ゲゲゲの鬼太郎(アニメ)とは、ゲゲゲの鬼太郎のアニメ版のことである。
墓場鬼太郎を除けばほぼ10周年期程度に番組が構成され、今まで5作制作されている。
これは日本のアニメ史の中で唯一のことである。
水木しげるの漫画、墓場の鬼太郎をアニメ化した作品。
墓場というタイトルをスポンサーが嫌がったため、今親しまれているタイトルに変更されたという経緯がある。
第1作目のみ白黒だが、それ以降の作品はみんなちゃんと色がつくようになった。
1990年代に放映された第4期は、東映アニメーション初のデジタル化作品でもある。
また、第3期からはレギュラーの声優をほぼ一新するという試みも見られた。
第5期まで田の中勇が一貫して目玉おやじの声を演じてきたが、鬼籍に入ったため今後どうなるかは不透明である。
1968年1月3日から1969年3月30日まで放映された、記念すべき第1作目。
原作は少年誌にしてはちょっとグロい、あるいは下品な内容があったが、アニメ化にあたり少しマイルドにされた。
反面、「キチガイ」「ルンペン」「左巻き」「インド乞食」などといった、今では差別用語にあたる単語がやたら滅多に飛び交ったりする。なお、DVD化にあたっては差別用語に対する注意テロップが2作目ともども付いている。
第1話には「ねずみ男が登場せず、妖怪と戦わない」エピソードである「おばけナイター」が選ばれた。実はこのエピソードは元々4話5話くらいに放映する予定だったが、「アニメ版は雰囲気を明るくしてまずはソフトな印象を視聴者に与えよう」とスタッフ側が考えたため、既にいくつか作られていたエピソードの中からこの話が選ばれたそうな。
反面、鬼太郎の誕生エピソードはこの第1期・続編の2期を含め、初代スタッフやキャストでは描かれなかった。その後野沢雅子の鬼太郎が誕生のエピソードに携わるまでは、アニメ・墓場鬼太郎が制作されるまで数十年の時を要した。
当時テレビはカラー化が進んでいたが、原作の雰囲気を出すためという理由であえて白黒作品にしている。それでもなお高い人気を得たことで、ゲゲゲの鬼太郎のアニメ史が数十年に渡って形を変えて続いていくようになった。そういった経緯からこの作品は、東映アニメーション(東映動画)最後の白黒アニメとなった。
いろいろな作品に出始めていた野沢雅子が、はじめて主人公を担当したアニメでもあり、後に野沢雅子は欠かせない役として鬼太郎のことをあげている。
1971年10月7日から1972年9月28日まで放送された。
放送話数は最少だが、第1作目の直接的な続編であり、明確に続編とされているのは第1作目とこの2作目のみ。
アニメ版鬼太郎ファンの中でも一目を置かれているシリーズで、原作のストックがないことから1作目後半から多用していた「水木しげるの短編を鬼太郎としてアレンジする」という手法をかなり多く取り入れている。
当時は「カラーアニメと言えば白黒時代のアニメのエピソードをリメイクして作っていく」という風潮が強い中、「いや、鬼太郎の第2期は第1期の続編だ!」というスタッフのこだわりからきたものである。そのため、当然ただでさえ少なかった原作のエピソードはすぐに枯渇した。
この時代でも「原作が足りないからオリジナルエピソードの多用」という手法はよく見られたが、スタッフはあえて「水木作品を原作として鬼太郎を交えてアレンジする」という、現在から見てもかなり斬新な判断を行っている。
そのため「鬼太郎が事件解決しにいくというより単に巻き込まれただけのエピソード」なんていうものが生まれたりするほど、他のシリーズとは一線を画す内容となっていった。
反面、安定した人気を得たわりには、総話数は第1期を除いて換算すると最少となっている。これはやはり原作のエピソードのストックがなくなり、上記のような手法を用いてエピソードを作りきることが難しくなったためであろうことがわかる。
しかし支持率は高かったようで、今までの鬼太郎の中ではもっとも再放送が行われた作品である。
中盤からは、これまた水木しげる原作の「サラリーマン死神」から死神を準レギュラーとして起用し、鬼太郎と事あるごとに衝突する役として定着させた。余談だが死神役を演じたのはねずみ男役の大塚周夫が後年チキチキマシン猛レースで相棒としてタッグを組むこととなる神山卓三である。
エピソードのメッセージ性・風刺性が特に強いことで有名であり、「縁切り虫」「心配屋」「足跡の怪」など今でも語り草となるエピソードが満載である。
ねずみ男がメインとなって話を進めていくエピソードが多いことから、ねずみ男がもっとも輝いている作品であるとも言えなくもない。また、猫娘がレギュラーになった初の作品でもあり、他にも一反木綿、砂かけ婆、子泣き爺、そして塗り壁などの妖怪達が、今でも知られる鬼太郎ファミリーも登場するようになった。だがこの頃は猫娘以外のメンバーは第3作目と比べると、たまに出てくる準レギュラー程度の扱いでしかなかった。
1985年10月12日から1988年3月21日(地獄編含む)まで放送された。
鬼太郎のアニメ作品の中では最もポピュラーかつファンの多いシリーズであると言われている。当時ジャンプ漫画原作のヒーローアニメが隆盛を極めていた中で視聴率ナンバー1をかっさらったというのだから、その人気のほどが伺える。
1期・2期からスタッフが一新されているだけでなく、キャストも一新された。前任(初代)のキャストは皆これを残念に思っているという発言をしているが、これがキッカケで野沢雅子は新たなはまり役を得た。
ただし目玉親父役の田の中勇だけは後任が見つからずに続投し、それ以降第5期の放映後に氏が急逝するまでほぼすべての目玉親父を担当するキッカケとなった。
