ストレイトガールとは、日本の元競走馬である。JRA初の7歳牝馬によるGⅠ制覇を達成した。
主な勝ち鞍
2014年:シルクロードステークス(GⅢ)
2015年:ヴィクトリアマイル(GⅠ)・スプリンターズステークス(GⅠ)
2016年:ヴィクトリアマイル(GⅠ)
父フジキセキ、母ネヴァーピリオド、母の父タイキシャトル、3代母はシャダイカグラの妹という血統。栗東トレーニングセンターの藤原英昭厩舎に入厩して、2011年8月に札幌競馬場でデビューする。近親に活躍馬がいないため10番人気という低評価であり結果も11着と惨敗。しかし翌週も連闘で未勝利戦に出走し勝利する。だが輸送が苦手なせいもありその後は鳴かず飛ばずで翌年の6月にようやく500万条件を突破、1000万条件を3戦したところで長期休養に入る。
3歳終了時点で11戦して2勝2着1回と、お世辞にも良くはない成績で終わったストレイトガール。しかし翌年の6月に函館開催で500万下に降級して復帰すると怒涛の進撃を見せることとなる。初戦となる500万条件こそ2着に終わるも連闘して突破。この年は札幌競馬場の改修工事のため夏の北海道開催がすべて函館で行われ、そこから中2週・連闘・中2週というハードスケジュールで1000万条件・1600万条件・OP特別と函館で4連勝と一気にオープン馬に駆け上がりキーンランドステークスで重賞初挑戦。函館4連勝の事もあり初重賞ながら1番人気に推されるも、稍重の馬場でフォーエバーマークの逃げ切りを許し2着。輸送が苦手なら滞在させて使い続ければいいじゃないというスケジュールで2か月半の間に6戦して4勝2着2回と覚醒、スプリント戦線に名乗りを上げることとなる。
その後休養に入り年末の中京でのオープン特別で快勝すると、年明けて5歳初戦には京都でのシルクロードステークスを選択。1番人気こそ京都1200mで4連勝中だった1歳下のレディオブオペラに譲り2番人気であったが、レースでは直線で逃げるレディオブオペラを差し切り2馬身半差の快勝で春のスプリント王者決定戦高松宮記念に向かった。高松宮記念では復帰以降連を外さない安定感から1番人気に支持されたが、前を行くコパノリチャードを交わせず、さらに大外から突っ込んできたスノードラゴンに交わされ3着に終わった。次走にはヴィクトリアマイルを選ぶ。初東京、実績のないマイル戦と不安要素があったものの前年覇者で同世代のヴィルシーナ、前年牝馬二冠+エリザベス女王杯制覇したまだ強かったころのメイショウマンボに続く3着と善戦。続いて庭ともいえる函館での函館スプリントステークスに出走、単勝1.6倍の支持を受けるも4歳の復帰以降初めて掲示板を外す11着惨敗に終わる。
秋は新潟競馬場での開催となったスプリンターズステークスで始動。春の王者コパノリチャードが出遅れてチャンス到来と思いきや、ゴール前で春と同様スノードラゴンに差されて2着に。暮れには香港スプリントに出走、初の海外遠征ながら3着に食い込む善戦を見せる。
年明け6歳初戦はぶっつけで高松宮記念に出走しGⅠ3戦で2着1回3着3回の実績から1番人気に支持される。1~3番人気のオッズが5.1倍、5.1倍、5.2倍と人気が割れる大混戦だったが休み明けが応えたのか13着とGⅠで初となる惨敗を喫する。そして昨年同様ヴィクトリアマイルに出走。シルクロードS以降主戦騎手となっていた岩田康誠が前年のオークス馬ヌーヴォレコルトに騎乗するため鞍上は戸崎圭太に乗り替わった。
