トヨタ自動車 単語


ニコニコ動画でトヨタ自動車の動画を見に行く

トヨタジドウシャ

6.9千文字の記事
これはリビジョン 2481324 の記事です。
内容が古い・もしくは誤っている可能性があります。
最新版をみる

TOYOTA

トヨタ自動車株式会社(TOYOTA, Toyota Mortor Corporation)とは、愛知県豊田市と東京都文京区に本社がある自動車メーカーである。日本はもとより世界最大級の自動車メーカーであり、ゼネラルモーターズやフォルクスワーゲングループと販売台数1位を争っている。通称として「トヨタ」や「TOYOTA」と呼ばれることが多い。

概要

1933年、トヨタグループの創始者で豊田自動織機の創業者・豊田佐吉の長男・豊田喜一郎が豊田自動織機内の自動車製造部が起源である。1935年に自動車製造を開始し、1937年にはトヨタ自動車工業として独立をする。

1950年、ドッジ・ラインに伴うデフレにより経営危機に陥り、開発&製造部門のトヨタ自動車工業と販売部門のトヨタ自動車販売が三井銀行(現・三井住友銀行)の薦めで分離する。これを「工販分離」と言われる。この「工販分離」がグループが結束するようになり、クラウン、コロナ、カローラと言ったロングセラー車を生み出す原動力となる。1982年にトヨタ自動車工業とトヨタ自動車販売は、トヨタ自動車として合併して現在に至る。

1995年、豊田一族ではない奥田碩が社長になったことでトヨタは大きく変貌を遂げた。奥田は持ち前の仕事の速さで大胆なコストカットと役員入れ替えを行い、バブル崩壊後の不況に苦しむトヨタを一年で回復させた。さらに海外展開路線を強力に打ち出し、トヨタを世界一の自動車企業に押し上げることを目標に邁進し続けた。

拡大路線に関連してF1にフルワークス参戦することを決定。さらにヴィッツやプリウスなど消費者に21世紀の目新しさを感じさせる新車種を次々に打ち出して、現在のトヨタの基礎を作っている。

しかし一方で過度なサービス残業強要、下請けイジメなどがはびこるようになった。また奥田は株主総会で「クラウンは5年持てば良い。オーナーは金持ちなんだから買い換えてくれる」などと品質管理を軽視する発言をした。そのため「金儲けしか考えないトヨタ」という悪いイメージも作ってしまった。

1999年に奥田は社長職を辞したが、代わりに会長となってそのままトヨタに君臨し続けた。

2007年に起きたリーマン・ショックの影響でGMが後退したことで、ついにトヨタは世界販売台数一位を獲得する。しかしこの金融ショックはトヨタにも襲いかかり、58年ぶりに営業赤字を計上した。トヨタの海外拡大路線はあまりに性急すぎて、世界中に展開した工場では円高による原材料高騰に対処し切れておらず、一方で売れる車種は廉価な小型車やハイブリッド車ばかりで、著しい利益率の低下を招いていた。そこへきてこの大不況で、過剰設備・人員・過剰在庫の三重苦である。トヨタは破綻したGMと同じく「大企業病」を発症しており、破綻寸前まで追い込まれた。

2009年にはさらに品質管理を怠ったツケがきて、大規模なリコール問題に発展。奥田は会長職を辞し、豊田家から4代ぶりに章男が社長に就任した。章男は「従来のトヨタの良さを取り戻す」と原点回帰を表明。ものづくりに対する姿勢や拡大路線の見直し、経営体制の大規模な変更、原材料のコストカットを重点的に行った。またこの年にF1から撤退した。

2010年に営業利益は黒字に戻るが、再度大規模リコールが発生。これらの問題に関してアメリカの公聴会に召喚され、つるし上げを食らう。まだまだトヨタの苦難は続き、2011年の円高や東日本大震災、タイの洪水、中国の日本バッシング、など立て続けにトヨタの工場がストップ、生産・消費にともに大きなダメージを受け、GMにも首位を奪われた。

しかし2012年に円安に転じると我慢と改革がついに実り、一年でGMからシェア一位を奪還。2013年には営業利益1兆円突破、2014年には1000万台を突破するなど、奇跡的な成長を遂げた。

2015年には「環境チャレンジ2050」を発表して2050年までにエンジン車を無くすと宣言。また同年プラットフォーム「TNGA」を発表、低燃費と低コストに加えて走りの楽しさを加えた車作りへと踏み込んだ。

