リム(ヨーヨー)

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ヨーヨーにおけるリム(Rim)とは、ヨーヨーの外周部のパーツである。

概要

ヨーヨーのフチの部分に配置されるパーツ。

ヨーヨーのスリープ時間および傾きにくさに影響するのは、慣性モーメントという物理量である。
大雑把に言うと「質量×回転半径」で求められるもので、これが大きいほどヨーヨーは止まりにくい。
もっと大雑把に言えば、ヨーヨーは外側に重いものを配置するほど、スリープ時間が長いといえる。

慣性モーメントを稼ぐためにおもりとして配置される「リムウェイト」と、手に当たったり地面と接触する部分の材質を変えるためのものに分けられるが、両方を兼ねることも多い。

ヨーヨーの中に内蔵されるか、外につけられるかで分類される。
材質も様々なものがある。

搭載位置による分類

内蔵

ボディ内部にリムが収まっている構造。
慣性モーメントを増加させるのが目的で、手に当たる部分には影響を与えない。

ボディの厚みの分回転半径は小さくなるため、外付けに比べ慣性モーメントには劣る。

• スーパーヨー・レネゲイド
• ヨーヨージャム・マトリックス
• ヨーヨーファクトリー・プロトスター

外付け

ヨーヨーの外側にリムを配置する構造。
内蔵よりも回転半径を外側に置くことが出来、より慣性モーメントを稼げる。
手に当たる部分の材質を変更する効果を持つ。ゴムの場合、手に当たる衝撃を和らげる。金属などの場合、摩擦が少なくなるため、「グラインド」などのトリックに向く。

• ヨーヨージャム・スピンファクター
• ダンカン・スローモンキー
• シュトルム・パンツァー・ステルスオーガMk-Ⅱ

ミッドシップ

ヨーヨーの外側、真ん中のあたりにリムを貼り付ける構造。
外周にリムを配置する構造では、傾きにくい反面動かしづらいというジレンマを解消する。

• ヨーヨージャム・スピンファクターX
• ヨーヨージャム・レクストリーム
• シュトルム・パンツァー・NM9

材質による分類

ラバー

ゴムのリム。金属に比べて安価だが、密度が小さいので、内蔵での使用は「バズオン・ブレイズ」や「ダンカン・フリーハンド2」ぐらいしかない。

基本的に、手に当たったときや地面にぶつかったときの衝撃緩和を目的に、外付けで配置される。
この際、慣性モーメントを稼ぐ働きも若干期待される。

軟質ラバー

フチにゴムをつけることで、キャッチ時に手が痛くないようにする。

「シンウー・ザンナビ」など、初心者向け機種に採用される。
90年代末は、その他の機種にも盛んにラバーリムが用いられていたが、プレイヤーの使用状況から「なくても別に問題ないし、あったところで手に当たったら痛い」ということが判明し、次第に使われなくなっていった。

現在は、ボディの大部分がラバーである「ヘンリース・バイパー」しかない。

• ヘンリース・バイパー
• シンウー・ザンナビ
• ダンカン・スローモンキー
• ヨメガ・レブリム
• ヨメガ・エクソダス

硬質ラバー

硬いゴムまたは塩化ビニール。

軟質ラバーに比べ摩擦係数が少ないため、スリープロスが軽減され、グラインドトリックもやりやすい。
「ヨーヨージャム・アクエリアス」などのオフストリング機にかつては盛んに採用された。

現在は、総ポリカーボネイト製や総デルリン製が主流で、硬質ラバーリム機種は製造されていない。

• ヨーヨージャム・アクエリアス
• ヨーヨージャム・ゴービッグ
• ヨーヨーファクトリー・OFFSTRING
• ダンカン・フライングパンダ

金属

金属製のリム。
90年代末から2000年代にかけて、金属リム搭載機種がストリングトリック機のハイエンドを担った。

単に「金属リム」という場合、外付け金属リム・プラスティックボディのモデルを指す。
内蔵金属リム機種はプラスティック機種と同列に扱われることが多い。

2010年代のハイエンド機種は、金属製ボディとより密度の高い金属リムの組み合わせが採用されており、このようなモデルを「バイメタル」と呼ぶ。

アルミニウム

→アルミニウム

比重が小さいため、幅を広く取ることが多い。
「スピンファクター」や「スピンマスター2」では半径方向に広く取っていたが、「ヒットマン」「ダークマジック」のあたりで、軸方向に広く取ることでグラインドトリックをしやくする仕様へと変化した。

