式ワイヤーや、後述するバック・ホームが印象的だが、ジェスが戦いを好まないため基本的には非武装。戦闘用に作られた装備は無く、せいぜいビームサインや大型ナイフを武器に応用出来るくらいである。

だがジェスに戦闘の覚悟が出来た時、この機体は必ず力になることだろう。

「ガンカメラ」
ジェスが取材へ赴く際に使用するMSサイズのハンディカメラ。
静止画や動画の撮影は勿論、プロジェクター、センサー、ライト、レーダー通信付き。
元々はジャンク屋組合製の民間用MS「レイスタ」のジェス専用カスタマイズ機で常用していた。
「ビームサイン」
腰部に装備した視覚信号用のサイン。空中に文字や絵を映し出せる。
出力次第でビームサーベルやビームシールドとして使用出来るが、サインが焼き切れるため戦闘には不向き。
「専用ビームライフル」
カイトがアウトフレーム用に設計した唯一の戦闘用装備。エネルギー供給はカートリッジから行われる。
アウトフレームのセンサーと連動して高い命中率を誇る。また、単発ながらグレネードも装備する。

バック・ジョイント装備

背部ストライカーシステム経由のバックパック。
この装備が、作業機として組み立てられたアウトフレームの通常形態。

伸縮機能と多重関節を備えた作業用アームに展開し、繊細な作業が出来る。

バック・ホーム装備

切り裂きエドの取材に出向く前に、８がジャンク屋組合に発注した長期取材用装備。設計者は８とユン・セファン。

風呂、寝室、キッチンを完備した「家」。それ以上でもそれ以下でもない。
豪華にも通常MSサイズの実に半分を占める4階構造で、最上階の風呂はユンが設計した物。大容量バッテリーを搭載しており、本体の稼動時間を飛躍的に伸ばせる。生活のために。

ちなみに本体のパワーがレッドゾーンに突入するとお湯が温くなるのでもちろん定期的な補給が必要。

主な利用者はジェスとカイト、そして突如現れた謎の少女・セトナ・ウィンタース。（※ネタバレ反転：その正体は火星移住者『マーシャン』のシンボルとして作られたコーディネイター。「Δ ASTRAY」主人公、アグニス・ブラーエの姉。）

Gフライト装備

取材対象（インパルスガンダム）に追い付けなかったアウトフレームに急遽追加された飛行ユニット。
機体輸送用のマシンを再設計したもので、アウトフレームと同等かそれ以上の巨大なサイズとなった。

MS形態の他に、飛行形態（戦闘機状）への変形機構を持つ。
変形時はアウトフレームをユニットとシールドで挟み込み、Gフライト用の大型シールドを翼状に展開させる。この時、両腕は自由に動かすことが出来るため、ガンカメラで対象への取材が可能。

ユニットはストライカーシステム応用機なので、スカイグラスパーやストライクガンダムとも合体出来る。

ストライカーシステム

ストライカーシステムとは、連合軍が開発した、一つの機体で多様な状況下に対応するシステムの一種。
本編の主役機「ストライクガンダム」が使用していた換装システムと言えば話が早い。

テスタメント（アウトフレーム）の開発コンセプトは、ザフトによるストライカーシステムの技術試験運用機。
故に、ザフト機でありながら連合の各種ストライカーパックを装備出来るのは上で説明した通り。

理論上は全てのストライカーパックの装着が可能。ただし、現在のアウトフレームは一部パックを装備出来ないため、装着の際に何らかの工夫が必要である。作中では下記のストライカーパックを確認済み。

「エールアウトフレーム」: 連合の空戦用パック「エールストライカー」を装着した形態。
主に大気圏内での滑空・高速戦闘に使用される。武装・機動性共にバランスの良い装備である
「ソードアウトフレーム」: アウトフレームの改修機「アウトフレームD」での運用を確認。模型作例では通常のOFに装備された。
詳細は「#ソードアウトフレームD」を参照。
「ランチャーアウトフレーム」: 射撃戦特化型パーツ「ランチャーストライカー」を装備した形態。
右肩部のパーツ装着には特殊な補助パーツを付ける必要がある。

マルチパック

ザフトの「シルエットシステム」や「ウィザードシステム」に対応した新パーツ。OSの調整・制御は８が担当する。

８がリジェネレイトとの交戦データと「DSSD」の技術を借用してミックスした物で、ストライカーパックも使用可能。

…とサラっと言ったがシルエットやウィザードは明らかな軍事機密だ。作中でも指摘されたが「ジャンク屋驚異のメカニズム」と言い放ったのを最後に言及は避けている。オマージュで濁している辺り、突っ込むのは野暮らしい。
まぁこうなると気になってくるのは、「ブラックボックス」である８に使われた技術の方なのだが。

