ファイナルファンタジーXII(FINAL FANTASY XII) とは、スクウェア・エニックスが2006年3月16日にプレイステーション2向けに発売したRPGである。 略称はFF12など。
ファイナルファンタジータクティクスシリーズやベイグラントストーリーを手がけた松野泰己による作品(ただし本作の開発途中でスクエニを退社している)であり、FFTシリーズ・ベイグラントストーリーと同様、架空の世界〝イヴァリース〟を舞台としている。FFTの時代から約1200年前のイヴァリースの世界である。
システムの面ではFF11を踏襲しており、360度フル3Dフィールドを実現している。またフィールドと戦闘が一体化したアクティブディメンションバトル (ADB)、ガンビットシステムが新たに採用された。
国内での販売本数はインターナショナル版含め245万本、全世界累計販売本数は500万本と、(MMOである11を除外した)前作である10と比較して、PS2本体の普及台数に数倍の差がありながらほとんどセールスに差がない(海外では激減)でという結果となった。
2007年4月26日には続編であるファイナルファンタジーXII レヴァナント・ウイングがニンテンドーDSで発売された。こちらはハード・スタッフの変更に伴いゲーム性や雰囲気がかなり異なる。
2007年8月9日にはゾディアックジョブシステムが追加されたインターナショナル版が発売された。詳細は後述。
戦闘システムは、従来のFFのようなエンカウント方式とコマンド入力方式ではなく、フィールド上を常にモンスターが歩き回り、フィールド上で戦闘が行われるシームレスバトル方式となり、仲間にあらかじめ行動をプログラムしておくガンビット制を採用した。コマンドで直接指示も出せる。これらはFF11のシステムに近い。
やりこみ要素が多く、完全攻略に時間が掛かることなどから、どちらかと言えば大衆向けゲームではなくマニア向け志向のゲームである。序盤からストーリーの進行とは全く関係のない寄り道をすることも可能で、無茶をすると序盤から強力な装備を入手できるというところも特徴か。
召喚獣は、これまでのFFシリーズのラスボスが元ネタとなっているものと、FFTのルカヴィ(悪魔)とが登場している。ゲーム内で見られるハントカタログには、これらの召喚獣と“神々”オキューリアとの関係など、細かな説明が書かれている。今作では、プレイヤーが召喚した際の性能はあまり高くないが、物語に関わってくることがある。
従来のFFとは雰囲気の違ったシステム・ストーリー・音楽から、評価は賛否両論である。
まだ魔法があたりまえのように存在し、天翔ける飛行艇が大空を埋めていた時代の物語。
来るべきロザリア帝国との戦乱に備え、アルケイディア帝国はその周辺諸国を侵攻し、次々と統治下へ置いていた。主人公ヴァンの住むダルマスカ王国もその例外ではなく、敗戦の末にアルケイディア帝国の統治下に置かれていた。
ある日、帝国進駐軍の新たな執政官が、ダルマスカの王都ラバナスタに到着した。ラバナスタのダウンタウンに住むヴァンにとっては、帝国は唯一の肉親であった兄の命を奪った憎き仇とも言える存在である。ヴァンは帝国に一泡吹かせてやろうと、新執政官の居るラバナスタ王宮へ侵入した。お宝の一つでも盗んでやろうという魂胆であった。
ところが、そこでヴァンは予想外の事件に遭遇する。突然、帝国に反旗を翻すラバナスタ解放軍が攻め込んできたのである。大混乱となった王宮内で、ヴァンは思わぬ人物と出会い、そこから様々な出来事に巻き込まれ、世界を知り、成長していくこととなる。
ヴァンとその幼馴染であるパンネロ、空賊バルフレアとその相棒フラン、ダルマスカ王位継承者であるアーシェと元ダルマスカ軍将軍バッシュ。多くの登場人物の出会いと冒険を軸に、アルケイディア帝国の侵攻の裏に隠された謎を巡って、イヴァリース世界を舞台にした物語が繰り広げられる。
ヴァン (声:武田航平)
主人公。ラバナスタのダウンタウンに住む17歳の孤児。
2年前のアルケイディア帝国との戦争の際に、唯一の肉親である兄・レックスを失う。
空賊になることを夢見ているが、それは、自分の無力さ、帝国への怒りなどのやり場の無い感情を、〝空賊になる〟という夢物語を口にすることで発散させているという面があった。そんな少年が、仲間達と共に旅をするうちに、人間的に成長していく。
空気の読めない一面もあるが、大事な場面での彼の言葉は印象的。
パンネロ (声:三国由奈)
ヴァンの幼馴染でガールフレンド。16歳。
裕福な商家の娘であったが、家族全員を戦争で亡くしている。
騎士団に所属していた兄から武術の手解きを受けていたため、見た目に似合わず武芸にも長けている。
踊りが得意で、いつか踊り子になることを夢見ている。
バルフレア (声:平田広明)
アルケイディア帝国の帝都アルケイディス出身の22歳。世界を駆け巡る空賊。
フランと共にラバナスタ王宮に盗みに入ったところでヴァンと出会う。
空賊としては名が知られており、彼の首には多額の賞金がかけられている。
愛機はシュトラール(YPA-GB47試作戦闘機)。
物語の主人公である事を自称しており、実際に主人公であるはずのヴァンより目立つ場面が多い。
フラン (声:深見梨加)
ヴィエラ族。バルフレアの相棒。バルフレアとは種族を超えた絆で結ばれている。
ヴィエラ族でありながら森を離れてしまったので、森の声を聞く能力が弱くなっている。
冷静沈着で口数は少ない。ミストや伝承に詳しく、パーティの知恵袋といったところ。
アーシェ・バナルガン・ダルマスカ (声:園崎未恵)