作風はこれまでの鬼太郎以上にヒーロー然としており、鬼太郎の性格がこれまでよりやや熱血的かつ、「悪は絶対許さない」というものになっている。そのためねずみ男への折檻も容赦がない。
さらにヒーロー的な活躍を演出するため、アニメオリジナルの妖怪オカリナという新アイテムを作り上げ、これは第4期でも採用される鬼太郎の有名な武器の一つとなった。
また、本作品ではヒロイン役としてシリーズ唯一の人間レギュラーとなる天童ユメコという、アニメオリジナルのキャラクターが作られた。彼女は本作の一つのテーマである「人間と妖怪の融和路線」に拍車をかけるキャラクターとして成立していった。後年の第5期鬼太郎映画となる「日本爆裂」に登場するヒロインもこのユメコがイメージされていたり、第3期と言えばこのユメコちゃんに思い入れを抱く人は多い。
こうしたアレンジは原作者の水木しげるに必ずしも全てが受け入れられたわけではないが、視聴者の人気はかなり高く、スランプ気味だった水木しげる自身の生活を支えるまでに成功を収め、結果鬼太郎アニメシリーズの最長作品(地獄編含めて115話)となった。
鬼太郎役の戸田恵子は、鬼太郎アニメ40周年の短編に出演した際に「尊敬している野沢さんの役を受け継ぐことになり、すごいプレッシャーを感じながら演じていた。この短編にも出演するかどうか悩んだけれど、野沢さんも来ると聞いてオファーを受けることを決めた!」と語っている。
1996年1月7日から1998年3月29日まで放送された。
3作目には及ばないものの総話数114話という長期シリーズである。ただし、3期の地獄編を引いた場合、単独話数では首位となっている。
テーマとしては原作への原点回帰に比重が置かれ、次いで水木しげるからの「ジブリみたいな感じで」と言われて方向性が決まった作品であり、その色使いはどこか風情の見られるものになっている。第2期以来久しぶりに「カランコロンの歌」がEDとして使われており、今のところこの歌が使われているのは第1・2期とこの第4期だけである。
64話からデジタル作画(ちなみにこれが東映アニメーション初のデジタル作画)となった。これによって制作費のコストカットに成功した反面、ジブリっぽさを感じる色使いは見られなくなったと言って良いだろう。
鬼太郎はヒーロー的な性格でありながら、原作にも似た陰鬱な雰囲気を合わせ持っており、原作と同じようにやや呑気な場面が見られる。また、ねずみ男は衣の色が始めて黄色になった。
とまあ作風や見た目こそ原作に寄せてはいるが、原作付きのエピソードのほとんどは原型を留めていないくらいアレンジされ、ほとんどアニメオリジナル作品となっているのが特徴である。
基本的には第3期で絶大な支持を受けたヒーロー路線をある程度受け継ぎつつも、鬼太郎本来の不気味さも演出されるなど、エピソードのアレンジはともかく鬼太郎の性格的には原作寄りとなった。
「君の後に黒い影」というフレーズはこの番組の次回予告の締め口上である。他には細田守が演出を担当した回がいくつか存在するのが有名か。特に最終話1つ前の第113話は今でも語り草となっているカオス回である。
4期の鬼太郎は、ちゃんちゃんこの柄がやや波打っており、イラストを描く際はそこが強調されるのが特徴である。
現時点での最新アニメシリーズ。2007年4月1日から2009年3月29日まで放送。総話数はピッタリ100話。
現代風刺を思いっきり取り込んだ現代的な鬼太郎であり、ねずみ男が友情に厚い「良い人」になっていたり、ネコ娘が完全な萌え枠となったり、目玉親父のマスコット化が極まったりと、かなり今時な作品となった。
鬼太郎の性格や作風は3作目と4作目の中間と言ったところで、極端に怖い話がほとんど存在しないのが特徴。しかし怖い話はとことんブラックである。
今回は妖怪オカリナが継承されなかった代わりに地獄の鍵という必殺技が途中で追加され、バトルを盛り上げた。
さらに本作特有の設定として妖怪横丁という、妖怪が暮らす街があり、一反木綿、砂かけ婆、子泣き爺、ぬり壁、といった鬼太郎ファミリー以外にもたくさんの妖怪が準レギュラーとして登場し、鬼太郎に助けを求めたり、逆に助けたりする。反面、これまでの鬼太郎ファミリーの出番はかなり減ってしまい、ねずみ男もその割を食う羽目に。
2年目からは、これまで1話完結型が基本だった鬼太郎において、地獄編のように一つの大きな背景ストーリーを確立させ、妖怪四十七士という妖怪の仲間を集めるストーリーが展開、毎回見たくなる構成になっている。
しかし、ドラゴンボール改をやりたいテレビ局と東映の思惑、そして鬼太郎TVアニメ40周年を記念した映画(日本爆裂)がコケたことが重なって、安定した視聴率を叩き出していたのにも関わらず打ち切りとなる。そのため、妖怪四十七士は全て集まりきらずに終わり、地獄の鍵も2つしか開放されていない。
スタッフ、キャストともにこの打ち切り劇に納得がいかず、5期シリーズ再開を目指して高山みなみらを初めとして熱心な活動を行っていた。
しかし、その活動中に田の中勇や郷里大輔(後にはさらに青野武なども)といったレギュラーキャストが相次いで逝去したことでやや活動が沈静化してしまっている。
だが、公式のブログは番組が終了して数年経過(2013年現在も)してもなお不定期に更新されており、決して「シリーズ再開」の号令が絶やされているわけではない。
今後の活動次第では1期・2期以来の続編シリーズ製作の可能性もある…かもしれない。
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最終更新:2025/12/10(水) 02:00
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