ロシア連邦軍 単語


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ロシアレンポウグン

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ロシア連邦軍とは、ロシア連邦の軍事組織である。装備や組織の大部分(勿論、核兵器も含む)はソ連崩壊後に旧ソビエト連邦軍から継承しており、規模だけなら世界有数の軍隊である。
90年代はソ連崩壊の影響をもろに受け、瀕死の状態まで追い込まれていたが原油高騰による好景気で幾分かは持ち直してきている。

概要

総兵力は2009年当時で約102万人(この他に準軍事組織として約44万人の兵力が存在する)。
最高指揮官は各国の軍隊同様、大統領であるが軍を統括しているのはロシア国防省である。
現在は陸軍、海軍、空軍の3つの軍種と空挺軍、戦略ロケット軍、宇宙軍の3つの独立兵科を傘下に持つ。

国防予算は年々増加しており、1999年当時で950億ルーブル(約40億ドル)だった予算は10年後の2008年には約9600億ルーブル(約400億ドル)と約10倍に達している。
但し、これでも慢性的な予算不足に悩まされているようである(後述)。

兵器の特徴

ロシア連邦軍の兵器は、専らソ連時代の兵器をそのまま使用している。

ソ連時代の兵器は、第二次大戦の教訓から劣悪な環境の戦場でも確実に運用出来る兵器を是とされてきた。
更に、共産圏の東側の盟主としてワルシャワ条約加盟国や技術力に劣る発展途上国への譲渡、輸出も前提とされ、運用に高度な技術が必要とされない兵器が必要とされた。
故に、ハイテク技術満載のスーパーウェポンではなく、堅実で信頼性の高い技術を用いた兵器が多く開発された。

代表例

  • AK-47
    カラシニコフ技術中将が開発した東側を代表する信頼性の高さで有名な突撃銃
  • Su-27等の戦闘機のエンジン
    寿命は短いがその代わりエンジン自体を載せ換えることで複雑な修理が不要
  • 今時真空管かよm9
    世界中で長く使用された技術は信頼性が高いため、あえてそれを採用した

その一方で地対空ミサイルに関してはソ連時代から世界トップクラスの性能を誇り、特にS-300やS-400は世界中によく売れている。

2022年2月にロシア軍がウクライナに侵攻した際、ソ連時代に開発されたウクライナ軍のS-300地対空ミサイルがロシア空軍のSu-30SMやSu-25など多くの現役戦闘機やヘリを撃墜するという成果を上げ、その性能を世界に知らしめた。

進行中の改革諸々

旧ソビエト連邦軍は冷戦時代には約530万人の大兵力を誇り、米軍に唯一対抗できる軍隊として名を馳せていた。だが、ソ連崩壊後は経済不況や政治的混乱による予算不足、軍規の著しい乱れにより弱体化の一途をたどり、第一次チェチェン紛争では軍の弱体化の様を世界に露呈(上層部の判断ミスにより特殊部隊であるスペツナズが敵に降伏したり、陸空軍のお粗末過ぎる連携不足等)する結果となった。
その後の悲惨すぎるロシア連邦軍の現状は語るのが辛くなるほどのもので最早、崩壊寸前にまで追い込まれていた。

その後、奇跡的な復活を遂げたロシア連邦軍であったが、肥大化し時代にそぐわなくなった組織をスリム化するために現在も改革が行われている。
主な改革は次の通り。

  1. 「カデット」と呼ばれる強い愛国心を持った士官候補生を養成するための学校をロシア全土に建設。
  2. 軍事物資の調達を行う部門の民営化。
  3. 兵力自体を約80万人程度にまで削減し(但し、40~50万人まで削減するべきとの意見もある)、徴兵制から
    契約制への移行。         

上記3つの改革を主に行っているが、その成果はあまり芳しく無いらしい。

ちょっとアレな台所事情

90年代頃の最悪の状態からは脱しているものの、現状の規模からすれば予算は全く足りていない。
参考までに以下に国連常任理事国+日本の総兵力・国防予算を記載する。

国家名 総兵力(万人) 国防予算(ドル換算)
アメリカ 約142万人 約6610億ドル
イギリス 約18万人 約672億ドル
中国 約228万人 約779億ドル
フランス 約23万人 約496億ドル
ロシア 約102万人 約400億ドル
日本 約24万人 約463億ドル

※日本以外のデータは外務省ホームページの「各国・地域情勢」を参照

見れば一目瞭然であるが、自衛隊やフランスとほぼ同額の予算で両国の4倍の兵力を維持している事になっており同じように予算不足に悩んでいる自衛隊よりその内情が厳しい事が伺える。

実際に今でも予算の7割を占める人件費をろくに払えておらず、新規の装備取得(以前に比べば幾分かはまともになったが)も自衛隊以上に苦労しているらしい。

給料が滞って生活に困れば汚職が広まり定着してしまうのは世の常で、やっと増やすことができるようになった予算もどこかに消えてしまい、装備更新などが投じた金額のわりに進まない事から、それらの対策も同時に進められている。

また、この予算不足が徴兵制から契約制への移行の足かせ(契約制に移行すれば給与・待遇改善に現在の2倍の予算が必要)になっている。
最も徴兵制を維持しようにもロシアはソ連崩壊以降出生率が低下していて、将来的には徴兵適齢の人口が減少すると言われておりある種のジレンマになっている。

兵力比較表

ロシア連邦軍 自衛隊 アメリカ軍
総兵力 約90万人 約24万人
予備役 約200万人 約5万人
地上 約22.5万人 約15万人 約54万人
海軍 約15万人 約4.5万人 約32万人
空軍 約16.5万人 約4.7万人 約33万人
海兵隊 約3.5万人 約2000人 約20万人
戦車 約2800両 約700両 約2800両
主要艦艇 34隻 約50隻
空母
(ヘリ空母除外)
1隻 0隻 10隻
潜水艦 62隻 22隻
ミサイル原潜
戦略原潜
13隻 0隻 14隻
作戦機 1470機 420機 3500機
第4世代戦闘機 934機 300機
大陸間弾道ミサイル
(ICBM)
313基 0基 450基
  • 【資料】
    • ロシア外務省 基礎データ | 外務省 (平成30年)
    • 防衛省・自衛隊 | 令和2年版 防衛白書 | PDFの閲覧

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