ベルグドルとは、SEGAのゲームシリーズ「電脳戦機バーチャロン」に出てくるバーチャロイドである。分類上は支援型バーチャロイドとなる。
HBV-05ライデンが1機あたりテムジン27機の製造コストがかかる為量産が絶望的となった。しかし支援型バーチャロイドの必然性は明白だったので、急遽ベルグドルが開発されることになった。折しもライデンの失敗により開発予算が緊縮していたので「より安価に」、「より軽量に」がコンセプトとなった。だがそれは後に破綻することになる。
予算が少ないのでフレームはライデンのものを安い材質で作り、ジェネレーターもライデンの1/2の価格だが大型のもの、装甲もライデンの60%の強度と削られた。また武装も低価格な装備しか搭載できず、肩部レーザーの代わりに"Tm-203ロケットランチャー"を、手持ち装備として小型ランチャー"BB-94"を副武装とした。
だがここに恐るべき罠が潜んでいた。"Tm-203ロケットランチャー"はそもそも地上兵器でありバーチャロイドに搭載することは考えられていなかった。そのため照準・誘導管制機器が巨大であり、それを頭部に艤装したため肩部のロケットランチャーと共にライデン以上にトップヘビー化し、機動性能が極めて不安定な機体になってしまった。つまり滅茶苦茶重くてどでかい板を頭に貼り付けなければいけなくなったのである。そんなもん付けて高速機動とか、機体が安定するわきゃあない。
また副武装の"BB-94"だが実は低火力な上やたらと重い武装で、すでに旧式だったが手違いで大量発注してしまい不良在庫だったものを体よく押しつけられた代物だった。
このようにしてベルグドルは開発されたが、製造コスト「だけ」は格段に優れていた。(1機あたりテムジンの7~8割、ライデンの4~5%、バイパーⅡの6~7割で作れた。)またスペック上の性能では他のバーチャロイドに特に見劣りする物はなかった為に、ベルグドルは最も大量に生産され、最も普通にその姿を見る事ができる機種となった。
当然、多くのパイロットはこの扱いづらいベルグドルに搭乗することとなり、彼らにとってバーチャロイドは「扱い辛く、戦いにくい、完成度の低い新兵器」という印象で統一され、決して評判が良い物ではなかった。当たり前のことである。カタログどおりのスペックを引き出すために、かなりの技量が要求されるベルグドルは、その時点で「一般兵士用の量産兵器」というコンセプトを完全に踏み外していたのだから。
だってなんかする度に頭に釣られて体までぐらぐらするんだぜ?そんなの使いやすいわけがないじゃない。
結局のところベルグドルは有り合わせの素材で作られたつぎはぎのバーチャロイドであるために、「その場しのぎ」以上の役どころを演じる事はできず、質より量での火力支援を主任務とするVR部隊が単独で任務を全うできるようになるには、HBV-10 ドルカスの登場を待たねばならなかった。
前述の評価に恥じず、単純な使用感は微妙という評価。
防御力はテムジンと同等程度、転倒しやすく時間的な有利を失いやすい、格闘できない、火力も当てにくい。ミサイルではなくLWのナパームが主力というところまで設定に反映されてしまっている。
しかし、ユーザー間の研究により、横方向は軽量機顔負けの最速で移動できる「漕ぎ」といわれるテクニックが開発されてからは、消えるほど早い横移動で斜線をズラしながらLWのナパームとCWのミサイルの連携で追い込み漁の如くフィールドを制圧して回る「動ける重火力」へと早変わりするに至った。
当然、漕ぎはダッシュではないので隙が極めて少なく、熟練のベルグドルパイロットは別のバーチャロイドの如く実践性能が高まっており、無対策ではまったく刃が立たないほど。
この点に関してベルグドルが登場する派生作品では「新米が乗るとザクはおろか怪獣特撮の戦車クラスのやられ役だが、数多くのエースパイロットを輩出した機体」として表現されているところから察することが出来るかもしれない。
欠陥機の烙印を押されつつもコアなユーザーを取り込んだ本機が後発の同系統に与えた影響は大きく、誘導するミサイルで追い込みながらLWによる不意打ちを狙うエッセンス、横方向へのダッシュが高速であるなど、ミサイラー、SVD系という一つの評価を固定するに至ったといえよう。
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最終更新:2024/04/25(木) 17:00
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