マグヌス効果 単語


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マグヌスコウカ

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マグヌス効果とは、液体や気体中で回転する円柱または球に力がはたらく物理学の現象である。
ボールにカーブをかけることができるのは、この現象のおかげである。

概要

物理学の法則の一つに、「質点は、力が作用しない限り、静止または等速直線運動する」というものがある。
ボールで説明すると、静止しているボールは外部から力を加えられない限り静止したままであり、動いているボールは外部から力を加えられない限り同じ方向に同じ速度で動き続けるという意味である。

なお、斜め上に向かって投げたボールの軌道が地面に向かって曲がっていくのは地球の重力、地面を転がしたボールがやがて止まるのは地面との摩擦力や空気抵抗がボールに働いているからである。
重力も空気抵抗もない宇宙空間では、投げたボールは同じ速度で動き続けるだろう。

さて、皆さんは例えば下の動画のように球技でボールが曲がる映像を見たことがあると思う。

ところが、先ほど読んだように、運動しているボールは外部から力が加わらない限り曲がることはないはずである。一見、外部から力が加えられてないように見えるボールはなぜカーブするのだろう?
この疑問を物理学的に説明したのが、この現象の名前にもなったハインリッヒ・グスタフ・マグヌスである。

ベルヌーイの定理

マグヌス効果を説明する前に、もう一つの物理学の法則について理解する必要がある。
それは、気体の移動速度が上がれば上がるほど、その気体の圧力は下がるというものである。
簡単に言うと、空気の流れ(つまり風)の弱いところから強いところに向かって、押される力がかかる、といった感じだろうか。

具体例をいくつか挙げると、

  • 風船を2つ並べてその間に息を吹きかけると、2つの風船は互いに近づく
  • 机に2つ空き缶や空きペットボトルを並べ、その間に息を吹きかけると互いに近づく
  • ドライヤーの吹き出し口を上に向け、ピンポン球を風に乗せるとピンポン球が宙に浮く。多少ドライヤーを動かしてもピンポン球は落ちない(ドライヤーは中心部に近いほど風が強く、ピンポン球も圧力の低い中心部に近づいていこうとするため)

これらはすべてこの法則によって引き起こされる現象である。
ちなみに、この法則をベルヌーイの法則、またはベルヌーイの定理という。

ボールはなぜ曲がるのか?

さて、地球上でピッチャーがボールを手前方向の回転(ピッチャーから見てボールの下側が奥に、上側が手前に動くような回転)をかけて投げた場合、ボールにどのような力がかかるのかを考えてみよう。

まず、ボールが受ける空気の流れに注目してみる。
このとき、ボールは空気中を移動しているので空気抵抗、つまり逆方向の空気の流れを受ける(下の図の⇒)。
それに加えて、ボールが空気中を回転すると、ボールの周りの空気も回転に引きずられ、回転方向に沿った空気の流れが生まれる(下の図の→)。


   ⇒…ボール全体が受ける空気の流れ
   →…ボールの回転によって生じる空気の流れ


    ∧,,∧      ⇒ ⇒
   (´・ω・)   ⇒   →               ∧,,∧
   ( っ(⌒)  ⇒ ↑◯↓ 三二≡=─  ⊂(・ω・`)、
    `u-u'    ⇒  ←              ヽ  と)
             ⇒ ⇒              u-u' 

この2つの空気の流れが合わさることで、ボールの上の部分の空気の流れは、
⇒ + → = 強い右向きの空気の流れ
となる。一方、ボールの下の部分は、
⇒ + ← = 弱い右向きの空気の流れ
となる。すると、

  1. ボールの上の部分の空気の流れが下の部分に比べて速い
  2. ボールに上向きの力がかかる
  3. 2の力が、重力によって生じる下向きの力を弱める

となり、結果としてボールの落ちがゆるやかになる。

回転方向を逆にすれば落ちやすいボールになるし、横回転をかければ横に力がかかって上の動画のようにボールはカーブするる。これがマグヌス効果である。
※ なお、フォークボールやナックルボールは奥方向の回転をかけて下向きの力をかけているのではなく、回転を抑えてボールの空気抵抗を上げることで下に落としている。

アマで解説囓(かじ)ってる俺が来ましたよ。

マグヌス効果自体は、以前から球技に携わるものの間で知られていた理論であった。
しかし、なんJでこの名前を大きく広めることになったのが、マグヌスニキと呼ばれる人物である。
彼はなんJに立てられた「中村勝のストレートがさいてょよりも遅いという現実」というスレで、

アマで解説囓(かじ)ってる俺が来ましたよ。

中村のストレートは加速しているから打ちにくい

まあスピードガン自体物理法則を無視してる側面もあるから
素人さんは混乱してもしゃーないか

ここまでで疑問質問あれば

などの迷言を交えつつ、

確かにガンでは中村の速球は140km/h台だけど、
腕の振りが大きくて速く、初速から既にMAX近いスピードで
打者の前でも加速し続けてるから早い
距離が25mくらいあれば150後半は出てるよ彼

加速についてまとめてみるよ、

・位置エネルギー(リリポとミットの高低差)
・回転数によるHOP-UP(伸び)
・最大加速度以下での範囲

これらが有機的に絡みあって中村のボールは加速しているんだな

>>265
落ちないぞ
HOP-UPしてるからな
マグヌス効果でググれ

マグヌス効果をサーフボードに換えて想像して欲しい
波(空気抵抗)に対してサーフボード無しに泳ぐと
体力消費が激しく、進まない
だけどサーフボード(マグヌス効果)があれば楽に乗れてスピードが活かせる。
http://www.youtube.com/watch?v=e7XeTlXj7XQ
※ URL の動画は、サーフィンの動画ではなくサーファーがカリフォルニアサイコーと連呼するだけの動画

と、独自に解釈した物理法則を用いて中村勝のストレートが加速していることを説明し続けたため、スレ住民は困惑。
その中の「マグヌス効果でググれ」という発言により彼は「マグヌスニキ」と呼ばれるようになり、それまでは「埼玉のダルビッシュ」として日ハムファンの間で細々と語られる存在でしかなかった中村勝にもマグヌス中村というあだ名が付いてしまった。

なお、誤解のないように言っておくと、マグヌス効果自体はれっきとした物理学の理論であり、上で述べたようにボールの手前方向の回転によって落ちをゆるやかにすることができるというのは事実である(人間の力では頑張って回転をかけてもHOP-UPまではしないと考えられるが)。
推測の域を出ないが、おそらく彼の頭の中では、

  • ボールが回転することにより空気抵抗が減ってスピードが活かせる(事実)
  • リリースポイントからミットまでの高低差による位置エネルギーが運動エネルギーに変換されて、ボールが加速する(空気抵抗を無視すれば事実。ただし、加速はわずかなので、空気抵抗による減速のほうが大きいと考えられる)
  • マグヌス効果によってボールに生じる揚力が、ボールに位置エネルギーを無償で供給する(勘違い)

これらが有機的に絡みあい、中村勝のストレートは第二種永久機関と化したのではないかと思われる。

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