ホウオウイクセル 単語


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ホウオウイクセル

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ホウオウイクセル(Ho O Ixelles)とは、日本の競走馬である。

2021年からの新規競馬ファンに血統の浪漫を教えてくれた馬だが、実際に受け継いだ血は…

主な勝ち鞍:2021年フラワーカップ(G3)

概要

2018年4月16日生まれの牝馬。

父ルーラーシップ・母メジロオードリー(母父スペシャルウィーク)。
通常の競馬記事なら、父ルーラーシップは…という説明から入るが、2021年春から競馬ファンになった人は、ホウオウイクセルをそう紹介されていない。2代上から紹介されている。

2021年、過去の名馬が女の子の姿になって走るゲームアプリ『ウマ娘 プリティーダービー』がリリースされる。ホウオウイクセルは、血統表の中に『ウマ娘』に登場する競走馬が5頭もいたのである。

そりゃサラブレッドなんだし、競馬ゲームにご先祖様がいっぱいいるのは当然だろ、『ダビスタ』にだっているぞ、と思うかも知れないが、『ウマ娘』は諸事情でここまできれいに血統がつながっている馬はなかなかいないのである。そのため、『ウマ娘』ファンを本物の競馬に引き込む際に、血統のスポーツとしての競馬を語るとき、彼女がよく引き合いに出された。

以前からの競馬ファンなら、父ルーラーシップがクイーンエリザベス2世カップを制したG1馬であり、それ以上に種牡馬としていかに優秀であるか、熱く語るところであるが、ルーラーシップは残念ながら、2021年末までで1頭もウマ娘化されていないサンデーレーシングの所有馬。『ウマ娘』ファンにはなじみが薄かったのである(ついでに、彼のG1勝ち鞍がウマ娘に登場しない海外の競走なのでピンとこない)。しかしその後、彼らもルーラーシップがいかに「すごい」馬だったのかを思い知ることになる。

母メジロオードリーは、上記の通りスペシャルウィークとメジロドーベルを両親に持つ(ウマ娘ファン的にも)良血馬。旧メジロ牧場の忘れ形見でもあり、メジロ牧場からは最も多くウマ娘が登場しているので冠名はそちらのファンにも知られている。

そんなホウオウイクセルの生まれ故郷は、解散したメジロ牧場の敷地と所有馬を受け継いだレイクヴィラファーム。同場は生産馬を自分で走らせるのではなく、セリに出して他の馬主に買ってもらう生産牧場へと変わっていた。ゆえに、彼女に限らず今後の生産馬に「メジロ」の名がつくことは基本的にない。

彼女は2019年セレクトセールにて、小笹芳央(よしひさ)に購入された。冠名「ホウオウ」は彼の下の名前を音読みしたもの。「イクセル」は「ベルギーの地名から」とされているが、大女優オードリー・ヘップバーンの出身地であるということぐらいしか目立った情報がない。

鞍上は、2021年末までですべて丸田恭介が務める。

勝って、負けて、花が咲く

2020年10月、新潟の2歳新馬戦でデビューしたホウオウイクセルは、そこを3着で終えるものの、次月福島の未勝利戦では。残り200mから抜け出すと追いすがるコスモマインを振り切って初勝利。

3戦目は早くもG3フェアリーステークスを選択。後方待機から徐々に進出し、大外からゴボウ抜きに掛かるが、逃げるファインルージュを交わせず2着。

4戦目もG3フラワーカップ。前述の『ウマ娘』のリリースは2021年2月24日であり、ホウオウイクセルが「ご先祖様にウマ娘がたくさんいるよ」と紹介され始めていた。同競走はちょうどその次走だったため、応援していたウマ娘ファンも多かった(ただし5番人気)。

レースでは、好スタートからの先行策。うまいこと経済コースに入り込み、残り200mで抜け出してそのまま逃げ切り、重賞初制覇を果たす。

ウマ娘ファンは素直に喜んでいたが、そこまでの成績が、すべて馬券に絡んでいるとはいえ負・勝・負・勝。この勝ちパターンに、競馬ファンはなーんか嫌な予感がしていたかもしれない。

桜は…咲かなかった…

続くはもちろんG1桜花賞。サトノレイナスの隣で後方待機…をしていたのだが待機したまま直線に入っても全く伸びず。その間にサトノレイナスがぶっ飛んでいき、それでもソダシが振り切って決着。

