シドニアの騎士とは、月刊アフタヌーンに連載中の弐瓶勉による萌えSFロボット漫画である。タイトルにも堂々と「正道ロボットSF」と銘打たれている。
概要
太陽系を謎の異生物ガウナに破壊され、人類が地球から脱出して1000年、宇宙を放浪する播種船シドニアで暮らす少年・谷風長道がハーレムを作りつつ巨大ロボット・衛人を操縦し、ガウナと戦うお話。
弐瓶勉初のロボット物であり、ブラム学園のノリを取り入れた作品。弐瓶勉作品としては見やすく、分かりやすいのが特徴。
これまでに発表済みの他の作品であるBLAME!、BIOMEGA、ABARA、戦翅甲蟲 天蛾の設定や要素が随所に見られてファンには嬉しいところがある。(必ずしもストーリーに直接関係しているとは限らず、名前だけあるいは単にサービスとしても)
登場人物
衛人操縦士
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谷風長道(たにかぜ ながて)
- 主人公、一七式衛人白月改・継衛(つぐもり)の操縦者。モテモテ(物語序盤はそれはそれは悲惨だったので感慨深いものである)で天然で腹ペコ。数々のフラグを立てつつガウナと戦うシドニアのエースパイロット。
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星白閑(ほしじろ しずか)
- 衛人操縦士、長道ハーレムのその1。長道とデートしたり、自分由来の水を飲ませたりしたため、それが死亡フラグとなり・・・
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科戸瀬イザナ(しなとせ いざな)
- 衛人操縦士、長道ハーレムその2。男性でも女性でもない中性。戦闘時に負傷し右手左足を機械化。生体尿管カテーテルの形状は謎。幾多の死亡フラグを跳ね除け長道と同棲中。ただし、つむぎも一緒。さらに纈も加わり前途は多難のようである。
性別に関する新たな事実が明らかになりつつあるが、またしても死亡フラグも同時に立っている。
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岐神海苔夫(くなと のりお)
- 元衛人操縦士。名門岐神家の御曹司で岐神開発の跡取り。プライドが高く、長道とたびたび衝突するが、落合に脳を乗っ取られる。その後は対外的には岐神開発の岐神海苔夫として融合個体や人工カビ開発の責任者として行動しつつ、同時に落合自らの目的達成のために暗躍する。
※以降の記述で落合本人の項目以外で特に注釈がない場合、「落合」=「落合(中身)・岐神海苔夫(体)」である。
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緑川纈(みどりかわ ゆはた)
- 衛人操縦士訓練生だったが才能を見いだされ戦闘指揮官補となる。長道ハーレムその3。
プライベートでは色んな意味で行動力のあるダメな策士であるが、与えられた責務と友情を優先する。悪い娘ではない。しかし、最近イザナの性別が変化の兆しを見せ始め胸の大きさも追い抜かれてしまったため、再び策士としてのダメな方の行動力を発揮しつつある。
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仄シリーズ
- シボが11人いる!いっぱいいるよー。
仄シリーズは急速に成長させたクローン体で全員外見上の区別は付かず、遺伝子操作も受けているようで常人に比べて身体能力が異様に高い。実年齢はおよそ5歳で情緒面で未成熟な面があり、それが日常生活での行動に表れることもある。パンツにそれぞれの名前を小さく書いている描写もあったがストーリーの根幹に関わるような事柄なんてことはなく多分どうでもいい。ヘルメット等の装備や搭乗する機体に名前を記しているのでそれで見分けられる。仄シリーズ同士は姉妹のようでもありながら、それ以上に強い絆で結ばれているようである。よく女子光合成室他で下着姿か全裸を見せる担当。
- 仄煉(ほのか れん)・・・衛人操縦士。よく長道に蹴りを食らわせる方。仄焔の負傷の原因が長道のミスによるものではないと誤解が解けた後はツンデレっぽく見える行動をとるが、精神年齢が低いだけで多分そんな気は無い。
- 仄焔(ほのか えん)・・・衛人操縦士。そんな煉をフォローする方。戦闘時の負傷でしばらく意識不明であったが回復し仄煉の誤解を解く。尚、煉と焔ともに話すより先に手(または足)が出る武闘派であるが触手と虫は苦手。
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サマリ イッタン
- 巨乳の衛人操縦士。操縦士としても隊長としても極めて優秀で人望もあり、男勝りな性格で人気が高い。一部操縦士の間で光合成の権利獲得のため競い合っているが本人にその気はない。最近長道ハーレムの一員になった。
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弦打(つるうち)
- 鷲鼻の衛人操縦士。軽口が多いため、不幸な目によく合う。「サマリィィィ~」
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勢威さん
- 戦闘指揮官補だったが緑川纈と交代する形で衛人操縦士に配置換えになった。衛人操縦士および隊長としての能力もサマリと同等。かっこいい。
