ヴィジランテ-僕のヒーローアカデミア ILLEGALS-とは (ヴィジランテボクノヒーローアカデミアイリーガルズとは) [単語記事]

ヴィジランテ-僕のヒーローアカデミア ILLEGALS-とは、「少年ジャンプ+」で連載していた漫画『僕のヒーローアカデミア』の古橋秀之（脚本）、別天荒人（作画）によるスピンオフ作品である。

概要

週刊少年ジャンプで連載されていた堀越耕平による「僕のヒーローアカデミア」のスピンオフ作品。公的に認可されたヒーローたちを描く本編に対し、免許を持たず非合法に活動する自警団＝ヴィジランテを題材としている作品である。

2016年に『ジャンプGIGA』vol.2で序章にあたる第0話が掲載。vol.3より連載が開始したが、ジャンプGIGAが同年のvol.4を最後に終了。これに伴い一時休載となるが、2016年12月より『少年ジャンプ+』に移籍。当初は毎月中旬に連載となっていたが、2017年8月より隔週土曜更新となり、2022年5月に完結。単行本も全15巻が刊行されている。

舞台はヒロアカ本編で描かれた物語から数年前の日本となり、人々に認められ活躍する<ヒーロー>の裏側で、誰にも認められずとも誰かを救わずにはいられない非合法ヒーロー《ヴィジランテ》たちのドラマが繰り広げられる。グレーゾーンの中でヒーロー活動を行うどこか庶民的な主人公達の活躍とともに、「ヒーローとは？」あるいは「自分らしさとは？」といった素朴な問いが、本作の大きなテーマとなっている。

本編と同じくアメコミをリスペクトした要素が所々に見られ、本編がMARVELコミックス系列の作品に多い明るい作風であるのに対し、こちらはDCコミック系列の様などこかリアリティのある世界観をイメージした作風となっている。「教師になる前の相澤先生」や「オールマイトと知り合ったばかりの塚内警部」が描かれるなど本編の前日譚という側面も持つ。

物語は“ヒロアカ”スピンオフとしてももちろん、漫画『ヴィジランテ』として高い支持を集め、さらに国内だけでなく海外でも多くのファンを獲得。2024年12月にはテレビアニメ化が発表される。

あらすじ

ヒーローとは何か？

「強力な個性」？「プロ資格」？
そんなものは真の正義とは関係ない。

成すべきときに行動をおこせるか、否か
ヒーローに問われるのはそれだけだ

法に依らず、自発的に"治安行動"をおこなう者たち
これは無許可の非合法ヒーロー"ヴィジランテ"の物語。

登場人物

主要人物（ヴィジランテ）

灰廻航一（はいまわりこういち） / 親切マン→ザ・クロウラー: 本作の主人公。通称「コーイチ」。仁波大学の１年生。冴えない個性を持ち、冴えない大学生活を送るアルバイト青年。かつてはヒーローを目指していたが、あるトラブルでヒーロー科高校の入試を受けることができず、そのまま普通の大学生となった。夜になるとストレス解消のために、オールマイトグッズのパーカーに、口元を覆う黒いマスクを着けて「親切マン」に扮し、困っている人を“個性”を非合法に使い助ける。
“個性”：滑走: 「三点以上の接地」を発動条件とし、地面の上を滑るように移動することができる。
羽根山和歩（はねやまかずほ） / ポップ☆ステップ: 本作のヒロイン。非合法にゲリラライブを行い、アイドルとして活動する女子中学生。ただし歌やダンスが特別上手い訳ではなく、市民の大半からは尻の印象しか覚えられていない。普段は地味な格好のメガネ女子。実はとある出来事がキッカケで本編以前からコーイチの事を知っている。
“個性”：跳躍: 足場を蹴り上げることで高く飛ぶことができる。
雄黒巌（おぐろいわお） / ナックルダスター: 掃除屋を自称する筋肉質な中年の男性。コーイチからは「師匠」と呼ばれる。目的の為なら誰彼構わず殴り飛ばそうとする悪癖があり、鳴羽田の不良や裏界隈では「怪人ゲンコツジジイ」などと恐れられている危険人物。脳筋に見えてその実かなりの合理主義者であり、計算高い一面もある。

協力者

佐間津一目（さまづいちもく）: 私立卍塾学園中等部。リーゼントにバイザー状のサングラスをつけた不良のような格好をしている。コーイチに目撃情報を教え協力する。
“個性”：眼からビーム
浪丸十兵衛（なみまるじゅうべえ）: 私立卍塾学園中等部で佐間津の相棒。髭の生えた厳つい小男で、学帽をぺたんこにして被った不良のような格好をしている。
“個性”：手から木刀
塚内真（つかうちまこと）: コーイチの大学の先輩で、塚内直正警部の妹。21歳。通称「マコト」。明るく社交的で行動力に溢れており、キャプテン・セレブリティのマネージャーや、ホップ達ローカルアイドルのプロデュースを務めている。ヒーローと敵についての社会学的考察を研究テーマとしている。
“個性”：嘘発見器（ポリグラフ）: 身体的接触（手を握るなど）している相手の発言の真偽を判定する。

警察

塚内直正（つかうちなおまさ）: ヒロアカ本編でも登場。当初はオールマイトとは無関係だったが、刑事仲間の田沼の手引きでこれまで田沼が抱えていたオールマイトのヒーロー活動報告書作成などの仕事を受け持つようになる。ヴィジランテに対しては「私刑行為であり、犯罪だ」と辛辣なスタンスを取っている。
田沼栄三: 塚内直正の先輩であり上司。階級は警部。オールマイトの秘密を知っており、塚内とオールマイトを引き合わせた張本人。身なりはだらしないが、刑事としての勘は鋭い。
“個性”：健脚
蟹屋敷モニカ（かにやしきもにか）: 大阪府警の潜入捜査官。通称「カニ子」。自称「美少女捜査官」。大阪で出回っている危険性の高いトリガーの流通経路と証拠品を確保するため、その販路の一つと思われる企業で活動している。
“個性”：ハサミ: 指や脚で挟めるものなら大体切断できる。

プロヒーロー

キャプテン・セレブリティ / クリストファー・スカイライン: ヒーローの本場であるアメリカで活動する、メジャー級ヒーロー。いわゆる劇場型スタイルで、自らの活動を派手に演出するためにたとえヴィランが暴れていてもマスコミの到着や要救助者の発生が確認されるまでは動かない。故に訴訟やスキャンダルは数知れず、「キャプテン・"お騒がせ"セレブリティ」と呼ばれ、母国で活動しづらくなっている。
“個性”：飛行: 空を飛ぶ"個性"。「エアロダイナミックフィールド」と呼ばれる特殊な力場で覆い、それを推進力にして飛行する。