不定時法

不定時法とは、近世以前に我が国で利用されていた時刻の表し方である。

概要

不定時法では午前と午後がそれぞれ六等分(各々約2時間で一刻)して表される。現代の定時法と比較するとおおよそ以下のようになる。

午前(真夜中～正午)

不定時法	定時法
暁九ツ	午前0時頃～午前2時頃
暁八ツ	午前2時頃～午前4時頃
暁七ツ	午前4時頃～午前6時頃
明六ツ	午前6時頃～午前8時頃
朝五ツ	午前8時頃～午前10時頃
朝四ツ	午前10時頃～午前12時頃

暁(あかつき)、明(あけ)、朝(あさ)で区分され、九から四までの数字で六等分されている。

午後(正午～真夜中)

不定時法	定時法
昼九ツ	正午頃～午後2時頃
昼八ツ	午後2時頃～午後4時頃
昼七ツ	午後4時頃～午後6時頃
暮六ツ	午後6時頃～午後8時頃
夜五ツ	午後8時頃～午後10時頃
夜四ツ	午後10時頃～午後12時頃

昼(ひる)、暮(くれ)、夜(よる)で区分され、暁～朝同様九から四までの数字で六等分されている。

季節による時差

季節によって昼と夜の長さは変化するため、不定時法では時刻も連動して変化する。

例えば、日の出が早く日の入りが遅い夏至の明六ツは午前5時頃、暮六ツは午後7時頃になるが、冬至では逆に日の出が遅く日の入りが早いため、明六ツは午前7時頃、暮六ツは午後5時頃になる。

つまり、夏至に近づくほど日中帯は長く、夜間帯は短くなる。反対に冬至に近づくほど日中帯は短くなり、夜間帯は長くなる。

従って、不定時法で時刻を考える際には一刻を2時間とするのはあくまで目安であり、実際には変動があることに注意しなければならない。

十二の刻

十二支を用いた呼び方は以下のとおり。

時	刻
暁九ツ	子
暁八ツ	丑
暁七ツ	寅
明六ツ	兎
朝五ツ	辰
朝四ツ	巳
昼九ツ	午
昼八ツ	未
昼七ツ	申
暮六ツ	酉
夜五ツ	戌
夜四ツ	亥

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関連項目

• 江戸時代

関連リンク

• 江戸の時刻制度“不定時法”：お江戸の科学