トヨタ・クラウン 単語


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トヨタクラウン

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トヨタ・クラウンとは、トヨタ自動車が1955年から製造・販売をしている乗用車である。
日本製の自動車の名称の中で最長寿である。2008年に登場したモデルで13代目となる。

概要

車名の意味は英語の「王冠」から。初代モデルから現行型まで王冠のマークが付く。トヨタ車の量販車種の中でも上級のポジションを担っている。このため、公用車や企業の社用車としてのブランドがある。
また、1983年に登場をした七代目モデルの名キャッチコピー「いつかはクラウン」と言われるように一般オーナーが憧れる車種としても知られる。

初代モデルから八代目モデルまでは、モデルチェンジごとにタクシー仕様、教習車仕様、ライトバン仕様、パトカー仕様も同時にモデルチェンジをしていた。そのため幅が広いラインアップが存在をしていた。

9代目モデル以後は車幅が3ナンバーモデルのみにモデルチェンジをするが、クラウンのネームバリューがあるおかげで、他車種がベースながらもクラウンの名称を名付けているのはそのため。

初代S30系(1955年~1962年)

開発は1952年に開始。当時の自動車メーカー各社は、欧米自動車メーカーの協力を受けて開発をされていたがトヨタ自動車が日本人の自らの力で開発をした。また、開発責任者を立ててマネージャー制となる「主査制度」で開発をされた初めての車種となった。またこの代の特徴でもあるリアドアが後ろに開くために「観音クラウン」という通称もある。

1955年に発売。「トヨペット・クラウン」として発売をされた。タクシー仕様とライトバン仕様とピックアップトラック仕様は基本シャーシやエンジンが同じながらも、「トヨペット・マスター」と名称が変更される。当初は4気筒の1500ccのガソリンエンジンのみである。1959年には国産車初のディーゼルエンジン仕様が登場する。
ボディサイズは今よりも相当小さく、初代プリウスよりもほんの僅かに小さいくらいのサイズであったが、当時の小型車規格は全長4.3m以下、全幅1.6m以下と今よりも小さかったため、このサイズでも3ナンバー登録であった。その後1960年9月に小型車規格が現行の全長4.7m以下、全幅1.7m以下に改正されたため、これ以降に登録される車両は5ナンバー登録となった。

1962年にマイナーチェンジ。初のAT車が登場し、最上級グレードに4気筒の1900ccのガソリンエンジン仕様が登場。

1957年にはアメリカで海外販売をされるが、当時の完成度が低かったために惨敗。一時販売停止となった。

二代目S40系(1962年~1967年)

1962年に初のモデルチェンジ。デザインは当時の流行であったアメリカ車を意識したデザインとなった。小型車規格の改正を受けて、全長を一気に4.6m超まで拡大した他、性能面でも当時高速道路開発が進んできたために、高速走行に対応するために基本性能を高めた。エンジンも4気筒1900ccエンジンのみとなった。バリエーションにはステーションワゴン仕様も加わった。

1963年にマイナーチェンジ。前後デザインの手直しが行われた。

1964年に最高級車種の日本初のV8気筒2600ccエンジンを搭載した「クラウンエイト」が発売。当時の考えられる豪華装備のパワーステアリング、パワーウインドー、電磁式ドアロックが標準装備となった。1967年に登場をしたセンチュリーはクラウンエイトの後継車種となる。

1965年にマイナーチェンジ。バリエーションに直列6気筒の2000ccエンジン搭載車が登場する。この6気筒エンジン車にはスポーティーグレードも存在した。

三代目S50系(1967年~1971年)

1967年にモデルチェンジ。法人需要が多かったクラウンを一般ユーザー向けのバリエーションとして、法人仕様のボディカラーが黒にあることに対して、一般ユーザー向けのイメージカラーとして「白」を前面に押し出した広告を展開した。『白いクラウン』にキャッチコピーで大ヒットとなった。エンジンも先代モデルと同様に2種類が用意される。1968年には個人ユーザー向けの2ドアハードトップ仕様が追加される。この代よりピックアップトラックやライトバン仕様もクラウンの名称となる。

1969年にマイナーチェンジ。フロントドアにあった三角窓が廃止となった。

この代よりイメージキャラクターとして、俳優・山村聰を起用した。

四代目S60系・S70系(1971年~1974年)

1971年にモデルチェンジ。この代より「トヨペット・クラウン」から「トヨタ・クラウン」となる。セダン、ステーションワゴン、ライトバンがS60系。2ドアハードトップがS70系となる。
この代よりピックアップトラックは廃止。先代モデルに比べて曲線を多用し、空力を意識したデザインとなり、通称「クジラ」と言われることが多い。エンジンも直列6気筒のみとなる。また日本初のABSシステムを上級グレードにオプション設定となる。バリエーションには小型車規格改正前の初代クラウン以来の3ナンバー登録となる直列6気筒の2600ccエンジン搭載車も後から追加がされた。

