ローレシアの王子とは (ローレシアノオウジとは) [単語記事]

ローレシアの王子とは、「ドラゴンクエストII 悪霊の神々」の主人公であり、また勇者ロトの血を引く子孫である。

概要

姉妹国「ムーンブルク」がハーゴン軍によって滅ぼされたという知らせを受けたローレシア王の命令により、単身ハーゴン討伐に向かった勇敢な王子。

一人息子の王子であるにも関わらず護衛の兵士すらなく、父親（ローレシア王）からは銅の剣と50ゴールドしか貰えず、なぜかローレシア宿屋の亭主からは旅の人扱いされ、さらに金の鍵入手後は自分の城の宝物庫に盗みに入る（番兵はちゃんと王子扱いしてくれる）など、色々と突っ込みどころが多い。

特徴的なメットとゴーグルは前作の数百年後という時代設定を反映しての事。メットの中の髪型はゲーム中では不明だが、ファンの間では黒髪のイメージが強いようだ。実際の所は、SFC版ドラゴンクエストⅠ・Ⅱの公式攻略本やドラゴンクエストモンスターズ＋では黒髪であったり、モンスターバトルロードでは銀髪であったりと作品・媒体によって設定が異なる。
なお、ファミリーコンピュータとスーパーファミコンでは服装も若干アレンジされており、黒のアンダースーツ、胸ポケットの廃止など部分的に細かい。そしてメットをかぶっているためサマルトリア、ムーンブルクの二人の髪色が変わったのに対してやはりこちらが変化したかは不明。

HD-2D版での声優は内田雄馬。ドラゴンクエストシリーズでは「ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて S」でドテゴロ役を務めている。
ドラクエ主人公の伝統に則り台詞がないが他の仲間に台詞が追加され、サマルの王子・王女が良く喋り、ムーンの王女が物語を進行していく都合上、相対的に見て口数の少ない男になっている。

いつものようにローレシア城下町を巡回し、兵士長と剣の訓練をしていたところに傷ついたムーンブルクの兵士が来る。ムーンブルクが魔物に襲われたことを知らされ、ローレシア王にサマルトリアに報告した上でムーンブルクの様子を見てくるようにと命じられる。この際に「お前の助けになるだろう」と言っておうじょのあいをお守りとして渡してくるようになった。また旅立つときにもらえるお金は200ゴールドに変更された。

名前について

名前に特定の設定はなく、どんな名前にするかはプレイヤーの自由だが、小説およびドラマCDで設定された名前は「アレン」、漫画『ドラゴンクエストモンスターズ+』では「ロラン」、Wii移植版のDQ2では便宜上のデフォルトネーム（説明書などに使われる）として「ロラン」が採用されている。DQ1＆2HD-2Dでもロランがデフォルトネームとなっている。

だが最も有名な彼の名前は、やはり「もょもと」だろう。詳しくは関連項目を参照。

性能

HPや力が高く、全ての武器・防具が装備可能（MSX版DQ2に存在する「あぶないみずぎ」を除く）であり、攻撃力は抜群だが、呪文は一切使えないという打撃専用の戦士に成長するので、「攻撃」もしくは「力の盾orやくそう」という狭い選択肢になることが多い。さらにサマルトリアの王子とムーンブルクの王女は装備品の攻撃力も低く設定されているため、打撃攻撃専用要員としての役割に拍車をかけている。

何をしようが全く魔法も特技も使えないキャラはシリーズ全体でもかなり珍しく、他にはライアンくらいしか例がない。勇者の血を引く主人公に限れば、文字通り他に類を見ない存在である。

特にシリーズ最難関との呼び声も高いFC版DQ2での活躍は印象深く、ロト装備に身を包んでいても例に漏れずすぐ死ぬ難易度の中でも、もょもとやはかぶさの剣といった超強力な裏技や（シリーズで唯一守備力が255と控えめな）はぐれメタルに素で2桁のダメージを叩きだせる圧倒的な攻撃力で理不尽とも言えるゲーム展開を強引に斬り開いていく姿は、ある意味他のシリーズの主人公とは一線を画す存在感を放っている。

