グリペン(JAS39グリペン)とは、スウェーデンで開発された戦闘機である(グリペンはスウェーデン語でグリフォンの意)。
サーブ37ビゲンの後継機として1980年から開発が始まり、1996年に部隊運用が開始された。
1980年代において戦闘機開発は巨額の予算と高度な技術力を必要とするものであり、小国のスゥェーデンではもはや難しいのではないか。という意見もあり当初は国外からの輸入も視野にあったらしい。
結果的に自国産業総動員のような形でJASグループが形成される。
JASとは、Jact(戦闘)/Atack(攻撃)/Spanning(偵察)の意味もあり、マルチロール(多目的任務)化を目的とし、高額な原因ともなるアヴィオニクス(電子機器)をシンプルなものにする一方、当時の条件の一つでもあったステルス能力についてあまりこだわらない形とした。これが可能なのも基本的にはスウェーデン空軍が基本的には迎撃を主体としているため、という形もある。ステルスが必要なのは基本的には侵攻・攻撃の場合となるからであるため。
機体形状はビゲンのカナード+デルタ翼形状を踏襲。機体翼下にさまざまな兵装を搭載することが可能である。
またドラケン、ビゲンから続く系譜として高速道路を利用した離発着能力も兼ね備えている。
ただし前作のビゲンが任務の多用途化・航続距離延長のために機体が大型化、スラストリバーサー(逆噴射装置)を搭載したが故に短距離離陸に必要な滑走路の補強などを必要としたため、グリペンはこれをあきらめて、航続距離との引き換えに機体の軽量・小型化を実現することで短距離離陸能力を実現した。
また高い整備性も相変わらずで数人の地上クルーにより、着陸から離陸までターンアラウンド時間は極めて短い。
1996年に部隊運用が開始された。単座のA型と複座のB型、それぞれに改良を施したC型とD型が存在する。
現在さらに発展したグリペンNG(Next Generation)が開発中。
これはエンジンをF/A-18E/Fに搭載しているF414Gエンジンの搭載、AESAの搭載、機体主脚部分の設計見直し/位置を変更することによりハードポイントの増加、燃料搭載量の40%増加などを行っている。
現在購入可能な新造機の中では購入代に加え維持・整備費も安く済むため、老朽化したF-5やMIG-21などの代替として数カ国に輸出されている。
日本において見ることがかなわない機体にもかかわらず知名度は高い。というのも、「群青の空を越えて」というPC用アダルトゲームの中で登場したりするわけで、ドラケンといい、妙なところで知名度が高い機体と言えるだろう。
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最終更新:2024/03/29(金) 19:00
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