ニーベルングの指環

ニーベルングの指環（Der Ring des Nibelungen）とは、リヒァルト・ワーグナーが上演した楽劇作品である。
「ニーベルンクの～」や「～の指輪」など、多数の別称が存在する。

概要

同曲はワーグナーが制作した楽劇の中でも非常に長いことで有名で、3部に渡り約15時間の劇が展開される。
そのため、一日ごとに1幕(1夜)、計4日(4夜)に渡って上演されることが多い。
4日のかけることから分かる通り、非常に物語のスケールが広大であり、北欧神話、特に英雄シグルスの伝説を基に展開される壮大な神話劇は、本家北欧神話よりも有名かもしれないといえるほど有名である。
特に「ラインの乙女」や「ワルキューレ」などの単語は、北欧神話よりこちらを先に思いつく人も少なくない。
ただしラーズグリーズはニーベルングの指環には出てこない。原典である北欧神話（古エッダ）にのみ見られる。

北欧神話をモチーフとしたRPG「ヴァルキリープロファイル」を始め、北欧神話系の設定を取り入れているゲームなどでは設定を膨らませるためにニーベルングの指環からも題材をとることが多い。

劇内容

序夜:ラインの黄金

序夜は神々の世界を中心に展開している。

• 第一場
  「父なる」ライン川の水底。そこには3人の水精「ラインの乙女」がおり、水底に眠るラインの黄金を護り続けていた。
  そこに闇の国ニーベルハイムの小人アルベリヒが現れ、乙女たちに愛を求めるが、すげなく拒絶される。しかしそこで迂闊にも乙女の一人が「ラインの黄金から造られた指環は世界を支配できる魔力を持つが、指環を造れるのは愛情を断った者だけである」と小人に囁く。小人は「小人に愛など要らぬ！」とばかりに、乙女たちから黄金を強奪してしまう。愛を断ったアルベリヒは闇の国に戻ると、得た黄金から指環を作り上げる。
• 第二場
  巨人族によって建造された巨大な神城ヴァルハラ。その巨人たちは依頼者ヴォーダンから「報酬に美の女神フライアを与える」と契約されていた。しかしヴォーダンの妻フリッカやその一族は「我々の与り知らぬところで夫が勝手に契約した」と抗議活動を始め、友人の火神ローゲの助力を得て巨人たちにフレイアを諦めさせようとした。
  しかし巨人族の兄弟ファゾルドとファフナーは「ならばアルベリヒの持つ指環・黄金と引き換えだ」として、フライアをさらってしまう。神々は苦心の末にローゲを地下世界にある闇の国へ送り、指環を手に入れて来るよう指示する。
• 第三場
  愛を断ったアルベリヒは指環の魔力で闇の国ニーベルハイムの支配者となっていた。指環の魔力により他の小人たちを使役し、地下の鉱脈から無限の富を得て、愛なき独裁政権を築き上げていたのである。
  そこにローゲ登場。ローゲは変質した兄を憂うアルベリヒの実弟ミーメの助力を得て、アルベリヒの無力化に成功。アルベリヒはひきこもり内弁慶生活から荒波高い北欧社会に引きずり出されることになった。
• 第四場
  とこんなわけで小人の初めての支配者体験はクソミソな結果に終わったのでした。
  黄金どころかしりの毛までむしり尽くそうとする神々を憎んだアルベリヒは、奪われた指環に呪いをかけた。
  「指環所持者は必ずや不幸の末に酷死し、その運命は指輪が俺の元に戻るまで消えないだろう」と。
  ヴォーダンは全く気にせずに指環を手に入れて喜んでいたが、巨人兄弟の兄ファゾルドは「女神よりも世界を支配できる指輪がほしい」と邪心を抱き、ファフナーの制止を振り切って再度フレイアを拉致、指環と交換しろと迫った。
  世界を支配できる指環か自分の娘か、と悩む間にヴォーダンの前に原初の女神ヨルダが現れ、指環を持つと必ずや神々の黄昏時（ラグナロク）が訪れるだろうと忠告、ヴォーダンは不承不承ながらも指環を兄弟に渡す。
  指環を手にした途端小人の呪いが支配欲となって兄弟を侵食し、壮絶な殺仕合の末にファフナーが兄ファゾルドを撲殺して指環を勝ち取る。呪いの魔力に戦慄を禁じえないヴォーダンであった。序夜閉幕。
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関連動画

関連項目

• 北欧神話
• ワルキューレ
• ヴァルキリープロファイル
• ストラガーデン