シドニア人・その他
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小林(こばやし)
- 第二八代シドニア艦長、戦闘総司令官。元衛人操縦士で不死の船員会。普段は能面のような仮面を着けて顔を隠している。シドニアの存続のためなら非情な判断も下す。一般船員に紛れるのが趣味。
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落合(おちあい)
- 元不死の船員会でマッドサイエンティスト。100年前にシドニアを危機に陥れ、人口の99%をガウナに食われてしまった原因を作った張本人。記憶を消去され、生身の脳を自身のクローンに移植された。が、岐神海苔夫の脳を乗っ取り復活した。「んぎぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃいいい」
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ヒ山ララァ(ひやま ららぁ)
- 熊、寮母、不死の船員会、中身は幼女。怒ると野性が剥き出しになる 「ゴラァァ」
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斎藤ヒロキ(さいとう ひろき)
- 長道の祖父。シドニアの英雄だったが、15年前長道と共に消息不明に。故人。
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科戸瀬ユレ(しなとせ ゆれ)
- イザナの祖母。優秀な科学者。100年前の危機を救った能力を評価され、不死の船員会となった。
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田寛ヌミ(たひろ ぬみ)
- 巨乳。外生研の研究者。だったが、これまた落合に意識を乗っ取られた。
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佐々木主任
- 東亜重工主任技術者、衛人整備士。背が高く、気が強いため人類最強とも・・・「誰が人類最強だって?」
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白羽衣つむぎ(しらうい つむぎ)
- 落合が作り上げたガウナと人との融合個体。高い戦闘能力と無数の触手とピュアなハートを持つ長道ハーレムの一員。
本体の大きさが衛人並に巨大なため、親しい人間との日常のコミュニケーションには感覚器官や発声器官を備えた人間サイズの太い触手を主に用いる。必要に応じて形状を変化させたり、細い無数の触手を出したりすることもできるが、どこにいようとも常に本体と繋がっている(大抵は船内に張り巡らされた配管網の中を通している)。
本体については、大きさは別としてまるで(外殻が)ドレスのようであり甲冑のようでもある優美な造形の姿と言えるのだが、船内の日常生活では一ツ目の長くて太い触手である。でも段々可愛く見えてくる。不思議!
用語
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シドニア
- 物語の舞台となる巨大宇宙船。播種船と呼ばれる太陽系を脱出した多数の恒星間移民船のうちの一隻。直線的なシルエットの船体後半部分に資源採集用の小惑星のような岩塊が纏わり付いている特徴的な形状をしている。船殻は外部から内部にかけて氷層、岩石層、海水層等に保護され、内部の船体中心軸周りと船殻内側表面に居住区があり、兵器・生活物資の工場や研究・開発施設を備える。船体後部向きに1G程度の重力発生機関を搭載しており、ある程度の慣性も打ち消せるのだが、推進力は軽く1Gを越えるため加速・減速時や方向転換時には度々船内で死傷者が多発する(船内に重力警報が発令されるが大抵間に合っていない)。このため、船内の至る所に命綱のフックを取り付ける手すりが設置され、日頃から訓練や点検に余念が無い(フックを取り付けても命綱で胴体が切断されたり、身動きできない状態で落下物に潰される等日常茶飯事)。居住区画の構造物・建造物の形状はBIOMEGAでの復物主の世界以前のものと類似している(どう見ても耐Gなどには向いていない)。
- 有機物の循環再生システムを搭載しているようで、操縦士や船員の死体などもこれでリサイクルされているようである。しかし、個人の衣服や装備品、日用品は再生や生産が難しいのか補修や修繕を繰り返して使用しているようで、一般船員も戦闘員等も区別なく着衣に継ぎ接ぎが目立ち、搭乗服や気密服は親子何代にも渡って使い続けている。
艦長などの上級船員や衛人搭乗者等の儀礼用の装束や装飾品、式典の様子は日本古来のものに由来しているようであり、登場人物の名前、兵器類の名称、使用されている文字からもシドニアは何らかの形で日本に関連して建造された船であったのかもしれない。
- 衛人のような機動兵器の他にシドニア自体にも強力な固定兵装が各種搭載されている。いまだ登場していないものも存在すると思われる。ただし、シドニアは船体の巨大さ故に機動力が低く、固定兵装も大掛かりなものであるため危機的な状況など以外では滅多に使用されない上、数少ない使用機会でもあまり効果を発揮したことはない。強力なのは確かで切り札なのであろうが、いつも相手が悪いか状況が悪い。
