ロード・エルメロイⅡ世の事件簿とは、三田誠による魔術ミステリー小説である。2017年12月現在で既刊6巻。冬のコミックマーケットで7巻が販売される。
概要
TYPE-MOON世界を舞台に、多数のFate関連作で脇を固めているロード・エルメロイⅡ世を主役とした魔術ミステリー作品。
発行元はTYPE-MOON BOOKS。
魔術の総本山のひとつである時計塔の優秀な講師であるロード・エルメロイⅡ世が巻き込まれることになった事件を描いている。作品上の時間軸は第五次聖杯戦争前となっており、年代的には2000年代前半が舞台と予想される。
型月作品では魔術師の総本山として何度も名前が挙がっていながらその内部の詳細は不明だった【時計塔】関連に大きく踏み込んだ作品でもあるため、これまで登場してきた型月キャラの意外な真実が明かされたり、再評価が進むこともある。
また、3巻巻末の成田良悟の解説によると「エルメロイⅡ世の事件簿はステイナイト本編と完全に同じ世界ね」と奈須きのこが発言したとされ、いつ前言撤回されるかわからないが、完全にFate世界の正史に組み込まれる作品となった。
登場人物
- ロード・エルメロイⅡ世
- 本作の主人公。本名はウェイバー・ベルベット。ある事情によりかつての師の名前を受け継いで、義妹が正式に家督を引き継ぐまでの代理となっている。
- 時計塔で12人しかいない君主(ロード)の一人だが、本人の魔術の腕前は並以下。ただし、講師としての指導力は群を抜いており、教え子には優秀な人材がそろっている。もっとも、本人は講師としての能力よりも魔術師としての能力がほしいと常々漏らしている。
- 物事を観察し、その本質を見抜くことに長けている。また、魔術に関する知識は広範囲にわたって、深く持っており、これらがより合わさって優秀な指導力につながっている。
- 魔術師でありつつ現代機器にも理解があり、頑固な守旧派でもないため、多数の作品で魔術協会と主人公たちのつなぎ役となってきたが今作でとうとう主役に抜擢された。
- グレイ
- 常に灰色のフードで顔を隠しているエルメロイⅡ世の内弟子の少女。本作のヒロインでワトソン役で戦闘担当。一人称は「拙(せつ)」。そしてセイバー顔。
- 前職は田舎の霊園の墓守。だが本人は幽霊のことを心の底から怖がっているというなんともミスマッチな仕事だった。
- 現在はエルメロイⅡ世の弟子としてロンドンに暮らして、彼の日常生活の世話をしており、彼が厄介な事件に巻き込まれる時には護衛としての役割も果たしている。
-
フードの中には『檻』に入った喋る直方体の魔術礼装「アッド」を持つ。
- グリムリーパー
- グレイが戦闘時に使用するアッドの封印の第一段階を解いた姿。形状や能力は死神の鎌そのものであり、周囲の魔力や霊体を喰らって自らの力とする能力を持つ。持ち主であるグレイの身体強化も行う。
- グレイが好んで使うのは鎌の形状だが、封印解除の応用により大盾や大槌などにも変形することが可能なマルチウェポンである。
-
- 最果てにて輝ける槍(ロンゴミニアド)
- グリムリーパーが一定以上の魔力を喰らった後に解放可能な真の姿。
- アーサー王が使用した伝説の槍であり、現代にまで伝えられた宝具。本来の威力のごく一部しか引き出せていないが、それでも現代の魔術をはるかにしのぐ神秘を持つ。
- 5巻ではさらにこの状態にも封印が施されている事が判明した。
- ライネス・エルメロイ・アーチゾルデ
- エルメロイⅡ世の義妹にして、彼にエルメロイの名前と厄介な仕事を押し付けた張本人。義兄をいじめるのが楽しくて仕方ない愉悦系女子。
- 水銀で形作ったメイドのトリムマウを常に従えており、いつも義理の兄に厄介な案件を持ち込んでくる。
ゲストキャラ
本作では他の型月作品のキャラクターが登場し、TYPE-MOON世界の深みを増す役割を果たしている。
- ルヴィアゼリッタ・エーデルフェルト
- 1巻「剥離城アドラ」のゲスト。元作品:『Fate』シリーズ
- Fateヒロインの一人遠坂凛のライバル。金髪縦ロールのお嬢様で、宝石魔術を得意とする。
- 「アドラ」の事件でエルメロイⅡ世と共に絶体絶命の危機に陥り、場の流れでエルメロイⅡ世に身を任せてしまったため、それ以降彼に責任を取らせようとしている。「イゼルマ」のラストにも少しだけ登場する。
- 蒼崎橙子
- 2・3巻「双貌塔イゼルマ」のゲスト。元作品:『空の境界』『魔法使いの夜』
- 魔術師として最高階位の「冠位」と、正式な色は不明だが赤系統の「色」の称号を持つ型月作品の中でも屈指の魔術師。封印指定されていたこともあるが、本作品の中ではそれは解除されている。
- 「イゼルマ」では名門の魔術師の客分になっており、エルメロイ教室の若き英才たちを手玉に取っている。
- オルガマリー・アースミレイト・アニムスフィア
- 4・5巻「魔眼蒐集列車」のゲスト。元作品:『Fate/Grand Order』
- 時計塔12学科の一つ「天体科」の君主(ロード)であるマリスビリー・アニムスフィアの娘。
- 虹の魔眼が出品されるという情報を得て、魔眼のオークションが行われる魔眼蒐集列車に乗り込む。
- 『FGO』では数年前にロードの座を父から継いだとされているが、『事件簿』の時点ではまだ11歳で父親も健在なため、アニムスフィア家は継いではいない。
- ちなみに『事件簿』と『FGO』は別の世界線のため、『事件簿』のオルガマリーが『FGO』の事態に直面する事はおそらくない。
- ズェピア・エルトラム・アトラシア
- 6・7巻「アトラスの契約」のゲスト。元作品『MELTY BLOOD』
- 「時計塔」「彷徨海」に続く第三の魔術の総本山「アトラス院」の院長。『MELTY BLOOD』ではタタリ、ワラキアの夜と呼ばれていた。その時の死徒となる前の名前はズェピア・エルトラム・オベローン。
- 『月姫』世界と別たれた『Fate』世界では死徒となっているのは同じでも、『死徒二十七祖』のワラキアの夜とはならず、アトラス院の院長のままである。
- 演算する事によって並行世界をある程度知覚しており、自らが死徒二十七祖となる世界の事も知っている。
コミカライズ
『ヤングエース』2017年11月号よりコミカライズ連載が始まった。ネーム構成:TENGEN 漫画:東冬
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関連項目
- ロード・エルメロイⅡ世
- Fate/stay night
- Fate/Zero
- TYPE-MOON関連の一覧
- 小説作品一覧
- 三田誠