レイニー止めとは、コバルト文庫の少女小説『マリア様がみてる』シリーズから生じたファン用語であり、「次の展開が非常に気になるタイミングで物語が中断され、読者が次作発表までの間をヤキモキしながら過ごす状態」を指す言葉である。
小説『マリア様がみてる』シリーズの第十巻、『レイニーブルー』。それまで大小様々な出来事を経験しながら絆を深めていった薔薇姉妹達だが、この巻ではそんな彼女達に生じた一時的な不和が描かれ、物語はその不和が解消されないままに中断してしまう。これを受け、多くの読者が次巻『パラソルをさして』が発売されるまでの約3ヶ月間をヤキモキしながら過ごす事となる――果たして彼女達の不和は無事に解消されるのか、また元通りの絆を結べるのか、と。
登場人物達の絆や、物語の展開を心配する長い長い3ヶ月間は、読者に多くの苦痛と煩悶を与えた。そして、この苦痛の状態を指す用語が生まれた。それが「レイニー止め」である。
だが、「レイニー止め」とは単に「読者に苦痛を与える」だけの行為ではない。穏やかな日常を送る登場人物達に生じた不協和音に煩悶し、その解決を心から待ち望む事を経て、読者が『パラソルをさして』以降の物語をより楽しめるというカタルシス効果こそが「レイニー止め」の本質なのである。待つ間は苦しくとも、その期間を経たからこそ得られたものは大きい、という時間と結果があってこその言葉とも言えるだろう。
ただし、この現象は作者や出版社が意図したものではなく、また『レイニーブルー』『パラソルをさして』が発売された2002年当時に『マリみて』を読んでいたファンでなければ、本来は体験出来ない現象でもある。
当初は『マリみて』を中心とした百合ファン以外で使われる事は殆どない用語だったのだが、徐々に一般化したらしく、百合作品以外に使われる場合もあるようだ。
また、最近では古参ファンや製作側が、「意図的に」そういった状態にファンを仕向ける事も含まれる模様。
ニコニコ動画においては、ストーリー系の連載動画がうp主や編集上の都合によって、不安定な部分で区切られてしまった際につけられる場合がある。ただし、上記にもあるように「レイニー止め」は時間と結果ありきの言葉であり、更に動画連載はあくまでうp主の意思に委ねられた水物でもある。
「レイニー止め」タグは動画説明文等を読み、前後の状況を考慮して慎重につけるべきだろう。
急上昇ワード改
最終更新:2024/03/29(金) 01:00
最終更新:2024/03/29(金) 01:00
ウォッチリストに追加しました!
すでにウォッチリストに
入っています。
追加に失敗しました。
ほめた!
ほめるを取消しました。
ほめるに失敗しました。
ほめるの取消しに失敗しました。