レースはシンガリ人気のミナレットがハイペースで飛ばして2番手のケイアイエレガントと6~7馬身差をつけて逃げ、ストレイトガールは先頭から5、6番手で待機。4角の時点で先頭のミナレットとは10馬身以上の差がついていたが猛烈な末脚を見せミナレットを残り100m過ぎで差したケイアイエレガントをゴール手前でアタマ差で差し切りレースレコードタイで優勝、初GⅠ制覇となった。6歳(旧7歳)牝馬によるGⅠ制覇は1989年のホーリックス(ジャパンカップ)以来2例目という快挙であった。ちなみにこのレースは逃げたミナレットも3着に残る前残りの競馬で、5番人気→12番人気→18番人気の決着となったことにより3連単が2070万5810円というGⅠどころか重賞史上最高額歴代でも現在3位となる払戻額となった。流石穴男エダテル
休養に入り秋初戦は本番につながらないステップレースセントウルステークス。ここは4着に敗れたが、本番となるスプリンターズステークスでは1番人気に支持される。集団の後方で4角を通過すると直線で差し切り優勝、GⅠタイトル2つ目を手にした。その後GⅠタイトルを引っ提げて昨年同様香港スプリントに出走するも、いいところなく9着に惨敗。この香港スプリントが引退レースの予定であったがオーナーの意向により現役続行となる。この年はヴィクトリアマイルとスプリンターズステークスの2つの短距離GⅠを制したが、最優秀4歳以上牝馬はジャパンカップを制したショウナンパンドラ、最優秀短距離馬は国内外でマイルGⅠを3勝し年度代表馬も受賞したモーリスに阻まれJRA賞の受賞はならなかった。
年明けて7歳となったストレイトガール、春の最大目標をヴィクトリアマイルに定めて無理のないローテとして初戦は4月の阪神牝馬ステークスに出走する。しかし3番人気に推されるも9着に敗れ、本番のヴィクトリアマイルでは前年牝馬二冠のミッキークイーン、前年ジャパンカップを制しJRA賞受賞を阻んだショウナンパンドラなどメンバーの揃う中7番人気と前年の勝ち馬かつ前年GⅠ2勝馬としては低評価となった。しかし中段後方でレースを進めて直線に入ると持ったまま一気に馬群を抜け出し先頭へ躍り出て、ストレイトガールをマークする形でレースを進めたミッキークイーンを突き放し、外から追い込んでくるショウナンパンドラも追いつかせず2馬身半差で圧巻の連覇。JRAでは初となる7歳牝馬によるGⅠ制覇となった。タイムは1.31.5で去年記録したレースレコードタイを一気に0.4秒更新、コースレコードにも0.2秒差というとんでもないタイムを残した。
ヴィクトリアマイルの勝利により秋も現役続行の方針であったがこの年の8月に引退、繁殖牝馬入りが発表された。初年度は世界最強馬フランケルとの交配が予定されている。
通算成績31戦(11-4-3-13)。この世代は古馬混合GⅠ(JpnⅠ)を連覇した馬がストレイトガールの他にジェンティルドンナ(ジャパンカップ)・ヴィルシーナ(ヴィクトリアマイル)・フェノーメノ(天皇賞・春)・ゴールドシップ(宝塚記念)、地方交流を含めるとホッコータルマエ(川崎記念3連覇・東京大賞典)など、近年でも多くの名馬がそろった世代であった。その中でも誰よりもその才能が発揮されるまでに時間がかかったのはストレイトガールであろう。多くの牝馬は6歳にもなれば衰えも激しくなり、引退して繁殖に回るのが多数の中まっすぐに走り続け、6歳以降で3つものGⅠタイトルという栄冠を手にした。ヒーロー列伝のキャッチコピー『遅れてきた、シンデレラストーリー』というのが彼女の紆余曲折あって花開いた競走馬生活を印象付けて歴史に刻まれることであろう。
引退後はリボーの生産牧場として知られるイギリスのナショナルスタッドに渡り繁殖生活を始めることとなる。初年度は世界最強マイラーフランケルが種付けされ無事に誕生。いつか母のふるさとで走ることを楽しみにしたい。
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最終更新:2025/12/10(水) 05:00
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