こちらも理論上は全てのシルエットとウィザード、及びストライカーパックに換装出来る。
ちなみに、ソードシルエットとデスティニーシルエットは改修後の「アウトフレームD」で使用された。

「ブラストアウトフレーム」: 対艦・対要塞攻略などに使用される火力支援に優れた射撃戦用シルエット。
インパルスガンダムと廃コロニーに閉じ込められた際、瓦礫を吹き飛ばす為に装備した。
補足するとインパルスはエネルギー切れであり、装備にはパイロットのシン・アスカの承諾を得ている。
「フォースアウトフレーム」: 機動性に優れる「フォースシルエット」を装備した形態。設定画でのみ確認。
「スラッシュアウトフレーム」: 近接戦闘に特化した「スラッシュウィザード」を装備した形態。設定画でのみ確認。

ガンダムアストレイアウトフレームD

GUNDAM ASTRAY OUT FRAME-D ガンダムアストレイアウトフレームD
型式番号	ZGMF-X12D
全高	17.71m
重量	46.40t
搭乗者	ジェス・リブル８（ハチ）カイト・マディガンセトナ・ウィンタース
装甲	発泡金属装甲
特殊機能	ミラージュコロイド・デテクター
武装	ビームサイン専用ビームライフル大型ナイフ（アーマーシュナイダー）

作業用MSとして組み立てられたアウトフレームを本来の姿に近付けた形態。テスタメントガンダムとの戦闘で破損したアウトフレームに、ロウ・ギュールが改修を施した。
情報を歪める者と戦うジェスの意志を汲んだ戦闘用MS。

今まで通りマルチパックを装備し、ストライカー、シルエット、ウィザードの各種換装システムを利用できる。

対テスタメント用に頭部センサー類を外して有視界戦闘用コックピットを増設。テスタメント戦では、通常のコックピットにはカイト・マディガン、頭部コックピットにはジェスが搭乗した。

頭部にはセンサーを狂わせるウイルスの対策として、カメラ型視認デバイスを８に接続。ジェスがそれを持ち、敵を撮影してアウトフレームDの“目”となる。
テスタメント戦では都合上このような形式をとったが、通常は従来の頭部センサーが用いられる。

本来の姿に戻したというのは、つまり外装をオリジナル機のテスタメントの意匠に似せたということ。
オリジナルのテスタメントとの違いは、非NJC搭載・非核エンジン機（バッテリー）で、装甲材がオーブ勢アストレイに使われる発泡金属という点。強度面でテスタメントのVPS装甲に劣るが、身軽さ・機動力ではこちらに分がある。

作業機として組み立てられたアウトフレームと比較すると、センサー類や戦闘能力が強化された。

名称の「D」にはダッシュ、ダブル、デュアル、デスティニーなど様々な意味が込められている。要するに適当。

「ミラージュコロイド・デテクター」
ジャンク屋組合が開発した「ミラージュコロイド」を察知する装置。
と言っても周辺にいるのが分かる程度で具体的な位置まで捕捉することは出来ない。
アウトDに乗るセトナと、ゴールドフレーム天に乗るユンの「かくれんぼ」で見事勝利をおさめる。なおその後、自分の機体の負けを認めないミナ様による反撃がジェスを待ち受けていた。どうなったかは不明である。

アウトフレームDの換装形態

「ソードアウトフレームD」: テスタメントガンダムとの戦いに備えてジェスがカイトに提案した近接戦闘用装備。
南米戦争時に見た“切り裂きエド”の戦闘を模倣してテスタメントに勝利した。
「アウトフレームD（ブースター・ウィザード装備）」: カイトがイライジャ専用ザクファントムに設計した高速戦闘用ウィザードをジェスが一時的に使用。
スラスター装備で推力の強化と同時に大気圏内の飛行を得た。可動により瞬発的な回避能力も高い。
「デスティニーアウトフレームD」: ランチャー・ソード・フォースの全ての特性を備えた万能のシルエット・モジュール。
ジェスがイルド・ジョラールに協力を仰ぎ「プロトセイバー+11」のウイルスでマーレ・ストロードの「デスティニーインパルス1号機」のシルエットを強制的に解除させ、アウトフレームDがデスティニーシルエットを装備した。
背部の両翼から「光の翼」を発する。EN効率最悪のシルエットだが、OFでも結構もつようだ。

