リリス(とある魔術の禁書目録)とは (ニュイマアサヌールヘカテサッポーイザベルリリスとは) [単語記事]

リリスとは、ライトノベル『新約とある魔術の禁書目録』に登場するキャラクターである。

モデルは史実のアレイスター＝クロウリーの第一子である愛娘「ニュイ＝マ＝アサヌール＝ヘカテ＝サッポー＝イザベル＝リリス＝クロウリー」。
英語表記は「Nuit Ma Ahathoor Hecate Sappho Jezebel Lilith Crowley」。

父はアレイスター、母はローズ、妹はローラ。

概要でしてよ！

アレイスター＝クロウリーとローズの間に生まれた子供。女性。

名前は「ニュイ＝マ＝アサヌール＝ヘカテ＝サッポー＝イザベル＝リリス」。
長ったらしいので後年の魔術研究者達からはシンプルに「リリス」と呼ばれている。

存在自体は旧7巻の時点で判明しており、「法の書」とアレイスターに絡めてリリスの名も語られていた。

エドワード＝アレクサンダー。またの名をクロウリー。今はイギリスの片田舎の墓の中で眠っている

一言で言えば、最悪の人間だったと記録されているね。ある魔術実験では守護天使エイワスと接触する器として共に世界旅行に出かけていた妻の体を旅先で使っているし、娘のリリスが死んだ時も顔色一つ変えずにmagickの理論講築を行っていたそうだ。しかも、その実験では娘と同い年ぐらいの少女達を犠牲にしていたらしい。
……一応、それらの功績として別世界───天界や魔界などと呼ばれる『層の異なる重なった界』の新定義を見出し、それまでの魔術様式を一新したんだがね

とある魔術の禁書目録７巻　ステイル=マグヌスの発言

少なくともリリスに関する情報だけは、実情と伝承が異なるかもしれない。

アレイスターが進めるプランはリリスの死が根底にある。
ミナ＝メイザースによると、ローズとリリスが居た時がアレイスターにとって最も幸福な時代だったらしい。

リリスの死

リリスは1904年に生誕し、数年後に若くしてこの世を去った（史実では生誕1904年、没年06年。享年2歳）。

死の原因は「位相同士の軋轢が生む運命」。
通常、魔術師が魔術を行使する際に「別位相に存在する異世界」に干渉するのだが、その偏りにより位相同士では衝突が起こる。位相の軋轢で生じた「火花・飛沫」こそがリリスを襲った悲運の正体である。

リリスの件に限らず「運命論」は人の預かり知らぬところで発生した「火花」の顕れ。個人が行使する魔術に大小の差はあれど、魔術の影響で生じた運命（悲劇）は世界中の人に押し寄せていた。

『黄金』時代、魔術師アラン＝ベネットから将来的に生まれる娘の死を予見されたアレイスターは、娘の死の運命を回避するために魔術の根絶を決意。尽力したが、その甲斐なくリリスは非業の死を遂げてしまう。

リリスの死は、世界最高峰の魔術師アレイスター＝クロウリーを科学へと奔らせた。

新約19巻

ある時、浜面仕上は薄汚い路地裏で自動車のトランクに納められていた赤ちゃんを発見した。正体不明の赤ちゃんの衣類（付属のタグ）には、「Lilith（リリス）」と英字で記載されていた。

アイテムメンバーに保護されたリリス。しかし、突如として高熱に見舞われる。
浜面はリリスを治すために病院に送り届けたが、プロセッサスーツ、つまり学園都市の書庫（統合データベース）にアクセス不可能な状況に陥っていた事が判明し、病院での治療すら難しくなってしまう。

書庫にアクセスできない理由を理解した浜面は、自身を追う指名手配犯「A・O・フランキスカ」と対峙したが、窮地に立たされる。その浜面を救ったのは、なんと赤ちゃんであるはずのリリスだった。

さあて、私は『戻って』きましてよ。誰の思惑があったとしても、これは私の人生ですわ。だから世界の決定に反してでも、くそったれの結末を覆して問答無用のハッピーエンドを掴んでやります。と代読中。
付け加えるなら……
あなたも気張りなさいな、お父さん!!
ベビーシッターに美味しい所を取られっ放しで終わりたくないのでしたら!!

エイワスがローズの体を介してアレイスターに「法の書」を口伝したのは1904年である。その頃、ローズは既にリリスを身籠っていた。
エイワスは死ぬ運命にあるリリスの構造・存在を前もって読み取り、「生命力」を位相に退避させていた。そしてエイワスの手によって「剥き出しの生命力」だけで現世に再誕する事になる。

アレイスターは位相の軋轢で生じた「火花・飛沫」による運命の偏りから全人類を解放する為に魔術の根絶に傾倒し、約一世紀も苦難の道のりを歩んだ。彼の行く先々には失敗が付き物だったが、どれほど失敗しても折れず幸せになる為の努力を愚直なまでに貫き通した。
そんなアレイスターが流した「血と汗と涙の重さ」に見合うだけの、エイワスからの祝福がリリスであった。

実体があるとはいえこの状態のリリスは「肉の器」というものを持たないらしい。そのため非常に不安定で、本編で熱に悩まされたのもそれが原因となっている。元々アレイスターがエイワスを現世に呼びつけ、リリスの「肉の器」を作れるようになるまでは現世に出さないつもりだったようだ。

エイワスが言うには霊的な格が高いらしく、術式に頼らずに「思念」だけでも超常現象を起こし、木工のベビーカーや自身の手足となる乳母などを使役している。

エイワスの庇護下にあった為か、実体(?)に反して精神はある程度成熟した女性で、ちゃんと言葉も話せるし知能も高い様子。典型的な「お嬢様口調」だが誰の影響かは不明。しかも代理で木造性乳母に喋らせているので、「と代読中」という妙な語尾がつく。

大悪魔コロンゾンに憑依された『ローラ』は妹にあたる。リリス自身もローラの事を「私の妹」と言っている。

父親との再会

新約19巻では父・アレイスターとの念願の再会が実現したのだが、

大人気がなさ過ぎでしてよクソ野郎！！何ですのその格好？
人がわざわざ奇跡の大復活を遂げて感動のご対面をしようって時にどうしてあなたが私以上に女の子女の子しているんですの！？
知らぬ間に性転換して下手すりゃ自分の娘よりかわゆく変貌した『父親』を私はどんな顔で迎え入れたら良いっていうのでして！？普通にしていれば無理なく泣きに繋がるこの場面を無理矢理笑いに変えるんじゃねえよまったくもおーっ！！　と代読中

とりあえず最初にぶん殴った。

「1世紀越しの親子の感動の再会の筈が、父親が下手をすれば自分よりも可愛い女になってた時の心境」なので彼女も責められないし、勿論タイミングが悪かったアレイスターも責められない。
反応に困る現実を前に、リリスに残されたのは初手全力殴打の一択しかなかったのだ。

アレイスターも復活した娘との接し方が分からず、会ってもろくに話そうとしなかったが、エイワスやミナ＝メイザースの言葉を受け取って「幸せから逃げること」をやめ、ようやく「父親」として彼女を腕の中で抱き抱える事ができた。