DQ1＆2HD-2Dでは特技を覚えるためMPが追加された。
通常攻撃しかできないが滅茶苦茶強いというこれまでの性能を現代に落とし込み、（勇者なのに）呪文が全く使えないことが言及され、習得する特技に関しても呪文的性質を持たないものばかりとなっている。
特技は「〇〇斬り」系列の特定の種類の敵に有効な剣技が多く、異なる効果の超絶技に派生する。
また、今までと異なり、杖、ローブ、マントなど魔法っぽいものに装備不可能な装備品がそこそこある。

ステータスが非常に高くただ殴るだけで他3人の全力の呪文や特技の倍近い威力が出る一方で、戦略的に見てもかなり不器用であり、範囲攻撃が苦手な他、補助や回復などはごくごく一部しかできない。
象徴的なのが最初に習得する特技があろうことか「石つぶて」であることで、魔法と範囲攻撃が苦手なのが良く解る。

このため、戦闘時はたたかうや特技でひたすら攻撃することになり、戦略という点では他3人の動かし方が重要になってくる。が、それ以前に居てくれないとまともな戦略が立てられない重要な立ち位置にいる。
ボス戦では他三人を補助に回してメイン火力兼盾として戦い、雑魚戦では危険そうな敵をピンポイントで潰していく形になる。いざとなれば「におうだち」で仲間を守ることも可能。

ドラゴンクエストモンスターズ＋において

漫画「ドラゴンクエストモンスターズ+」において2はクリア後の設定で描かれる。
ローレシアの王子は上記の点が強調されており、武器と己の肉体だけで破壊神シドーを撃破した事から『破壊神を破壊した男』と呼ばれ、周囲の人間からは化け物扱いされてしまう。

王位を捨てて逃げ出した王子は未来の世界に召喚され、自国の行く末を知って愕然とする。そして、復活したバズズに対して笑みをこぼしながら「殺し合おうか」と言い放ち、戦いを挑むのだが…

「どうしてその程度なんだ　どうして僕を他の人間のように殺せない!?」

「僕は人間じゃないってのか　お前達以上の化け物なのか!?」

バズズの怨念に唆されながらも、世界を救った英雄を一転して厄介者扱いする人々、戦う以外の道を見つけられなかった王子など、人を超えた力を手にしてしまった者としての暗部が描かれている。

またそんな彼でも旅の途中で何度も死んでは蘇らせられたほどの苦難を経た経緯が描かれたり、変わらず彼を大切に思う仲間たちの存在が描かれたりと、エニックスでは珍しく、公式の後日談としては原作の魅力を損なわない作品となっている。

破壊の風を二度起こす斬撃を放つかっこいいサマルトリアの王子も登場するので興味のある人は是非。

外部リンク

ローレシアの王子（あなた）| CHARACTER | ドラゴンクエストI＆II | SQUARE ENIX

ドラゴンクエストII 悪霊の神々
キャラクター		ローレシアの王子　/　サマルトリアの王子　/　ムーンブルクの王女サマルトリアの王女　/　竜王のひ孫　/　ルビスデルコンダル王
地名	城・町・村	ローレシア　/　リリザ　/　サマルトリア　/　ムーンペタ　/　ムーンブルクルプガナ　/　ラダトーム　/　ベラヌール　/　デルコンダルザハン　/　ペルポイ　/　テパ
	ダンジョン	勇者の泉の洞窟　/　湖の洞窟　/　ローラの門　/　風の塔　/　ドラゴンの角沼地の洞窟　/　竜王の城　/　大灯台　/　満月の塔海底の洞窟　/　ロンダルキアへの洞窟　/　ハーゴンの神殿
	その他	世界樹　/　ロンダルキア
ネタ系		ぎょえーーっっ！！　/　トンヌラ　/　はかぶさの剣ぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺ...　/　もょもと
モンスター		アトラス　/　バズズ　/　ベリアル　/　ハーゴン
ラスボス		シドー