力が入ったデザインとなったが、それが災いとなり、ライバルの日産・セドリック&グロリアがオーソドックスなデザインであったために、日産にシェアを取られ販売が不振となった。

1973年にマイナーチェンジをして、大幅なデザイン変更をしたがそれでも販売台数は回復はしなかった。

後年になってこのデザインが評価され直されている。

イメージキャラクターはデビュー当初にはいなかったが、テコ入れをした1972年から俳優・山村聰を再起用。1973年のマイナーチェンジには女優・吉永小百合も起用された。

五代目S80系・S90系・S100系(1974年~1979年)

1974年にモデルチェンジ。販売不振となった先代モデルと比較をして、直線基調の押し出しの強いデザインとなった。この代より4ドアピラードハードトップ仕様が登場となった。登場した当時の排ガス規制のために形式が変わったのもこの代の特徴でもある。ハードトップがS90系、それ以外がS80系、排ガス規制に適合をしたのがボディタイプに関わらずS100系となった。最高級グレード・ロイヤルサルーンもこの代から登場をする。ATもこの代から4速タイプも登場する。

1976年と1978年にマイナーチェンジが行われる。1979年に2200ccのディーゼルエンジン搭載車も登場。

イメージキャラクターには先代と引き続き俳優・山村聰と女優・吉永小百合を起用した。

六代目S110系(1979年~1983年)

1979年に登場。スタイリングはより直線的なデザインとなった。通称は「鬼クラ」と言われる由縁である。2ドアハードトップはこの代まで。後継に当たるのが1981年に登場をしたソアラである。3ナンバーのエンジンも2600ccから2800ccになる。

1980年に直列6気筒2000ccエンジン車にガソリンターボモデルが登場。1981年にマイナーチェンジをして前後のデザインが変更となる。

1982年に4気筒2400ccのディーゼルターボエンジン搭載車が登場。お買い得仕様車「エクレール」も登場する。

イメージキャラクターは先代と同様に俳優・山村聰と女優・吉永小百合であったが、後期型当初は俳優・山村聰と俳優・村井国夫が登場。モデル末期には吉永小百合のみとなった。この代でイメージキャラクターは終了となる。

七代目S120系(1983年~1987年)

1983年に登場。バリエーションも4ドアセダン&ハードトップ、5ドアのワゴン&バンとなる。2ドアハードトップはソアラに移行されて廃止された。4ドアのリアピラーにはクリスタル・ピラーと呼ばれる樹脂処理がこの代の特徴でもある。最高峰グレードに「ロイヤルサルーンG」もこの代から登場をする。

1984年に一部改良。2800ccエンジンが3000ccにパワーアップされる。同時にディーゼルターボエンジン車にはAT車も登場する。

1985年にマイナーチェンジ。同時に直6の2000ccDOHCエンジンに日本初のスーパーチャージャーが搭載される。

イメージキャラクターはいないが、ナレーションは俳優・石坂浩二が担当をした。

八代目S130系(4ドアハードトップ1987年~1991年)、(セダン1995年まで)、(ワゴン&バン1999年まで)

1987年に登場。この代で5ナンバーサイズを基本とするのと、すべてのボディが同時にモデルチェンジをするのが最後となる。4ドアハードトップには3ナンバーサイズのワイドボディモデルが登場する。デザインも直線と曲線を巧みに合わせたものとなった。歴代の中でも最高の販売台数を誇る。

1989年にマイナーチェンジ。ワイドボディ車にV8型4000ccエンジンの4000ロイヤルサルーンGが登場する。二代目モデル以来のV8のエンジンとなった。次代ではクラウンの上級版のクラウン・マジェスタとなる。同時にワイドボディには2000ccのスーパーチャージャー車も加わる。

1990年には直6気筒2500ccエンジンもハードトップ、セダン、ワゴンのラインアップに加わる。

1991年にハードトップのみが9代目モデルとしてモデルチェンジをするが、セダンとワゴンとバンは大幅にマイナーチェンジをする。フロントデザインが9代目を彷彿とさせるデザインとなる。

1995年にセダンの生産が終了、ワゴンがマイナーチェンジをして、ABSと運転席エアバックが標準装備化がされる。

1999年にはワゴンとバンの生産は終了となった。バンの後継がカルディナバンとなる。

九代目S140系(1991年~1995年)

