マツダ・コスモとは、マツダが1967年から1996年にかけて生産をされていた乗用車である。
車名の由来は、イタリア語で「宇宙」の意味から。初代モデルは、量産車では世界初のロータリーエンジンを
搭載をした車種として知られている。
初代モデルはロータリーエンジンのみであったが、二代目と三代目は、直4気筒のエンジンも搭載されていた。
最終型の四代目は、再びロータリーのみとなった。
ボディは基本的には2ドアクーペとなるが、三代目のみ4ドアのセダンとハードトップが用意されていて、
ルーチェとの姉妹車的な位置となっていた。
名称も初代が「コスモスポーツ」、二代目が「コスモAP及びコスモL」、三代目が「マツダ・コスモ」で、
四代目が「ユーノスコスモ」となる。
1967年に登場。世界初量産車でのロータリーエンジン搭載車として華々しくデビューをする。スタイリングも
ロータリーエンジンの特徴でもある車高の低さを訴えたデザインでかなり個性的なデザインとなる。
1968年にマイナーチェンジ。フロントグリルを変更をし、ホイールベースの延長やミッションの4速から5速化等の
性能向上を目指した。同時にエンジンもパワーアップ化がされた。
そのスタイリングとロータリーエンジンのスムーズさで、世界をあっと言わせた程であった。
また特撮作品の『帰ってきたウルトラマン』の劇中でMAT車両MATビハイクルのベースにもなっている。
1972年にモデル廃止をし、一度はブランドが消滅をしている。
コスモスポーツが消滅をした3年後の1975年にブランドが復活をした。名称もコスモAPとなり、当時深刻な社会問題
であった排出ガスの低公害化が進められた。エンジンはロータリーが二種類で、初の直4気筒エンジンの2000ccと
1800ccが用意された。シャーシやエンジンもルーチェと共用になった箇所も多い。
スタイリングも初代とは違い、アメリカ車みたいな華やかなデザインとなった。ボディも2ドアクーペから3ドアの
ファストバッククーペとなる。また装備も充実をして豪華さをアピールした。
1977年にバリエーションの追加で、2ドアノッチバッククーペの「コスモL」が登場。ルーフの一部が皮貼りとなって
いて、コスモよりもゴージャス感を強めていた。
1979年にマイナーチェンジ。フロントデザインを変更し、ヘッドランプが丸型4灯から角型2灯式になり、グリルデザインも縦線から格子状のタイプとなった。
このコスモが登場したおかげで、他社のスポーツタイプの乗用車が次々と登場をするなど、クーペ型乗用車が流行を
したきっかけとなった。
この型は歴代コスモの中でも大ヒットをしたモデルとして知られ、特にCMソングは、歌手・しばたはつみの代表作
になったものが多く、しばた本人が1977年の『NHK紅白歌合戦』に出場をするほどの人気ぶりであった。
1981年に初のモデルチェンジ。この代は四代目ルーチェとの部品共用が多くなり、姉妹車化がされる。
ボディバリエーションも従来の2ドアクーペに加えて、4ドアのハードトップとセダンが加わった。コスモのみに
2ドアクーペが用意された。スタイリングと内装はかなり未来的なデザインとなり、2ドアクーペはヘッドライトが
格納式のリトラクタブル・ヘッドライトとなった。
エンジンは当初直4気筒の2000ccのみで登場をし、すぐにロータリーエンジン搭載車も登場。後にセダンのみに用意
された直4気筒の2200ccのディーゼルエンジンも用意された。
1982年、2ドア車にルーチェと同時に世界初のロータリーターボエンジン搭載車が用意された。これが1980年代には他社でもターボエンジン搭載車が多くなった要因となった。
1983年にマイナーチェンジ。あまりにも個性的なデザインで売れ行きが芳しくなく、4ドアハードトップのフロントデザインを一般的なタイプとなった。また4ドアにもロータリーターボエンジン搭載車が用意された。
1984年に2ドア系をマイナーチェンジをし、リトラクタブル・ヘッドライトから一般的な固定式ヘッドライトへと変更をされた。
1985年にモデル末期のため、グレードの整理が行われた。
1986年にルーチェのモデルチェンジのため、4ドア系が廃止をされ2ドアのみとなり。1990年まで継続生産がされた。
このモデルは、あまりにも曖昧なコンセプトのため売り上げが減少した。
1990年にモデルチェンジ。当時マツダの多チャンネル化を推進をしていたため、名称も『ユーノスコスモ』となった。
エンジンもロータリーのみとなり、世界初の3ローターエンジンが用意された。従来の2ローターモデルも用意された。
ミッションはATのみとなった。
コンセプトもラグジュアリークーペがコンセプトとなり、豪華さを誇ったモデルでもある。スタイリングは3ナンバー化
をし、伸びやかなデザインとなる。また世界初のGPS式ナビゲーションも搭載された。
1996年にモデル廃止となった。これは当時マツダの経営が逼迫をしていたため、車種の絞込みを行ったためでもある。それでも、そのスタイリングに魅了をされる人は今でもいる。
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最終更新:2025/12/09(火) 21:00
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