企業の特徴

高品質(故障しにくい

トヨタ車といえば壊れにくい、である。「トヨタ方式」と呼ばれる独自の生産方式は1960年代頃から均一な部品を作ることに定評があり、他の自動車メーカーもこぞって手本にした。

今でこそ壊れにくさはトヨタに限らず日本車の代名詞と言えるが、それでもトヨタ車は一つ頭抜けているところがある。6~7年で100万キロ近い距離を走れるため、日本のタクシーのシェアはトヨタが9割近くを占めている。また日本で使われなくなったトヨタ車は東南アジアなどで使われており、何十年前の車種が走っていることも多い。

またランドクルーザーとハイラックスの頑丈さは圧倒的であり、水に沈んでも鉄球をぶつけても火であぶっても完全には壊れない。そのため戦場でも人気であり、特に中東ではさかんに用いられている。イスラム国などはあまりにトヨタ車ばかり使うので、「トヨタはイスラム国を支援しているのでは無いか」とアメリカに疑われたこともあるほどだ。

多彩な販売チャネルとラインナップ

トヨタは戦時中の輸入車禁止令下のもとにGM・フォードディーラーを吸収しており、一番最初に全国に販売網を強いた日本車メーカーである。そのため日本のモータリゼーション黎明期からトヨタは日本のシェアトップであった。なおイストやハリアーなど、トヨタのエンブレムが車種毎違うことが多いのは、当時のGMを学んでいた頃の名残である。

現在はトヨタ、トヨペット、カローラ、ネッツと4つの販売チャネルを持ち、そこにレクサスが加わっている。それぞれが違う階層の車の販売を担当しており、なおかつそれぞれが近い距離に存在している。販売窓口の数の有利に加え、販売店同士で販売目標を設定させて競合あるいは協力させる戦略だ。また販売車種を価格帯によって分けることで、客層の違いにも対応している。社員の対応も素晴らしいともっぱらの評判である。

ラインナップも豊富で、セダンやコンパクトカーを中心に似たような、しかし異なる車種やグレードを多数用意し、細かいニーズに応えることが可能になっている。これらが「販売のトヨタ」と呼ばれたゆえんである。

先進的環境技術

「販売のトヨタ」のイメージから技術力が無いと思われがちなトヨタだが、実際は優れた技術を多く持っている。

特に環境技術には強く、ハイブリッド技術はトヨタの代名詞として知られる。THSと名付けられたこのスプリット式ハイブリッド技術は、エンジンとモーターを同時に使いながら、エンジンの余った馬力を充電に回すことができる画期的なシステムだ。いわゆるマイルド・ハイブリッドなどとは比べものにならない極めて複雑なこのシステムを、21世紀が始まる前(1997年)に開発できたのはトヨタだけである。ちなみに第二号は2005年にGM、ダイムラー、BMWの共同開発の末にようやく登場した。

アイドリングストップもトヨタが最初で、1970年代のクラウンからすでに装備されていた。また燃料電池車や、太陽光で発電するPHVを初めて量産したのもトヨタだ。

その他には世界初では無いが、スバルの水平対向エンジンをノンターボで200馬力まで押し上げた直噴技術D-4、ハイブリッドの低燃費を内燃機関でも支えるVVT-iやミラーサイクルエンジン技術なども有名である。

研究開発に使われている費用や特許数も日本メーカー随一であり、細かい技術の開発では他社の追随を許さない。2016年には自動車メーカーだけで無く全国内企業中トップの特許申請数となった。一方で自社技術を広めることは苦手で、ガラパゴス化の危険性が指摘されている。そのため近年は他社へのハイブリッド技術提供や燃料電池車に関する特許5680件を無料公開をするなどしている。

多数のグループ企業と積極的な業務関係

トヨタは1960年代の業界再編時代から深く提携してきた日野・ダイハツと共に、生産の委託し合いや技術の学び合いを通して成長した。また同時期にヤマハ発動機からは高性能型DOHC、ホンダからCVCCの技術供与も受けた。

現在はダイハツを完全子会社、日野を連結子会社化しており、スバルの筆頭株主にも収まっている。またヤマハ発動機、パナソニック、デンソー、アイシン、KDDI、東和不動産、曙ブレーキ、いすゞ、あいおいニッセイ同和損保、ロータス・カーズなどにも株主として関わっていること知られている。