1991年にモデルチェンジ。この代でハードトップのみがモデルチェンジをし、全車3ナンバーサイズのボディサイズとなった。クラウンの上級版として”クラウン・マジェスタ”も登場。普通のクラウンは”ロイヤルシリーズ”と分類される。マジェスタのみがクラウン初のモノコックボディとなる。ロイヤルは二代目以来のフルフレームボディである。エンジンも2000ccは廃止をされて、ロイヤルが2500ccと3000cc。マジェスタは3000ccと4000ccとなる。登場をしたばかりのスタイリングが、丸みを帯びた押し出し感を少なくしたデザインであったが、それが災いとなり販売台数が落ち込む。

1993年にマイナーチェンジ。先代モデルを彷彿とさせるデザインに変更。販売台数も回復するようになる。

十代目S150系(ハードトップが1995年~1999年 セダンは1995年~2001年)

1995年8月にモデルチェンジ。この代より二代目モデルの伝統であったフルフレームボディを廃止。歴代初のモノコックボディと進化をした。このおかげで従来よりも車重が100キロも軽量化がされる。廉価グレードも”ロイヤルエクストラ”の名称に統一される。同年12月にはセダンも久々にモデルチェンジとなった。セダンのみ法人需要を考慮をされて5ナンバー幅となる。同時に歴代初の4WDも登場する。4ドアハードトップはこの代で廃止となる。

1997年にマイナーチェンジ。安全装備が充実化がされる。同時にセダンのMT車が廃止となった。

後期型のみイメージキャラクターとして、バレリーナ・草刈民代を起用。

十一代目S170系(セダンは1999年~2003年 エステートは2007年まで)

1999年にモデルチェンジ。この代より4ドアハードトップが廃止され4ドアセダンとなる。14年ぶりにターボエンジン搭載車も復活。スポーティーグレード”アスリート”も8年ぶりに復活となる。1977年以来続いたディーゼルエンジン仕様は廃止となった。ステーションワゴン仕様もモデルチェンジとなり名称も”エステート”となる。なお、S160型の形式は兄弟車・二代目アリストで使用されている。

2001年にマイナーチェンジ。クラウン初のマイルドハイブリッド仕様が登場する。

エステートは2007年まで継続生産となった。

前期型のみにイメージキャラクターとして、俳優・仲代達矢を起用。

十二代目S180系(2003年~2008年)

2003年にモデルチェンジ。エンジンが長く使われ続けられたきた直6気筒エンジンから、V型6気筒に形式を変更となる。サスペンションからすべてを一新される。そのため新たな決意をとして、キャッチコピーを「ゼロクラウン」とする。ラインアップをラグジュアリータイプのロイヤル系とスポーティータイプのアスリート系に分類をされるが、広告では全面的にアスリート系をメインとし走行性能の高さをアピールし、客層の若返りに成功をした。

2005年マイナーチェンジ。アスリート系の3000ccエンジンを3500ccにパワーアップされた。

十三代目S200系(2008年~2012年)

2008年にモデルチェンジ。すぐにハイブリッドモデルも登場。先代モデルにまであった”ロイヤルエクストラ”が廃止となってすべて”ロイヤルサルーン”となった。スタイリングも先代モデルの良さを残すデザインとなった。

ボディサイズは先代と比べて僅かに拡大したが、同クラスのライバル車が軒並み全幅1,800mmオーバーとなっている中で、クラウンは日本の道路事情や旧式の3ナンバー用立体駐車場(おおむね全長5m以下、全幅1.8m以下)にも入庫できるサイズを考慮したためか、全幅はクラウン・マジェスタを除いて1,795mmとこのクラスとしては控えめな数値に収まっている。なおクラウン・マジェスタも全幅は1,810mmで全長が5m弱のため、クリアランスの誤差の範囲内で旧式の立体駐車場に収まるサイズを意識しているものと思われる。

2010年にマイナーチェンジ。仕様変更となった。同年にはクラウン発売55周年特別仕様車が登場をする。

十四代目S210系(2012年~)

2012年12月にモデルチェンジ。「ロイヤル」と「アスリート」の二本立ては変わらず。エンジンは3000cc車が廃止をされ、「ロイヤル」シリーズは、V型6気筒エンジンの2500ccのみとなる。「アスリート」シリーズでは、V型6気筒の2500ccと3500ccの二本立てとなる。ハイブリットモデルは、エンジンをダウンサイジングをして、直4気筒2500ccとなり「より普及をさせる」事を目的としている。またスタイリングもフロントデザインが大胆なものとなった。

また発表会では「アスリート」に特別仕様色のピンクを設定。2013年末までに販売が予定をされている。

パトカー仕様

初代以来、クラウンはパトロールカー用の車種として選定されている。国産車の性能が低かった時代は追跡に耐えうるようにエンジンなどがトラックベースと一回り大きな車のものを使用していたが、性能向上に従って民生用と同様のものとなっていった。この時の名残で現在でもパトカーは特別のエンジンを搭載していると言う都市伝説がまことしやかに流れているが、実際には民生用と殆ど変りが無い。

