テレホンカードとは、硬貨の代わりに公衆電話の料金支払をするために用いられるプリペイドカードのことである。テレカと略する。
公衆電話はもともと、硬貨でかけられるものしか存在しなかった。日本の場合、戦後は長らく10円硬貨、それに加えて100円硬貨も使える電話機が普及していた。
しかし100円硬貨を用いて公衆電話をかけた場合、おつりが出ず、利用者が10~90円の損失を被ることがあるようになっていた(これは今も変わらない)。釣銭を出す電話機も一時は検討されたようだが、その構造が複雑になり機械が大型化し、更にコストも高くなるということで断念された。
その代わりとして登場したのがプリペイドカードのテレホンカードである。事前にカードを買っておけば、その分だけ対応する公衆電話にカードを挿入して電話がかけられるものであった。
利用者にとっては、先述したお釣りの問題が解消されることに加え、長時間通話であっても硬貨を挿入し続ける手間がなくなるメリットがあり、設置側にとっても、硬貨回収の手間と硬貨が満杯となって利用不能になる事態が避けられるメリットがあったため、広く普及した。
当初は500円・1000円・3000円・5000円の4種があり、後に1000円以上のものにはプレミアムが付けられている(1000円で105度、3000円で320度、5000円で540度)。
また、テレホンカードは様々なデザインが可能であったため、企業等が宣伝を兼ね、贈答品等を目的に作成することもあった。そのようなデザインカードは、オレンジカード等と共に収集の対象となったこともある。
更に、一部の店舗ではテレホンカードを買い物代金の支払に使えるようにするところも現れた。それだけ、日本人に広くテレホンカードは普及したのである。
しかし、磁気カードであったテレホンカードは偽造・変造がしやすく、またポケットベルの急速な普及で公衆電話を用いてメッセージを送信することが流行ったため、偽造・変造カードが数多く流通するようになり、NTTが多額の損失を被るなど社会問題となった。それ故、3000円と5000円のテレホンカードは販売・利用が停止されるに至った。
のち、偽造対策としてICチップを埋め込んだICテレホンカードが開発・運用されたこともあったが、有効期限があったことや既存の公衆電話機と互換性がなく、IC専用の電話機でなければ使えなかったこと、それに公衆電話・ポケットベルともども携帯電話・PHSの普及で利用が減少したこともあり、現在ではそのサービスが終了している。
磁気テレホンカードに関しても、公衆電話の需要低下により今ではその意義は大きく低下している。以前は金券ショップでも高率で取引されていたが、最近は買取価格が半額以下、販売価格が7割程度となるのも珍しくない。
なお日本のテレホンカードにはNTTが発行する磁気カードの他、NTTコミュニケーションズ、KDDI、ソフトバンクテレコムなどが発行する、番号式のものもある。これらは有効期限があり、またかける際に長いカード番号を入力する手間があるが、固定電話・公衆電話のどちらからでも硬貨や磁気テレホンカードを用いるより国内電話・国際電話が安くかけられる他、海外から通話する際にも使えるメリットがある。
特に後者のメリットが大きいため、国際線が発着する空港では公衆電話の横などで、このようなカードが磁気テレホンカードと一緒に自販機によって販売されていることがある。日本で発行されている主なカードは以下である。
日本のみならず、海外でも磁気テレホンカード、番号式テレホンカードの両方が存在し、流通している。海外発行カードの場合、使い捨てでなく利用後にコンビニ等で入金して複数回利用できるものもある。
SkypeなどIP電話が普及する前は、このような海外発行のテレホンカードを用いて、国際電話を安くかける節約術も流行ったことがある。
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最終更新:2024/04/24(水) 09:00
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