ちなみに「スバルがダメになったのはトヨタのせい」という論調が2ちゃんねるなどでよく見られるが、奥田会長時代にトヨタが株主となったとき、渡辺社長や豊田章一郎名誉会長から「トヨタにならないでください」と言われており、むしろ今のスバルはスバル自身が望んでなったのが真実である。またスバルは2004年に稼働率の著しく低下した北米工場の危機を、トヨタ・カムリの生産を請け負うことで乗り切ったり、その後も利益の上げ方についてトヨタのやり方が大いに参考にしたりとトヨタから助けてもらっていることも多い。逆にトヨタもスバルと共同開発をすることで、スポーツカー文化再興のきっかけとなる86/BRZを誕生させることができた。

マツダもトヨタからハイブリッドの供給を受けたり、北米工場の設備投資を負担してもらったり、燃料電池車やEV技術の供与も受けたりしている。一方でマツダはセダン型デミオをトヨタにOEM供給していたり、ガソリンやディーゼルエンジン技術の供与をしている。

2017年にはスズキとも提携することで合意、自動運転技術やハイブリッド技術の提供や、IT技術と安全技術の共同開発に取り組むとしている。

BMWとも提携をしており、トヨタがハイブリッドや燃料電池、BMWがスポーツカーや炭素繊維の技術を持ち寄っている。次世代スープラもBMWとの共同開発の可能性が極めて高いとされる。

ロータス・カーズとは1970年代から協力関係にあり、セリカXXのサスペンション開発やランドクルーザーのハードトップの技術提供をしてもらった。なおセリカXXのCMにはコリン・チャップマンも出ていた。逆にトヨタも1980年代から部品を供給し始め、2004年のエリーゼからはトヨタエンジンを供給。現在は全ラインナップがトヨタ製エンジンである。

さらにはPSA(プジョー・シトロエン)とも2002年にTPCAという合弁会社を設立し、小型車を共同開発している。またPSAからバンをプロエースの名でOEM供給してもらっている。

自動車メーカー以外では、マイクロソフトと合弁会社「Toyota Connected,Inc」を設立し、ビッグデータを利用したシャーシの開発や自動運転技術の研究にも力を入れている。

トヨタは総じて自社の技術のみに拘泥せず、パッケージとして優れた車を量産することに長けていると言える。

高い企画力

「パクリが得意」などと叩かれるトヨタだが、これもイメージが先行した誤解である。実際には正確な市場調査で消費者のニーズを掘り起こしたり、ニーズに応えたりする力に長けている。例を挙げれば「いつかは~」のフレーズで国民の憧れとなったクラウン、優れた機能性と経済性で大衆車として長年愛されるカローラ、ハイソカーブームの中心となったマーク三兄弟、若者向けスポーティカーのセリカ、街で乗れるSUVRAV4、洗練されたコンパクトカーのヴィッツ、高級セダンの乗り心地を持ったSUVのハリアー、世界初量産ハイブリッド車のプリウス、ターボも四駆もハイグリップタイヤも不要なクーペの86/BRZ、サーキットで鍛えたSUVのC-HRなど、トヨタが切り拓いてきたジャンルは意外と多い。

また高級車=派手・壊れるというイメージの時代に、高品質・高性能をウリとするレクサスブランドを立ち上げて北米でブームを起こすことに成功したのもトヨタである。

80点主義(+α)

基本的にどの車も角が取れており、運転しやすい。だが逆に「個性が無い」「刺激が足りない」と批判されることも多い。トヨタ=つまらないとされるのはこの80点主義によるものである。

「足回りがふにゃふにゃだ」と批判されることがあるが、ストップ&ゴーばかりで高速道路でも100km/hまでしか出せない日本ではむしろそのくらいの足回りが多くの消費者に好まれていると言うことでもある。ちなみに海外ではきちんと現地に見合ったセッティングで販売しており、特に北米や欧州での生産車は現地に合わせて堅めの足回りになっている。カムリ、オーリス、アベンシスはその代表例だ。

近年は80点+αとして、従来の退屈なイメージからの脱却を図っている。新プラットフォームのTNGAでは、従来の低燃費・低コストに加えて走る楽しさを盛り込むクルマづくりを打ち出した。そのため近年は日本でもヴィッツを始め全体的に足回りがカッチリしてきている。またデザインもキーンルックと呼ばれる鋭さのあるもので、見た者に強くインパクトを与えることを第一に考えている。

