ハルピュイア(Ἅρπυια, Harpuia)とは、ギリシア神話に登場する精霊もしくは怪物である。複数形はハルピュイアイ(Ἅρπυιαι, Harpuiai)。英語ハーピー(Harpy)でもよく知られる。名前は「掠める女(かすめる女)」の意味。
人間の上半身に鳥の下半身を持ち両腕は翼になっている、あるいは鳥の体に人間の頭を持つ姿で描かれた乙女で、ハーデースもしくはゼウスの手下。本来は風の精霊だが、死者の霊が信仰されたものでもあるらしい。子供をさらったり、食べ物を糞で汚す猛禽として、老婆の姿でも描かれた。
父はガイア(大地)とポントス(海)の息子タウマース、母はオケアーノス(大洋)の娘(オケアーニスたち)のひとりエーレクトラーで、虹の女神イーリスとは姉妹となる。アエロー(別名ニーコトエー)、オーキュペテーの二姉妹、あるいはケライノーを含めた三姉妹。西風の神ゼピュロスとの間に神馬クサントス、バリオス、ハルパゴス、プロゲオスを産んだポダルゲーを加え四姉妹とされることもある。
神話中ではアルゴナウタイのピーネウスが食事を取ろうとすると先に食べ尽くしてしまい、残ったものも糞尿で汚し食べられないようにして苦しめるエピソードが特に有名。
中世ヨーロッパになるとセイレーンとも混同され、絵画のモチーフなどで乙女として描かれることも多くなるが、ダンテの「神曲」では地獄において自殺者が変化した樹をついばむ鳥として描かれている。
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最終更新:2024/04/23(火) 22:00
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