世界耐久選手権 単語

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世界耐久選手権とは、

  1. FIA国際自動車連盟)が1981~1985年催した、ル・マン24時間レースを含むグループC規格のマシンによる耐久レース世界選手権。後にWSPC世界スポーツプロトタイプカー選手権)、SWCスポーツカー世界選手権)と名を変え、1992年まで続いた。
  2. FIAおよびACO(フランス西部自動車クラブ2012年より催する、ル・マン24時間レースを中心としたプロトタイプスポーツカーGTカーによる耐久レース世界選手権。通称WEC
  3. FIM(国際モーターサイクリズム連盟)が1980年より催する、バイクによるロードコースによる耐久レースの選手権。(→FIM世界耐久選手権

本記事では2について扱う。なお、2は「ル・マンシリーズ」という呼び方が俗にされることがあるが、これは後述のELMS(ヨーロピアン・ル・マンシリーズ)の前身の正式名称なので誤りである。

概要

これまで、ACOが中心に開催していたインター・コンチネンタルルマンカップ(ILMC)を発展させ、FIAとの共同開催として企画された選手権である。

6月に行われるル・マン24時間レースを中心に、世界8カ6時間以上のクラス混走の耐久レースが開催される。

大まかなレギュレーション

規約の詳細はWECやトヨタ公式サイトを参照することをお勧めする。また、ここに記載した内容は2017年現在の物である。

ドライバーは2~3名の交代制で、クラスによってドライブしなければいけない時間や連続してドライブできる時間が異なる。またドライバーは細かい規定によって、実績でプラチナゴールドシルバー、ブロンの4つの資格に分けられる。参加できるマシンは、大別してLMPル・マンプロトタイプLMGTE(ル・マンGTエンデュランス)の2種類。マシンの規定や搭乗ドライバーによって、クラスは次の4つに分かれる。

タイヤは全クラスマルチメイクで、ミシュランダンロップが参入している。

なおル・マン24時間レースでは前衛的な技術を使った車両が一台だけ賞典外として参戦できる。

歩み

2012年は昨年のル・マン24時間レースを制したアウディと、新規参入するトヨタが参戦。初年度からアウディクリーンディーゼルエンジンと、トヨタガソリンハイブリッドエンジンという2つのエコエンジンという対立構造になった。 一方で昨年のILMCを制覇したプジョーは参戦しないことを発表した。

2012,2013年はともにアウディがWECシリーズル・マンを制している。

2014年からはル・マン24時間レース最多勝記録を持つポルシェがLMP1-Hに参戦し、トヨタアウディとともに1年間の三時代を築くこととなった。トヨタガソリンエンジンアウディディーゼルポルシェガソリンターボと三者三様のエンジンを使用してはいるが、燃料タンクや燃料流量の調整を行うことできちんと勢図が拮抗するようになされている。開発競争のレベルも非常に高く、トヨタTS040はエンジンで520、回生システムで480で合計1000となっている。

日本人ドライバーも多く参戦しており、2014年6月現在中嶋一貴(LMP1)、松田次生(LMP2)、井原慶子(LMP2)、中野信治(LMP2、LMGTE-Am)、本山哲デルタウィングやZEODなどの賞典外)が活躍している。

中嶋2012,2013年と連続して富士優勝を飾った。さらに2014年ル・マン24時間レースでは日本人で初めて予選トップタイム記録してポールポジションを獲得した。また井原はWECでは欧州人含め初の女性ドライバーとなった。一発速さは他の男性ドライバーに敵わないが、ウェットや日の入りなど変化する状況下で柔軟かつ冷静に走り切るが評価されたという。2014年にはアジア女性としてル・マン24時間レース完走を果たした。

過去には2012年佐藤琢磨がLMP1にスポット参戦(上海富士)、2013年小林可夢偉日本人フェラーリファミリードライバーとしてLMGTE-proクラスフル参戦している。他にもF1WRCをはじめとする他のカテゴリで活躍していたレーサーや逆にほとんど知られてないドライバー、高齢なベテランデビューしたばかりの若手など、本当に様々な人々がル・マン24時間レースを中心に参戦している。

2015年には日産マシン名をGT-RとしてLMP1-Hにフル参戦することが発表された。今後自動車メーカーにとってWECはF1以上に自由開発競争の場として注されていくことが予想されている。ファンにとってはマシンを見てもドライバーを見てもで、ドライバーにとっては世界選手権ということで、どの立場からも非常に魅的なシリーズに発展している。

WECに関連したシリーズ

同様の車両規格を用いるシリーズに、ELMS(ヨーロピアン・ル・マンシリーズ)、AsLMSアジアン・ル・マンシリーズ)、USCC(ユナテッドスポーツカーチャンピオンシップがある。ただし全てのクラスがWECと同じではなく、それぞれが独自のクラス車両規格を持っていたりする。

それぞれのシリーズが振や生き残りのためにさまざまな工夫をしていて、時には他カテゴリ同士で助け合ったりしている。例えば全4戦、総参戦10台以下などが当たり前になってきているAsLMSでは、GTチャレンジGTC)クラス日本SUPERGTGT300クラス車両が参戦可になっている。順位によってSUPERGTポイントが加算されるため、富士ラウンドでは参戦台数が通常時の2倍くらいに増える。

ELMSでは2012年、不況の煽りから後半戦の参戦台数を確保できず、代わりにALMSアメリカン・ル・マンシリーズプチルマンへ参戦できるようにして、そのレースでのポイントを2倍にしたことがある。

USCCは元々欧州寄りのALMS米国寄りのグランダムシリーズに分裂していた。ALMSアメリカには少ない欧州文化レースとして、上流階級にそこそこ人気があった。一方グランダムシリーズ最上クラスDPデイトナプロトタイプカーデイトナ24時間用プロトタイプカーで、NASCARストックカーに近い作りになっている。これは米国独自色を出しつつコスト削減とNASCARチームの参入や人気を得ようという狙いがあった。しかし結局そこまでの人気にはならず、またALMS側も伝統のレースグランダムにとられていたこともあって、両者は歩み寄り2014年に統合するに至る。現在インディカーとの併催などでお互いの人気回復に繋げようとしている。

USCCは日本ではほとんど知られていないが、デイトナ24時レースやセブリング12時間といった伝統のレースを擁しており、参戦台数も69台、年間レース数12戦とWECの31台8戦を上回っているため、決してWECに劣ったシリーズではない。日本勢では1992年デイトナ24時間を長谷星野一義鈴木利男日産とともに制している。現在マツダホンダが参戦中である。

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