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ドクターフェイガー

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ドクターフェイガーとは、1964年生まれのアメリカの競走馬。

世界で唯一スピード違反で捕まった馬である。

概要

長い競馬の歴史の中に数多現れた名馬たち。その中には「ええ?マジかよ」と思っちゃうようなチートな馬が何頭かいる。

ドクターフェイガーもその内の一頭である。

父Rough'n Tumble 母Aspidistra 母父Better Selfという血統。正直、当時としても名血とは言い難い。

戦績も22戦18勝。勝率や勝ち数は一流だが、勝ちの中には所謂クラシックが含まれていない。勝ったレースは当時としても価値が高かったとは言い難い短距離戦が大半を占めており、戦績を眺めるだけではドクターフェイガーの真価は良く分からないのである。

では、彼の何が凄かったのか。

レースっぷりが凄かったのである。デビュー戦は7馬身差。次は8馬身差。ワールズプレイグラウンドステークスでは7ハロン(約1400m)戦で12馬身差である。なにしろ他の馬とは次元の違うスピードで、スタートからどわ~っとぶっ飛ばしてちぎりまくる。なんつうか、他の馬の心が折れそうな勝ち方。それがドクターフェイガーのレースだった。

もっとも、あまりに遮二無二行き過ぎるので、潰れちゃう事もあったらしく二歳戦は5戦4勝。距離の関係からクラシックを断念した三歳戦は9戦7勝。引退した四歳時は8戦7勝である。

負けたレースで面白いのがダマスカス(二冠馬で1967年度代表馬)とバックパサー(1966年度代表馬)と戦ったウッドワードステークス(ダート2000m)である。この時、ダマスカス、バックパサー陣営は、ドクターフェイガーにいきなりぶっ飛ばされてペースを乱されないように、ペースメーカーを参戦させた。その内の一頭はヘッドエヴァーという馬は一マイルの世界記録保持馬であった。

ところが、スタートしてすぐ、ドクターフェイガーはペースメーカーと張り合ってガンガン飛ばしてしまう。しかもヘッドエヴァーが鞭を入れて追い捲る事を余儀なくされる中、持ったままどんどん引き離す。ふはははは!オレすげ~!とドクターフェイガーが言ったかどうかは分からないが、本当の敵はもちろんペースメーカー二頭ではなくダマスカスとバックパサーなんである。直線でこの二頭に抜かれて三着。なんとも御馬鹿な負け方である。

つまりはドクターフェイガーはこういう馬だったのである。何でも良いから一番。とにかく先頭。先頭に立っても何しろ飛ばす。・・・ばてたら終わり。まぁ、ドクターフェイガーのスピードについてきて、最後に差し切れる馬なんてそうそういないのだが。

ドクターフェイガーの凄かったところは、もう一つある。タイムである。

ワシントンパークハンデ(ダート1600m)。ドクターフェイガーは例によってスタートから飛ばしに飛ばした。直線では粘る後続を振り切って独走。ちぎるはちぎるは差が開く一方。挙句にまったくスピードを落とさずゴール。まぁ、いつものドクターフェイガーだったわけだが・・・。そのタイムがなんと1分32秒2!・・・えええ?そのタイム掲示を見た人は「時計が壊れた」と思ったらしい。

1分32秒2ったらあなた、芝でだってそうそう出るタイムではない。それをダートで・・・。いやいやいや、どういうことなの?しかも恐るべき事に、ドクターフェイガーはこの時60.8kgの斤量を背負っていたのである。・・・。もはや言葉も無い。この脅威のレコードタイムは現在でも全米レコードとして燦然と輝いている。

彼は他にもダート2000mで2分を平然と切ってみせたり、63kgを背負ってダート1400mを1分20秒2で駆け抜けてみたり、とにかく、今見ると「時計間違いでは?」としか思えないようなタイムを出している。実際に見た事がある人は「あれは馬じゃない。宇宙人が連れてきた乗り物だ」とマジ顔で言ったそうである。その恐るべきタイムから今でもアメリカでは「最強短距離馬」と言えばドクターフェイガーであるらしい。

引退したドクターフェイガーは種牡馬として成功。リーディングも獲得して前途洋洋であった。のだが、惜しくも12歳の若さで死亡。父系は残っていないが、ファビアノという大種牡馬の母の父として血統の世界になんとか名は残した。

そのスピードは動画で見ても「あれ?これって芝のレースだっけ?」と思っちゃうほど凄まじい。是非、日本の高速馬場で走ってみて欲しかった馬である。今でもフロリダの誇りと呼ばれ、伝説の存在であるドクターフェイガー。正にアメリカ競馬史上最高のスピードキングであった。

 

さて、種牡馬入りが決まったドクターフェイガー。なじんだ厩舎スタッフと別れを告げ、フロリダの牧場へ向けて意気揚々と出発したと思いねぇ。

その道中、突然、パトカーがサイレンを鳴らして接近してきた。馬運車の運転手。いぶかりながら車を止め、降りてきた警官に向かって言う。

「オレぁなにもしてませんぜ、旦那。スピードも出してねぇし」

すると警官。首を横に振っていわく。

「お前じゃない。中の馬だ」

警官、馬運車の中に入り、ドクターフェイガーに向かってスピード違反の反則切符を差し出す。

「お前は、速すぎだ」

・・・。まぁ、本当にあった話とは思い難いが、広く流布された伝説である。もしも本当にあったのだとすると、きっとその警官はドクターフェイガーのファンで、一目会いたくて、つい職権を乱用してしまったのだと推測する。

 

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