三越

三越とは、株式会社三越伊勢丹が運営している日本の百貨店チェーンである。

概要

1673年に三井高利が開業した呉服店「越後屋」に始まる、日本有数の老舗百貨店。

呉服店として当時画期的であった「正札販売」（客の顔を見てその場で値段を変えず、正しい値段の値札を商品につけて販売を行う形式）を世界で初めて行い、江戸の庶民に呉服を広く普及させた。
また、現金による店頭販売、反物の切り売りなども行い、越後屋を広く響かせた。
1683年に大火により焼失した本店を再建する際に現在も本店を置く駿河町（現在の日本橋室町）に移転し、その際に両替店も併設。この両替店を皮切りに多角経営を行うようになった三井家は後に三井財閥・三井グループを形成し、三菱・住友・安田と並ぶ巨大企業グループへと成長した。
三越は三井の創業事業を継承する形で独立した企業である。三越のシンボルマークが「三」ではなく「越」なのは越後屋時代から使用されていたものであることに起因する。

1904年には日本で初めて「デパートメントストア宣言」を行い、呉服店から百貨店に転換。店舗にエレベーターやエスカレーターを導入、配達用自動車の導入、電話での注文受付の導入、日本橋本店に連結する三越前駅の開設など他店に先駆けて革新的なサービスの導入を行ってきた。

1970年にはテレビショッピングを日本に初めて持ち込んだ「東京ホームジョッキー」（後の「レディス4」）の放送開始、1971年には銀座三越にマクドナルド日本1号店をオープンさせるなど、テレビショッピングやファストフードの日本での勃興にも大きな影響を与えた。

同業他社に比べると客層の年齢層が高く、いわゆる富裕層が多く占め、外商部門に強みを持つのが特徴。

1980年頃にお家騒動とペルシャ秘宝展（偽物展示で信頼を大きく失墜してしまい、後に高島屋の後塵を拝することになったきっかけ）で大きく地位を落としてしまう。ここから支店や地方子会社の雲行きも怪しくなる。

近年は経営が芳しいとは言える状況ではなく、伊勢丹との経営統合や新宿・池袋・横浜・大阪・神戸・鹿児島などの支店を閉店して店舗網を縮小するなどして経営再建を行っている。また、競合他社であった伊勢丹の力を借りることになってしまった（それが徒となったのがJR大阪伊勢丹三越→現ルクアイーレ大阪である）。

また、全国に展開していったが、富裕層をターゲットにした外商中心の経営戦略は苦戦を強いられ、結局地域一番店の座を勝ち取ったのは5番目に古い三越店舗である高松店のみである（グループで考えるなら伊勢丹と三越がある新潟もそうだが）。

関連動画

関連項目

• デパート
• 三越前駅
• 新宿アルタ
• レディス4