テスタメントガンダム

TESTAMENT GUNDAM テスタメントガンダム
型式番号	ZGMF-X12A　（ザフト） RGX-00　（連合）
全高	17.71m
重量	46.40t
搭乗者	スカウト0984（アッシュ・グレイ）
装甲	ヴァリアブルフェイズシフト装甲
特殊装備	ニュートロンジャマー・キャンセラー量子コンピューターウィルス送信システム
武装	対空自動バルカン砲塔システム“イーゲルシュテルン” ビームサーベル×2 ビームハンドガン×2 ディバインストライカー攻盾システム「トリケロス改」

ザフト製12番目のガンダム。連合の「ストライクガンダム」の換装システムをザフトが研究して製造した技術試験機である。

この機体のデータを参考に、ザフトのウィザード・システムやシルエット・システムの開発が行われた。

「ジェネシスα」でリジェネレイトガンダムとの並行開発が進められたが、『一族』の息がかかった地球連合軍特殊情報部隊に奪取され、データの解析終了後に改造を受けた。
その後は新たな形式番号（RGX-00）とパイロットを与えられ連合で使用されている。

テスタメントの搭乗者はスカウト0984。かつてリジェネレイトガンダムでロウと戦い、敗戦後に連合軍に捕獲され薬物投与や記憶を改竄されたアッシュ・グレイである。

ヴァリアブルフェイズシフト装甲（VPS装甲）を採用しており、通電により装甲の色に変化が起きる。色はかける電圧の調整で変移し、変色に伴い装甲強度も上昇する。

テスタメントの場合はフェイズシフト・ダウンを示す「灰色」。フェイズシフト後の第一段階「白」、そこから更に防御力を上昇させた第二段階「赤」への変色パターンを持つ。

連合軍によってミラージュコロイド技術を応用した「量子コンピューターウイルス散布機能」が加えられた。巨大な頭部アンテナからコロイド粒子を散布後、粒子を媒介にして量子コンピューターを意のままに操れる。
この時のテスタメントは対象のセンサーから姿をかき消すことが出来るため、対策は肉眼で視認する他ない。

なにより恐ろしいのは音声データや映像データにさえ干渉し、精巧な偽装を行える点。ジェスに言わしめると「情報を歪める能力」であり、使い方によっては単機で戦場を混乱に導き、支配することだって可能。

作中では「ジェネシスα」を襲撃して量子コンピューターにウイルスを送信。ジェネシスαやそこでメンテナンスを受けたモビルスーツを全てウイルスに汚染させ、ジェス達を混乱に陥れた。
そこでジェス・リブルの声を真似るも、会話の内容に違和感を持ったカイト・マディガンに看破される。本物のジェスはカイトを名前で呼ぶが、偽物（スカウト0984）はマディガンと呼んだため、カイトが不審に思ったのだ。

全知でない人間が使う以上、他人に成り済ますのにはどうしても穴が生じるということである。
とはいえウイルスの脅威に変わりはなく、その後の戦闘でもセンサーから姿を消して優位に持ち込んだ。

「アウトフレームD」との戦闘で敗北。機体を残したままスカウト0984が宇宙に流され行方不明となる。
テスタメントはほぼ無傷の状態でカイト・マディガンの手に渡った。

「トリケロス改」
ブリッツガンダムの複合兵装「トリケロス」の発展型。VPS装甲の盾で、内蔵ビーム砲やクローを装備する。
ゴールドフレーム天の装備と同名だが、若干こちらの方が攻撃的なフォルムに思える。
「ディバインストライカー」
連合により追加されたテスタメント用ストライカーパック。通常は背部飛行ユニットとして機能している。
クローへの変形機構を持ち、背部の第三の腕に変形した後、本機の格闘武装の一端を担う。
VPS装甲第二段階では、色も合わさってより一層禍々しく変貌し、悪鬼じみた姿となった。
「ビームハンドガン」
トリケロスに格納された二丁の小型銃。
大型の携行武器が目立つ中で貴重な小型火器であり、隠密行動や近接戦闘に適す。

マディガン専用テスタメントガンダム

ほぼ無傷で手に入れたテスタメントをカイト・マディガン専用機として改造した。

VPS装甲第一段階はより明るめの白。第二段階では従来の赤を基調とした装甲に、カイト機のトレードマークである「白い十字」模様が浮かび上がる。

ちなみに、戦闘で破損したウィルス散布機能は未修理のため使用不可能。

「マディガン専用銃」
MSコレクターのカイトが専用機に持たせる複合兵装。（レーゲンデュエルやディンレイヴンなど例外もある）
実弾とビーム弾を撃ち分けられ、銃身の下のソードで格闘を行う。

ガンダムアストレイアウトフレーム単語