かつては実用性とコストを重視していた為に低グレード車の内外装と大排気量エンジンの組み合わせであったが、生産性を高める為か、現在では民生用に準じた仕様となっている。

ライバルのセドリックが営業車モデルのみになった2002年以降は唯一のカタログモデルとしてラインナップされている。但し、機密保持の観点から関係者以外のカタログ閲覧は厳しく制限されている。

130系(1987年~1995年)

1987年にモデルチェンジと合わせて登場。エクステリアはフロントは3ナンバー車、リアはタクシー仕様のテールランプにワイドバンパー、サイドモールなしという独特の仕様であった。民生用のモデルに合わせてマイナーチェンジを行っていった。

既に大多数は廃車となっており、下駄代わりに少数が存在している程度と思われる。

150系(1995年~2001年)

1995年に登場。マークⅡ廃止に伴ってそれまで3000ccのみだったものが2000ccが追加になった。また、それまで5速マニュアルのみだったのが、AT仕様も追加された。

タクシー仕様がクラウンコンフォートに移行した為、外観上の仕様は他のモデルとの差異が小さくなっていた。但し、サイドモールが存在しないという特徴があった。また、ホイールもキャップなしと言う民生用には存在しない大きな特徴もある。覆面仕様はドアミラー仕様が多い。一部にはオートカバータイプの前面点滅灯が採用されている。

この車両も代替が進み、その数は非常に少なくなっている。

170系(2001年~2005年)

2001年に登場。クラウンセダンがモデルチェンジでクラウンコンフォートベースとなった為、ベース車の変更が行われた。結果、170系クラウンロイヤルをベースとする事になった。その為、車体が大型化した。コストの絡みか、民生用に合わせた部分が多く、ホイールキャップやドアミラーのみの設定、全車ATとなる。一方で内装はロイヤルシリーズに設定のない黒の内装がチョイスされている。ナビミラーはピラーにくくりつけるタイプから教習車とほぼ一緒のミラー本体に据え付けるタイプに変更となった。2000cc、2500cc(4WD)、3000ccが設定された。

覆面仕様は前面点滅灯がグリル内部に設置するタイプからオートカバータイプに変更となった。サイドモールも存知され、覆面を見分けるポイントがことごとく潰されてしまった為、ぱっと見では普通のクラウンロイヤルと変わらないと衝撃を与えた。

なお、このモデルは登場がクラウンロイヤルのマイナーチェンジ後となった為、パトカー仕様と民生用のモデルチェンジのサイクルが2年ほどずれてしまう現象が発生した。その為、これ以降のモデルにおいては民生用がモデルチェンジした後も継続してパトカー仕様は前モデルを生産しているので前期モデルをベースとしたパトカー仕様は登場しない。

経年の為、廃車が始まっている。

180系(2005年~2011年)

2005年に登場。クラウンがマイナーチェンジしたのと合わせて登場した。ゼロクラウンベースとなり、さらに車体が大型化した。2000ccが廃止となりV6の2500ccと3000ccのみとなった。当初、信頼性の問題から輸出用に設定されていた直噴機構なしのものが選択されているという説があったが、実際は民生用と同じ直噴エンジンである。大きな特徴として、民生用には設定のないホイールキャップ付きスチールホイールが採用されている。これはマークXのものと同一である。

覆面仕様は170系と同じような特徴を持つが、モデル末期になると前面点滅灯を製造してたメーカーがオートカバーの生産を中止した為、グリル内にLED式の赤色点滅灯を設置する形となった。その為、隠匿性が格段に上がっている。

おそらく現在最も多く見かけるパトカーであろう。

200系(2011年~)

2011年に登場。このモデルもクラウンのマイナーチェンジと合わせて新型となった。名称もクラウンが外れて「トヨタ・パトロールカー」となった。これに伴って、制服仕様は王冠マークと「CROWN」のエンブレムが消えている。地域課などに配属される2500ccと交通部門を中心に配属される3000ccは先代と同じである。

長らくスチールホイールを堅持してきたが、200系で初めてアルミホイールを標準化した。2500ccは16インチ、3000ccは17インチを採用している。また、回転灯がLEDランプを使用した新型を採用している。

覆面仕様は引き続き王冠マークと「CROWN」のエンブレムが存在している。アルミホイールを採用した関係でほぼ民生用との差がなくなっているが、アンテナがフィンタイプではなく、前期型のみに存在したユーロアンテナとなっている点がポイントとなっている。

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