ギターやマンドリンと同じくリュート属の撥弦楽器であり、リング状の胴(リム)に張った膜(ヘッド)でブリッジを支持する構造を持つ。これは三味線等と似た構造であり、起源を同じくすると考えられている。この様な構造を持つ楽器の例に漏れずアコースティックな楽器としては大きな音量を持ち、音色はアタックが強くサスティーンの短い特徴的な物である。バンジョーの胴体(ポットと呼ばれる)はリュート属にも応用可能で、バンジョーウクレレやバンジョーマンドリン等他の弦楽器のスケール長や弦に合わせた寸法の派生楽器が多く存在する。
ポットの基本構成はオープンバックと呼ばれる背面の開いた太鼓その物である。より大音量を得るたに背面に共鳴板を持つ物はリゾネイターバンジョーと呼ばれ、バンジョーが最も活躍するジャンルであるブルーグラスで用いられる物は殆どがリゾネイターバンジョーである。また高級なモデルではヘッドをリムよりも細い線で支持するための輪(トーンリング)を持ち、音色を決める重要な要素となっている。ヘッドの材質はかつては牛皮が用いられたが現在ではプラスチック製が主流である。
リゾネーターの有無の他、ネックや弦の仕様によって以下の様な種類がある。
最も多く使われるバンジョーであり、製作も盛んで国産品も多く作られた。単にバンジョーといった場合は大抵はこの種を指す。5弦がネックの途中の側面に付けられたペグから張られているのが特徴で、この弦は1弦よりも高い音にチューニングされる。この弦は通常開放状態でドローン的に鳴らされ、リズムを強調しバンジョー特有のノリを作り出す。バンジョーでは5弦を最大限に活かすために曲に合わせて様々なチューニングが用いられる。
現在はフレットを持ったものが主流だがマウンテンバンジョーやミンストレルバンジョーと呼ばれる古い形の楽器でフレットは打たれていなかった。後述のクローハンマースタイルでは現代でもフレットレスを好んで用いる奏者が居る。5弦は通常5フレットから張られるがネックが低音側に3フレット延長され8フレットから張られるロングネックと呼ばれる仕様の物もある。
5弦の存在によりバンジョーの奏法にはある種の制約が生まれるためその奏法も特異な物となっている。
ディキシーランドジャズの伴奏等で多く用いられる。5弦バンジョーでは5弦を含んだオープンチューニングを用いるために進行や転調が限られてしまうので、これを取り去ってスタンダード(CGBD)やシカゴ(DGBE)等コード伴奏に適したチューニングにした物である。プレクトラムとはフラットピックの古めかしい呼び方で、その名の通りフラットピックを用いたコードストロークを主体とした奏法が用いられる。
ディキシーランドジャズやアイルランド音楽で用いられる。プレクトラムバンジョーと同じく4弦でフラットピックを用いるがネックが短い。コードストロークも可能だがヴァイオリンやマンドリンからの持ち替えが主な用途で、テナーチューニング(CGDA, ヴィオラと同じ)やアイリッシュチューニング(GDAE, ヴァイオリンと同じ)が用いられる。通常は19フレットと17フレットのショートスケールの物があり、コードストロークを殆ど用いないアイルランド音楽ではショートスケールが好まれる。ギターのネックをテナーバンジョーのネックで置き換えたテナーギターと呼ばれる派生楽器が存在する。
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最終更新:2024/04/18(木) 18:00
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