ホウオウイクセルは9着と惨敗。しかし彼女の悲劇は、狂気のお嬢様メイケイエールの存在により、負けた、という面でもいじられる要素がなかったことかも知れない。その上オーナー側がウマ娘化立候補を(リップサービスの面が大きいであろうとはいえ)宣言していたので、そっちでも話題を奪われてしまった。

あーやっぱりー! 紫苑ステークス

オークスは、距離と飛節の不安から回避。次走はG3紫苑ステークスを選択したのだが…

スタートで立ち上がってしまい、大出遅れ。競馬ファンの嫌な予感が現実のものとなり、「うわやっぱり親父の血かー!」と頭を抱える羽目になった。がんばって追いかけたがもう遅い。直線で馬群をどうすることもできず、13着と大敗してしまう。

競馬ファンには、2012年有馬記念で父ルーラーシップがやらかしたゲート立ち上がりの再現と見えたが、今回はなぜかウマ娘ファンもこれを知っていた。

なぜかというと、『ウマ娘』の側では少し前にエイシンフラッシュが育成実装されており、目標レースだった有馬記念に、バッドスキル「ゲート難」持ちのエアグルーヴというふしぎな存在がNPCで登場していたためである。エイシンフラッシュと戦った競走馬の多くがウマ娘化していなかったために、出せない馬の代役をその親に当たるウマ娘が行っていた。ルーラーシップは、母エアグルーヴにそれっぽいスキルをつけて再現されていたのである。ウマ娘ファンも、古参競馬ファンからその旨説明を受けて、この事件の存在を知っていたのだった。ちなみに、のちに同年の有馬記念に出走していたトーセンジョーダンのシナリオにも登場する。

いずれにせよ、ホウオウイクセルに父譲りの出遅れ癖があることが明るみに出、それが新規競馬ファンにも知れ渡ることになり、次走秋華賞を迎えることになる。

父の名にかけて最後の一冠は… 秋華賞

「お願いだからゲートを出てくれ…」というファンの祈りを一身に受けた秋華賞。
その祈りは…届かなかった。

ゲートが開くと同時に右側に顔をぶつけ、またもや大出遅れ。大急ぎで内ラチに向かうがもうそこは馬群の中。向こう正面では、外傷性鼻出血で本来の実力を出せなかったオークス馬ユーバーレーベンと併走にまでは持ち込めたが、そのまま誰にも追いつけず16着と最下位に終わった。

先頭ではアカイトリノムスメが父と母の名にかけて素晴らしき飛翔を見せていたが、こちらの「ホウオウ」は父の名にかけて見事に墜落していた。

鳳凰は復活なるか

次走は未定。

「ご先祖様がたくさん出てくるゲームがブームになった」という偶然により思わぬ人気が出た馬ではあるが、その期待に応え、一度は重賞を制した。

父ルーラーシップも、出遅れ癖と戦いながら勝ったり負けたりを繰り返し、ついにはG1馬となった。ホウオウイクセルも、新たな競馬ファンの期待と新生メジロ・レイクヴィラファームの実力を証明するため、またターフに帰ってきてくれることだろう。

血統表

ルーラーシップ
2007 鹿毛
キングカメハメハ
2001 鹿毛
Kingmambo Mr. Prospector
Miesque
*マンファス *ラストタイクーン
Pilot Bird
エアグルーヴ
1993 鹿毛
*トニービン *カンパラ
Severn Bridge
ダイナカール *ノーザンテースト
シャダイフェザー
メジロオードリー
2007 鹿毛
FNo.10-d
スペシャルウィーク
1995 黒鹿毛
*サンデーサイレンス Halo
Wishing Well
キャンペンガール マルゼンスキー
レディーシラオキ
メジロドーベル
1994 鹿毛
メジロライアン アンバーシャダイ
メジロチェイサー
メジロビューティー *パーソロン
メジロナガサキ

クロス: *ノーザンテースト 4×5(9.38%)

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関連項目

  • 競馬
  • 競走馬の一覧
  • ウマ娘 プリティーダービー
    • エアグルーヴ(ウマ娘)
    • スペシャルウィーク(ウマ娘)
    • メジロドーベル(ウマ娘)
    • メジロライアン(ウマ娘)
    • マルゼンスキー(ウマ娘)
    • ??????? - もしかしたら「6頭目(延べ7頭目)」になるかもしれない登場人物。
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