モータースポーツ

エコ技術に注力する大衆車メーカーのイメージとは裏腹に、モータースポーツでも成功を収めているメーカーである。

WRCには1973年から1999年まで27年間参戦しており、日本車メーカーで初めてドライバーズ・マニュファクチャラーズタイトルを獲得した。1995年には「悪質な」リストリクター違反をしたため1年間の出場停止処分を下されたが、トヨタはこの決定を重く受け止め、さらに1年の活動を自主的に停止。復帰後の1999年にマニュファクチャラーズタイトルを獲得、有終の美を飾った。

それから18年の時を経て2017年にWRCに復帰。わずか2戦目で優勝を挙げ、「ラリーのトヨタ」復活を知らしめた。2017年4月までに、4回のドライバーズタイトルと3回のマニュファクチャラーズタイトル、44回の優勝を記録している。

ダカールラリーでは市販車部門に1995年からランドクルーザーで参戦、2017年までに17回の優勝を獲得している。なお2007年からは廃油を集めて作ったバイオディーゼルを燃料にして走っている。他には南アフリカ法人のトヨタがハイラックスを改造して2012年からアンリミテッドクラスに参戦・プライベーター供給しており、最高で総合2位となっている。ちなみに2017年のダカールで出走した(カミオン・クアッドを除く)79台の四輪車のうち、36台がトヨタ車だった。

サーキットでは2014年のWEC世界耐久選手権でダブルタイトルを獲得している。しかしル・マン24時間だけは総合優勝に手が届いておらず、1992年はトップを猛追するも途中でエンジンがオーバーヒートして2位、1994年は残り1時間でトラブルが発生して2位、1999年は残り1時間でタイヤがバーストして2位、2014年はPPから首位を維持していたのに電装系トラブルでリタイア、2016年はトップ快走中のなんと残り6分で駆動系トラブルでリタイアと悪魔的にツいていない。ちなみにクラス優勝なら1993年に達成している。

アメリカでも大成功を収めており、アメリカ三大レース(デイトナ500、インディ500、デイトナ24時間)とそれに付随したシリーズ(NASCARカップ戦、インディカー、IMSA)を全て制したことのある唯一の外国メーカーとなっている。特に2016年のNASCARでは、3大カップ戦全てでマニュファクチャラーズタイトルを獲得する完全制覇を収めている。

また国内のスーパーGTやスーパーフォーミュラでも高い戦闘力を発揮し、ホンダを圧倒し続けている。

章男が社長になってからのトヨタのレース活動は「GAZOOレーシング」の名のもとに行われており、これは章男トヨタのスローガンである「もっといいクルマづくり」の象徴に位置づけられている。特にオフロードと耐久は「道が人を鍛え、人が車を鍛える」という思想のもとに重要視されている。また章男自身もステアリングを握ってニュル24時間や新城ラリーに登場したり、WRカーやNASCARをテストドライブしたりと国際C級ライセンスの腕前を披露している。

F1での活動についてはトヨタF1の項目を参照のこと。

関連動画

 

 

関連商品

ニコニコ市場は2023年11月に終了しました。 ニコニコ市場は2023年11月に終了しました。

関連車種

  • トヨタ自動車の車種一覧を参照

関連項目

  • 自動車製造会社一覧
  •  ブランド
    • LEXUS
    • SCION - 北米のみ展開。日本におけるネッツ店の位置付け。現在は消滅。
  • 傘下企業
    • ダイハツ工業
    • 日野自動車
  • 資本参加企業(主要株主)
    • ヤマハ発動機
    • いすゞ自動車
    • 富士重工業 / スバル(富士重工)
  • 豊田工業大学
  • 関連プロスポーツチーム
    • 名古屋グランパス(自社のサッカー部が前身。現在は運営法人が自社の完全子会社)
    • アルバルク東京(自社の男子バスケットボール部が前身。現在は自社が運営法人の筆頭株主)

関連リンク

関連記事

子記事

兄弟記事

  • なし

おすすめトレンド

ニコニ広告で宣伝された記事

記事と一緒に動画もおすすめ!
東方Project[単語]

提供: おさゆく大好き

もっと見る

急上昇ワード改

最終更新:2025/12/07(日) 23:00

ほめられた記事

最終更新:2025/12/07(日) 23:00

ウォッチリストに追加しました!

すでにウォッチリストに
入っています。

OK

追加に失敗しました。

OK

追加にはログインが必要です。

           

ほめた!

すでにほめています。

すでにほめています。

ほめるを取消しました。

OK

ほめるに失敗しました。

OK

ほめるの取消しに失敗しました。

OK

ほめるにはログインが必要です。

タグ編集にはログインが必要です。

タグ編集には利用規約の同意が必要です。

TOP