† Early Music by VOCALOID †
ボカロ古楽(ボカロコガク)とは、狭義では「VOCALOIDによる古楽演奏」を指し、古楽演奏の一形態である。
また、広義では「古楽の運動論の一表現スタイルにVOCALOIDを利用したもの」といえる。
概要
VOCALOIDによる古楽を語る上で、古楽とは何か、という命題を避けて通ることはできないであろう。
古楽とは
古楽(コガク、英:Early Music)とは、バロック音楽・ルネサンス音楽など、いわゆるクラシック音楽というものが確立する以前の古いヨーロッパの音楽。その中でも特に、作曲当時の楽器(古楽器)や奏法を再現した「ピリオド演奏」を指して、古楽と呼ぶことが多い。
バロック時代以前の西洋音楽としては、主に以下を揚げることができる。
- 中世西洋音楽
- ゴシック期やそれ以前の時代における音楽。主な楽派としてノートルダム楽派など。
また、西方教会の単旋律聖歌(プレインチャント)の基軸をなす聖歌であるグレゴリオ聖歌(グレゴリアン・チャント)もまた、9世紀から10世紀にかけて成立したといわれる。
ゴシック期の主な作曲家:レオニヌス(レオナン)、ペロティヌス(ペロタン)、ギヨーム・ド・マショーなど
- ルネサンス音楽
- ヨーロッパにおいて、15世紀から16世紀のルネサンス期に作られた音楽の総称。主な楽派としてはブルゴーニュ楽派(前期ルネサンス)、フランドル楽派(盛期ルネサンス)、ローマ楽派(後期ルネサンス)など。
初期ルネサンスの主な作曲家:ギヨーム・デュファイやジル・バンショワ(ブルゴーニュ)など
盛期ルネサンスの主な作曲家:ヨハンネス・オケゲムやジョスカン・デ・プレ(フランドル)など
後期ルネサンスの主な作曲家:オルランドゥス・ラッスス(フランドル)、ジョヴァンニ・ピエルルイージ・ダ・パレストリーナ(ローマ)、トマス・ルイス・デ・ビクトリア(スペイン)、トマス・タリスやウィルアム・バード(イギリス)など
- バロック音楽
- ヨーロッパにおける17世紀初頭から18世紀半ばまでの音楽の総称。
表面を鮮やかな装飾で飾り立てて全体の構造を軽やかにすること、規律よりも気まぐれな思いつきといった人間感情の表現に軸足を置いていることなどが特徴。規律正しい均整の取れたルネサンス期の音楽とは対照的にいびつな、退廃した芸術という意味で「バロック」(ゆがんだ、不揃いな真珠を意味するポルトガル語「バロッコ」が語源とされる)と呼ばれる。
初期バロックの主な作曲家:クラウディオ・モンテヴェルディ(イタリア)
中期バロックの主な作曲家:ジャン=バティスト・リュリやマルカントワーヌ・シャルパンティエ(フランス)、ヨハン・パッヘルベル(ドイツ)、アレッサンドロ・スカルラッティ(イタリア)
後期バロックの主な作曲家:ジャン=フィリップ・ラモー(フランス)、アントニオ・ヴィヴァルディ(イタリア)、ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル(ドイツ→イギリス)、ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(ドイツ)
ボカロ古楽とは
ボカロ古楽とは狭義では「VOCALOIDによる古楽演奏」を指し、古楽演奏の一形態と定義する。
しかし、ここで述べた古楽とは、演奏そのものを指すのみならず、古楽器を用いる音楽スタイル、あるいは古楽的な演奏解釈・アプローチといった、古楽の運動論全体を指す。よって、ボカロ古楽とは、広義では「古楽の運動論の一表現スタイルにVOCALOIDを利用したもの」と定義する。
なお、古楽の運動論全体を指す以上、楽曲の作曲年代によらず、古楽的アプローチによる楽曲であれば、ボカロ古楽の名を掲げるに値する。近現代の楽曲を古楽器や古楽的奏法によってカヴァーするもの、あるいは古楽的アプローチによって演奏されるオリジナル曲やアレンジ曲などもまた、ボカロ古楽を名乗るに値するといえるだろう。
関連動画
年代ごとに代表的な作品を以下に揚げる。
中世西洋音楽
グレゴリオ聖歌
ゴシック期音楽
ルネサンス音楽
初期ルネサンス
盛期ルネサンス
後期ルネサンス
バロック音楽
初期バロック
中期バロック
後期バロック
古楽調の創作曲
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関連項目
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