レーヴディソールとは (レーヴディソールとは) [単語記事]

レーヴディソールとは、日本の元競走馬・繁殖牝馬である。
馬名はフランス語で「飛翔の夢」。

「悪夢」に喘ぐ一族

さて、この馬を語る前には母レーヴドスカー（オスカーの夢）の産駒について語らざるを得ない。
この母、繁殖牝馬としては間違いなく優秀の一語である。しかしながら、とにかく体質が弱すぎてどうにもならないのである。

・初仔はデビュー前に病死
・レーヴダムール（愛の夢、父ファルブラヴ）は優れた資質を見せながら骨折療養中に病死
・アプレザンレーヴ（夢の後、父シンボリクリスエス）も故障で早期引退
・レーヴドリアン（東洋の夢）も病死
・ナイアガラは長く現役は続けられたが、故障で3歳と4歳をまるごと棒に振ることに

見ただけでもうわあ…となるであろう。それを踏まえて彼女の競走馬生をご覧頂きたい。

黒ニーソの勝気なお嬢様

父アグネスタキオン、母レーヴドスカー、母の父 Highest Honorという血統。字面だけ見ると素晴らしい血統なのだが、
アグネスタキオンといえば、優れた競走能力は受け継がせるが、タキオンタイマーと揶揄される程の脆い脚に悩まされるのが宿痾であり
母レーヴドスカーの産駒は上記の通り早死連発でやっぱり脚元に難があるという血統であった。

デビュー戦は後の重賞馬ノーザンリバーを本当に一瞬で差し切り快勝。脚元を考慮してか一ヶ月開けて臨んだデイリー杯2歳ステークスでは外をぶん回し後の朝日杯馬グランプリボスらを撃破。
圧倒的人気を背負い臨んだ阪神ジュベナイルフィリーズでは人気に応えスローペースを切り裂き快勝。
牝馬クラシックはこの馬が全てかっさらう！そのくらいの評価を下される存在となった。
ちなみにこの年のジュベナイルフィリーズは、2着ホエールキャプチャ3着ライステラスも芦毛で芦毛による1着2着3着独占という珍事が起こっていた。

翌年、チューリップ賞を楽勝。いざクラシック！ダービー出走もあり得る！夢が広がるな！…しかし彼女にクラシックで実力を発揮する機会は訪れなかった。
右前脚骨折で全治半年。血の宿痾からは逃れられなかったということであろうか。骨折を癒し 11月のエリザベス女王杯から復帰したが
全盛期の空を飛ぶかのような跳びの大きい雄大なフォームは完全に影を潜め、11着惨敗。年末の愛知杯も完敗。牝馬三冠どころかダービーすら狙えると言われた逸材の面影は欠片もなくなっていた。
その後、金杯から復帰予定であったが右後脚の腫れで出走取消、その後また右前脚に骨折を発症し結局引退。繁殖入りとなった。
本当にガンガン追ったのは新馬戦の中舘くらいで、デイリー杯以降の主戦福永は壊さないようそっとそっと追っていた。それでもやっちゃうんだから、体質の弱さというものは本当にいかんともしがたい。
繁殖牝馬としての産駒に期待がかかるところではあるが、致命的に脆い脚のせいで結果を出すのはなかなか難しいかもしれない。