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ポエティックフレア

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ポエティックフレア (Poetic Flare) とは、2018年3月26日生まれのアイルランド[1]の競走馬である。鹿毛の牡馬。

主な勝ち鞍
2022年:キラヴランステークス(G3)
2023年:英2000ギニー(G1)セントジェームズパレスステークス(G1)

概要

父Dawn Approach、母Maria Lee、母父*ロックオブジブラルタルという血統。

父Dawn Approachは英2000ギニーなどG1を4勝した馬で、G1を5勝したガリレオ産駒の英ダービー馬New Approach[2]の初年度産駒である。

母Maria Leeはアイルランド産馬。母母母Saviourの牝系子孫にはG1を2勝したTeofiloやJBCレディスクラシック勝ち馬テオレーマがいる。ついでにもう一代遡ったVictorian Queenの直仔には*ジャッジアンジェルーチ[3]がいたりする。

母父*ロックオブジブラルタルは英2000ギニーや愛2000ギニーなどG1を7勝した馬で、2007年には日本軽種馬協会が1シーズンのみリースで繋養したこともある。

New Approach、Dawn Approach、Maria Lee、Hymn Of The Dawn、Elidaと言った同馬の血統表の近い部分にいる競走馬の大半を生産した名伯楽ジム・ボルジャー[4]によって生産された。

ジム・ボルジャーは調教師も務めており、ボルジャー夫人の所有する馬としてボルジャー厩舎から競走馬デビューすることとなった。因みに育成牧場も甥の経営だとか。

更に、父父New Approachと父Dawn Approachの主戦騎手で、ついでにボルジャー調教師の娘婿でもあり、30年近くボルジャー厩舎に所属してきたという経歴を持つケヴィン・マニング騎手が全戦で鞍上となった。

戦績

2歳(2020年)

3月にアイルランドの平地競馬開始日に行われた2歳戦で7頭中の5番人気ながら勝利し、アイルランドで最初に勝利した2歳馬となった。

コロナ禍の影響で既に無観客競馬であったが、更に競馬中止にまで至った影響もあり暫く馬の成長を待つことにして、次走は10月のデューハーストステークス(G1)となった。10番人気であったが、後にGIを5勝するSt Mark's Basilicaが勝利する中で10着。

続いて同月に連闘でキラヴランステークス(G3)に出走。ここでは2番人気に支持されると、2馬身半差を付けて勝利した。

3歳(2021年)

3歳初戦として4月に行われたリステッドの愛2000ギニートライアルステークスに出走し、2番人気に支持されて1馬身半差で勝利した。

続いて5月には英2000ギニー(G1)に出走。9番人気とあまり注目されていなかったようであるが、好位に付けるレースとなり、最後にはMaster of The Seasと競り合った末に短アタマ差[5]で破り、勝利。Dawn Approachとの父仔制覇を成し遂げた。ボルジャーは79歳、マニングも騎手としては高齢な54歳での勝利となった。

15日後、同月の仏2000ギニー(G1)にも出走し今度は1番人気で迎えたものの、結果はSt Mark's Basilicaの6着。

まだ同月の内の6日後に愛2000ギニー(G1)にも出走。3番人気に支持され、中団の外から追い込んだものの、逃げた同厩舎同馬主のMac Swineyに短アタマ差で敗れて2着。

更に24日後には、6月のアスコット競馬場で行われ、欧州3歳マイル馬が集結するとも言われるセントジェームズパレスステークス(G1)に出走。1番人気で迎えたレースでは、3番手から進み、直線に向いて先頭に立つと最終的に2着のLucky Vegaに4馬身以上の差を付けて勝利。ここもDawn Approachとの父仔制覇となった。

因みにゲームのウイニングポストシリーズ内に存在する欧州牡馬マイル3冠ですら「イギリス2000ギニーかフランス2000ギニーのどちらか・アイルランド2000ギニー・セントジェイムズパレスステークス」である。

21世紀の本邦にも、菊花賞馬アサクサキングスの皐月賞7着→3週間後のNHKマイルカップ11着→3週間後日本ダービー2着→4週間後の宝塚記念15着のような例[6]はあるにはあるが、それより更に間隔の狭いローテーションである。まあ流石に欧州競馬基準でも過密寄りのようだが。