バイメタルにはほとんど使われない。リムの素材はボディより比重が大きくないと意味がないためである(アルミニウムより軽い実用金属は、マグネシウムしかない)。

• ヨーヨージャム・スピンファクター
• ヨーヨージャム・スピンマスター
• ヨーヨージャム・ヒットマン
• ヨーヨージャム・ハリケーンカマイタチ

真鍮

銅と亜鉛の合金。ヨーヨーではニッケルが配合されることが多い。
比重が大きく、安価であるため、ヨーヨージャムの中期以降、金属リムの材料として多用された。
さびやすく、手に金属臭がつくため、クロムなどでコーティングすることが多かったが、ヨーヨージャム後期のバイメタル機種では行われなくなった。

バイメタルでは、ステンレスと共によく使用される材質である。

• ヨーヨージャム・スーパースピンファクター
• ヨーヨージャム・スピーダー
• ヨーヨージャム・クレシア
• シュトルム・パンツァー・ステルスオーガMk-Ⅱ

ステンレス

→ステンレス

鉄を中心とした合金。非常に硬く、さびにくい。
比重も大きめだが、真鍮よりは小さい。

「スピンタスティクス・タイガーシャーク」は、ステンレスリムを内蔵していた。
外付けでは「ヨーヨージャム・ナイトムーブズ1」が初である。

バイメタルでは、「アルミニウムボディ・ステンレスリム」が定番の組み合わせとなっている。

• スピンタスティクス・タイガーシャーク
• ヨーヨージャム・ナイトムーブズ
• ヨーヨーリクリエーション・ドラウプニル
• シュトルム・パンツァー・シュナイダーMk-Ⅱ

チタン

→チタン

硬く、さびにくく、比重はアルミニウム以上ステンレス以下。

ボディとして使うにはちょうどいい重量だが、リムに使うには軽め。
「ヨーヨージャム・ナイトムーブズ3」に採用されたが、かなり渋いチョイスだった模様。

バイメタルではほとんど採用されない。
密度がアルミの1.7倍ほどしかない(鉄2.9倍、銅3.3倍)ためである。

• ヨーヨージャム・ナイトムーブズ3
• ヨーヨージャム・フェノム(チタンリムバージョン)

ヘヴィグラビティ

金属粉を混ぜ込んだ特殊なプラスティックを外部に配置したリム。

自由に形を整形でき、金属リムより安価に製造できる…
…はずだったのだが、金属価格の高騰などにより、金属リムと大差ない価格になってしまった。

• ヨーヨージャム・スピンファクターHG
• ヨーヨージャム・コッパーヘッド
• ヨーヨージャム・レリック

プラスチック

プラスチックリムが使われることもある。
性能への影響はわずかであり、微妙な重量調整用か、低価格帯用である。
性能への影響をほとんど考えない、純粋な装飾用のものもある。

特徴は、好きな色がつけられること。
蛍光色などの派手な色をつければ、とても鮮やかな見た目になり、ステージ映えがする。
このようなモデルはブラックライト下で光るため、ステージパフォーマンスとしても最適。

ヨーヨーの大きさに合わせて自由に曲げられる、塩化ビニール製のリムも販売されている。

• ヨーヨーファクトリー・グラインドマシーン(2008)
• ヨメガ・パワースピングロウウイング
• ヨーヨージョーカー・ルミナス
• ヨメガ・マグネター

木

木製リムウェイトも存在する。
いちおう重量調整が可能なことを謳っているが、基本的には装飾用である。

• 44RPM・ブルース

関連動画

関連商品

関連項目

• ヨーヨー
• ヨーヨーの構造
• ボディ(ヨーヨー)