ダルマスカ王国唯一の王位継承者。19歳。
2年前、結婚数日後に夫であるラスラ王子を戦争で失い、続けて父である国王が暗殺されてしまう。その後、彼女は失意のうちに自害した、と報じられていたが、実際は「アマリア」という偽名で、ラバナスタ解放軍の中心人物として水面下で活動していた。
全てを奪った帝国への復讐を誓うが、ヴァン達と行動を共にしていくうちに、その心は徐々に変化していくこととなる。
バッシュ・フォン・ローゼンバーグ (声:小山力也)
元ダルマスカ軍将軍。ランディス共和国出身。36歳。
将軍時代は、正義感の強い性格と人柄の良さから、民に絶大な人気を得ていた。
2年前の戦争末期に、国王暗殺を防ぐため和平会談に潜入するが、国王暗殺を防ぐことはできず、逆にその罪を着せられてしまう。その後、偽の処刑発表により存在を消されていたが、実際はナルビナ城塞に投獄されており、ヴァン達と共に脱獄することになる。
国王暗殺の犯人として当初はアーシェに憎まれていたが、彼女とダルマスカの事をいつも第一に考えている。
レックス (声:田坂秀樹)
ヴァンの2つ年上の兄。
2年前の戦争末期に、ダルマスカ国王暗殺を阻止するためのバッシュ将軍の部隊に加わるが…。
プロローグでの操作キャラクター。
ウォースラ・ヨーク・アズラス (声:てらそままさき)
元ダルマスカ軍将軍。ダルマスカの名家の出身。38歳。
ダルマスカ王国の消滅後、ラバナスタ解放軍の主要メンバーとして、潜伏するアーシェを2年間守り続けてきた。
将軍時代はバッシュと同僚であり、国王暗殺阻止のために共に潜入した同志でもあった。
ゲストメンバーとして2度参戦する。
ヴェイン・カルダス・ソリドール (声:飛田展男)
アルケイディア帝国の皇子。次期皇帝の最有力候補。27歳。
人心掌握術に長けており、また軍事的天才でもある。
帝国軍を率いてナブラディア王国、ダルマスカ王国を攻略し、その2年後にラバナスタの新執政官に就任した。
ラーサー・ファルナス・ソリドール (声:今井由香)
アルケイディア帝国の皇子。ヴェインの弟。12歳。初登場時はラモンという偽名を使っている。
12歳とまだ幼いにも関わらず、政治家や軍師が舌を巻くほどに政治に精通している。
帝国の歪みを糾し、平和な道を築こうと模索している。
ゲストメンバー時に無限に持つポーションで援護してくれることから、ポーション王子、ハイポ王子などと呼ばれる。
ジャッジ・ガブラス (声:大塚明夫)
アルケイディア帝国のジャッジマスターの一人。バッシュの双子の弟。タイトルロゴの人。
帝国外の出身でありながら、グラミス皇帝に信任され、異例の出世を果たした。
ディシディアファイナルファンタジーにFF12枠で参戦した。
シドルファス・デム・ブナンザ (声:大塚周夫)
アルケイディア帝国直属の秘密機関、ドラクロア研究所の所長にして、名門ブナンザ家の当主。
FFシリーズ初の悪役シドであり、妻子持ち。
レダス (声:菅生隆之)
港町バーフォンハイムを取り仕切る空賊。33歳。ハゲ。
ドラクロア研究所に潜入した際にヴァン達と出会い、協力関係となる。
後にゲストメンバーとして参戦するが、敵を発見したとたんに無闇に突撃して罠を踏んだりする困った人(インタ版では改善可)。
前述の通り、2007年にはファイナルファンタジーXII インターナショナル ゾディアックジョブシステムが発売された。略称はFF12IZJSなど。
単にボイスが英語になっただけではなく、様々な変更点・追加要素がある。その為、インターナショナル版のアルティマニアも発売されている。
■ゾディアックジョブシステム
オリジナル版では1種類であったライセンスボードを12個に分け、役割分担をさせようというシステム。
12種類のジョブがあり、それぞれ習得できるライセンスが異なる。
FFTなどのようにジョブチェンジをすることは出来ない。また、聞きなれない名前のジョブも多い。
以下はそのジョブの一覧。
■トライアルモード
本編のセーブデータを使いひたすら敵と戦っていくモード。
敵を全滅、または特定の敵を倒すとステージクリアとなり全100ステージを突破すればクリアとなる。
無事クリアすることができると弱くてニューゲームに挑戦することができる。
あのヤズマットやゾディアークも登場するほか、ラストステージにはジャッジマスター軍団が登場。
■強くてニューゲーム
本編をクリアすると開始できる。
全キャラクターがLv90で開始する。レベル・アイテムの引継ぎはない。強ニューと呼ばれる。
■弱くてニューゲーム
トライアルモードをクリアすると開始できる。
一切経験値が入らない。弱ニューと呼ばれる。
■四倍速モード
L1ボタンを押すことで移動や戦闘を四倍速で行うことができるシステム。
町中の移動、雑魚戦などで便利。
音楽・セリフなどの速さは変わらないので安心。もう一度L1ボタンを押すことで解除できる。
■その他
モブ討伐など本編とは関係の無いやりこみ要素が多く、極端に強い隠しボスも多数存在するため、やり込みプレイ動画などが多い。
また無印版では主人公ヴァンの滑舌があまり良くない為、空耳ネタ(オイヨイヨなど)が多数あり、それらが変な人気を出している。
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最終更新:2025/12/07(日) 20:00
最終更新:2025/12/07(日) 19:00
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