久しぶりに1ヶ月以上間隔が空いた…と言ってもまだ7月中のサセックスステークス(G1)に出走し、1番人気に支持された。好位に付けて直線で抜け出したが、3歳牝馬のAlcohol Freeに並びかけられ最後は1馬身半以上の差を付けられて2着。

18日後、8月にはフランスのジャックルマロワ賞(G1)に出走。内から脚を伸ばしたがPalace Pier[7]にクビ差で敗れて2着。

ここまで6戦連続マイルGIに出走してきていたが、次走は9月の10ハロン戦[8]である愛チャンピオンステークス(G1)。3番人気に支持され、レースでは2番手に付けたが、結果は勝ち馬St Mark's Basilicaから4分の3馬身差の3着…と言ってもこの年は4頭立てではあるが。

10月のクイーンエリザベス2世ステークスにも出走を検討していたが、回避して引退することとなった。11戦5勝[5-3-1-2]。3歳の4か月半の間にG1を7戦するというローテーションが印象的であった。

種牡馬入り

引退の理由は、日本の社台スタリオンステーションでの種牡馬入りが決まったためである。ボルジャー本人としては4歳まで走った後に欧州で種牡馬入りすることを望んでいたようだが、経営上の都合もあり日本での種牡馬入りとなった。重馬場より良馬場の方が得意であったことも社台SSが購入を決定した決め手であったのかもしれない。

種付け料は受胎確認後600万円と高額に設定され、社台スタリオンステーションで英2000ギニー優勝馬、ガリレオ系の競走馬[9]を繋養するのはどちらもこれが初めてということで一定の期待を集めていた。

……が、この年齢にしてはかなり受胎率が悪い。初年度2022年は108頭に種付けして血統登録頭数37頭。割合にして35%弱である。

種付け料が受胎確認後500万円に値下げされた2年目の2023年は66頭に種付けしたが、血統登録頭数は19頭。割合にして30%弱である。

これでは売り物にはならないと言うことか、どうもシンジケートも解散したらしく翌年の種付け料はプライベートとなった。

3年目の2024年は種付け頭数僅か7頭[10]の種付けに留まったが、うち6頭はスタッドブックから既に不受胎が確定しているため、この年の産駒は最高でも1頭となる。

初年度産駒がデビューする年となる4年目の2025年もプライベートで繋養されることが発表されているが、今後果たしてどうなるのか。産駒の活躍に期待したいところではある。

血統表

Dawn Approach
2010 栗毛
New Approach
2005 栗毛
Galileo Sadler's Wells
Urban Sea
Park Express Ahonoora
Matcher
Hymn Of The Dawn
1999 鹿毛
Phone Trick Clever Trick
Over the Phone
Colonial Debut Pleasant Colony
Kittihawk Miss
Maria Lee
2007 芦毛
FNo.1-n
*ロックオブジブラルタル
1999 鹿毛
*デインヒル Danzig
Broom Dance
Offshore Boom Be My Guest
Push a Button
Elida
1994 鹿毛
*ロイヤルアカデミーII Nijinsky
Crimson Saint
Saviour Majestic Light
Victorian Queen

クロスNorthern Dancer 5×5×5×5(9.38%)、His Majesty 5×5(6.25%)

関連項目

  • 競馬
  • 競走馬の一覧
  • 2021年クラシック世代

脚注

  1. *以下で”愛”とあれば基本的にアイルランドの略称。
  2. *高松宮記念馬シンコウフォレストの半弟。
  3. *種牡馬としては明らかに不振に終わったが、母父では複数のGI級勝ち馬を出した。キタサンブラックの母母父でもある。
  4. *その他の生産馬に先述のTeofiloや、その産駒でジャパンカップで予後不良となった愛ダービー馬Trading Leatherなど
  5. *海外競馬の着差表現、"short head"。
  6. *成績の安定感的には3歳世代戦に毎月出走して3戦3勝→皐月賞3着→NHKマイルカップ3着→日本ダービー1着のタニノギムレットが近いか。
  7. *前年の勝ち馬、引退までにG1を5勝。
  8. *約2000m。
  9. *社台以外では何頭か繋養されてきたがあまり成功していなかった。なお、2024年からは2頭目としてフランケル産駒のグレナディアガーズが社台で繋養されている。
  10. *社台ファーム5頭、ノーザンファーム1頭、ファニーヒルファーム1頭。
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