- 100年程前の事件で船員の99%が死亡したため、現在の船員のほとんどはクローン技術、遺伝子操作・改造、延命・老化阻止技術等を用いて短期間で急速に人口を増加させたものである。事件後に誕生した者は光合成能力を持っており食物の摂取は極めて少ない体質となっている。(事件の生存者でも自らのクローン体に乗り換えて延命している者は光合成能力を持っている。)また、人口増加計画と関係があるのか不明だがシドニアでは、男性・女性の他に中性という両性具有の性別の者の存在が普通となっている。
- 船の意思決定と実権は事件後の生存者が中心となって構成された不死の船員会が握っている。後に方針に関する対立の末に小林艦長が落合(オリジナルではなく記憶回収用のクローン体)を使って実力で排除し全権を掌握した。
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衛人(もりと)
- シドニアの保有する主戦力である人型機動兵器。
衛人は総称で複数の型式が存在する。製造は岐神開発または東亜重工が担当しており、両社は機種選定や開発競争で競合関係にある。
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奇居子(ガウナ)
- 地球および太陽系を壊滅させた謎の存在。太陽系脱出後1000年以上経過している現在でもシドニアにとって最大の脅威となっている。目的や詳細は不明。人類とのファーストコンタクト時から地球上での戦闘と壊滅、そして太陽系脱出時の資料へのアクセスは機密指定されており、ある程度高位の資格が無ければ見ることもできない。
- 奇居子は本体とそれを包む胞衣(エナ)で構成されており、本体を破壊しない限り胞衣をいくら破壊しても効果は無く、胞衣は本体が無事な限り破壊されても再生する。複数の本体が集合して巨大な形態をとることもある。また、胞衣は様々な形状をとるといった特徴がある。ABARAに同名で登場しているが今のところ関連は見られない。短編作品にも似たようなものが存在するが特に関連は見られない。というか多分無い。
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カビザシ
- シドニアが保有する奇居子の本体を破壊できる唯一の物質。
槍の穂先取り付けて衛人が携行武器として使用する。その正体や由来は…。シドニアにはかつて入手したうちの28本しか残っておらず、衛人が撃墜されるなどしてもカビサシだけは危険を冒してでも回収する貴重な物質。後に同様の効果を持つ人工カビの製造に成功する。
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紅天蛾(ベニスズメ)
- 星白閑搭乗の衛人を捕食した奇居子が衛人に擬態した(物語が進むにつれて姿も変貌していく)個体。星白機の機体番号702を模した模様が表面に表れているのと他の奇居子とは桁違いの機動力と攻撃力を有し、その行動も他の奇居子とは異なるのが特徴。内部には星白閑に擬態した胞衣も形成している。大きな損傷を受け奇居子の支配力が弱まった時などに一時的に星白閑に擬態した胞衣部分が人間時の星白閑の意識を取り戻す場面が見られるが、理由や実際どのような状態になっているのかは不明。この現象が繰り返されることで今後なんらかの影響や変化をもたらす可能性に含みを持たせる描写が見られる。
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融合個体
- 奇居子から回収した星白閑に擬態した胞衣から卵細胞を取り出し、遺伝子操作技術で合成した人間の精子と受精させて再びと胞衣に戻して着床させて作り出した生命体。星白閑に擬態した胞衣は通常の人間サイズであるが、作り出した融合個体は衛人を若干上回る程大きい。こうして作り出した最初の融合個体が白羽衣つむぎである。
その後も本体を抜いた融合個体を用いることでカビサシの代替となる人工カビが製造できることが判明したため、同様の方法で融合個体を作り続けている。しかし、落合は人工カビ製造のためではなく個人的な目的のためにもう一体融合個体を製造しようとしている。
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光合成
- シドニアの船員は前述の通り、遺伝子操作技術により光合成能力を備えており、これにより食料問題を解決している。食物の摂取が出来無い訳ではなく、摂取が全く必要無い訳でもないため、頻度は少ないが食事はするし水分の摂取も必要である。光合成は基本的に裸になって行い(衛人のコックピット内で行なっていたこともあるので光源は何でもいいようである)、作中では食堂代わりのように光合成室が頻繁に登場する。ただし、登場するのは女子光合成室ばかりで男子光合成室や男性キャラが裸で光合成している場面は一度も出たことがない。もちろん全然構わないし不満はない。
イザナの生体尿管カテーテルはどうなっているのか?
長道「ねえねえ、イザナのカテーテルってどうなってるの?」
イザナ「長道の馬鹿!!」 シドニアの騎士5巻p52
両性具有者イザナのカテーテルはどうなっているのか?アレはついているのか?謎は深まるばかりである。
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関連項目
- 弐瓶勉
- 東亜重工
- 月刊アフタヌーン
- 漫画作品一覧
- SF
- ロボット