レッツゴージャスティーン!とは、逆転フラグである。
格闘ゲームの動画で時々見る事がある台詞。
元はストリートファイターIIIの日米大会準決勝において、著名な日本人プレイヤーウメハラ氏と、米ジャスティン・ウォン氏の対戦で生まれた。多分実況の人(海外の方)の台詞である。
この対戦においてウメハラ氏(ケン)はライフが残り1ドットと言う状況に陥り、
弱攻撃一発はおろか、「必殺技をガードした時点で削りダメージで死ぬ」と言う状況だった。
そこでジャスティン氏(春麗)は、トドメとばかりに連続攻撃系のスーパーアーツ鳳翼扇を放ち、一気に削りで勝負を決めようとする。それを見た実況が叫んだのが「レッツゴージャスティーン!」(意味合いとしては「行け、ジャスティン!」くらいか)
しかし、これを読んでいたウメハラ氏、鳳翼扇を全段ブロッキングして防ぎ切り、
さらにスーパーアーツである疾風迅雷脚を絡めたコンボを叩き込み、劇的な逆転勝利を収めたのである。
ブロッキングとはストIIIの特殊ガードであり、敵の攻撃に併せてレバーを前に入れる事で「削りダメージを無効化」「ガードから即反撃出来る」という特殊な防御システムである。
しかしブロッキングは「レバーを前に入れる」という操作で発動するため、ガードを解かなければブロッキングをすることは出来ない。また「一度ブロッキングに失敗すると、連続してブロッキングを入力することは出来ない」という制約もある。
つまり、ブロッキングに失敗すると自らダメージを食らいにいくことになってしまう。
熟練プレイヤーであれば、鳳翼扇の初段をブロッキング成功してしまえば、残りの攻撃を全てブロッキングで受け流すことはさほど難しくない……
が、鳳翼扇は暗転後のブロッキング入力は間に合わないため、完全に先読みかつジャストタイミングでブロッキングを入力しておかなければならない。
(ジャスティン氏もそれを踏まえ、鳳翼扇を出すまでに「通常技やリープアタックを空振りする」「前後に細かく動いて間合い調節を狙っている(ように見せかける)」などのフェイントを混ぜ、相手を細かく揺さぶっておいてから、ぶっぱなしている)
この最高難度の読みと入力を「世界レベルの大会の準決勝」という緊張の中で、しかも「ほぼ負けが確定した」と思われる状況で「的確にブロッキングを決め、かつ最大反撃できっちり倒しきる」、さらに多数の外国人ギャラリーの注目が集まる中という大きなプレッシャーがかかる状況で、一度の失敗も許されないこの難局を打開した。後日、梅原はこのときの状況を「まぁ、盛り上がってよかったね、という感じかな」と語っている。この事実は、世界レベルで凄まじいインパクトを与え、ウメハラの名前を一躍世界に知らしめたのである。
なお「背水の逆転劇」という名称はあくまで通称であり、メディアアップロードサイト「pya!」において二次配布されたときに投稿者が「背水の逆転劇」と名付けて投稿し、この名が広まった。後の『Xmania7』のDVDインタビューで「背水の逆転劇」に対する質問に梅原は、ジャスティンの止めの「鳳翼扇」を「アレはミスみたいなもんだから」とコメントしている。
上記で説明した劇的な逆転劇を思い出させるような「見事なブロッキングで敵の攻撃を防ぐ」シーンにおいて、「レッツゴージャスティーン!」と言うコメントが付けられる事がある。
(特に連続攻撃を全てブロッキングで防いで反撃を叩き込んだりするとポイントが高い)
また、ブロッキングと似たような特殊ガードシステム(ジャストディフェンス。スラッシュバック)を持つゲームであると、この台詞が付けられる事がある。ついでにウメハラwwwといったコメも見る事が出来るだろう。
レッツゴージャスティーン!が生まれたシーン。劇的な逆転に会場は大興奮に包まれた。
のだが。
こっちがその試合も含む全試合内容。
試合内容もそうだが、良く見るとウメハラケンはレバーから手離してるっぽい(ケンの動きが停止し、奇妙なタイミングで観客が盛り上がっている)場面があったり……?
こうした事から「実は奇跡の大逆転などではなく、ウメハラ氏が緻密に計算した一種のエンターテイメントだった」という声もある。………アメリカまで行ってやってる日米大会なのに。
なお、一戦目でウメハラが操作するケンが行った「かかって来な!」という挑発っぽい行動は、
PA(パーソナルアクション)というシステムのひとつで、主に次の特定行動のパワーアップが行われる行動である(ケンの場合は「次に出す技の威力を底上げする」という効果)
しかし、モーションがまんま挑発(実際に挑発目的に使われることもあるが)なので、3rdをよく知らない動画視聴者には「挑発的なプレイ」と誤解されることが非常に多い。
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最終更新:2025/12/09(火) 23:00
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