伊集院忠棟

「伊集院忠棟」（いじゅういん・ただむね ？ ～ 1599）とは、薩摩守護・島津義久に仕える筆頭家老として、政治・軍事の両面を取り仕切った能臣にして、豊臣秀吉に近づきすぎた為か、薩摩藩の記録において、

「忠棟は独立心を抱き、主君を害するものであった」

として「国賊」のレッテルを貼られて、悪い方の家久こと嫁いじめに定評のあるDQN島津忠恒に切り殺されたかわいそうな人。

なお、新井白石からは、

「九州征伐後の島津家の滅亡を救った忠義の者である」

と評価されている。

概要

薩摩島津家の庶流・伊集院氏の伊集院忠倉の子に生まれる。

※祖父は伊集院忠朗で、祖父・父は共に島津家の筆頭家老を務めている。

はじめは島津義久に仕え、島津義久が家督を継ぐと祖父や父と同じ筆頭家老職につき、大友宗麟との耳川の戦いでは、日向の伊東家旧臣の一揆を鎮圧して島津家の軍の進撃路を確保したり、得意の歌道で細川幽斎と誼を通じる等、政治・軍事の両面で活躍し、父祖の代からの功績もあって、大隅国の高山や鹿屋と日向国飫肥南郷など二万石におよぶ知行を領した。

龍造寺隆信との沖田畷の戦いの前には、肥後国八代に入って進撃拠点を確保し、龍造寺隆信が島津家久に釣り上げられるた後は、早世した頴娃久虎の後を引き継いで肥後・筑後方面の攻略を担当し、阿蘇惟将や筑紫広門を降し、筑前岩屋城では、大友家に殉じて玉砕した一身義理に定評のある高橋紹運の首級に拝礼した。

豊臣秀吉の九州征伐時には、以前より細川幽斎から秀吉の事を知っていた為か、早くから降伏を主張し、根白坂の戦いで島津義久の軍が敗れた際は、釣り名人の方の島津家久と共に豊臣秀長との交渉にあたり、伊集院忠棟は自ら人質として豊臣秀吉の元へと赴いた。

島津義久が豊臣秀吉に降伏すると、島津義久と共に剃髪し、石田三成とともに敗戦処理にあたった。

豊臣秀吉に思惑があったのか、秀吉の人材病のターゲットになったのか、島津義久降伏後の処置で、伊集院忠棟は島津宗家と対等の処遇を受け、大隈に2万石の所領を与えられたほか、太閤検地後の知行割では6万石の加増が行われ、日向国庄内に8万石の所領を持つ大名家となった。

※豊臣側に近い者として島津宗家の監視役を担ったとも。

伊集院忠棟としては、鎌倉時代からの名門で、秀吉の事も所詮成り上がりのサル程度の認識だった最強のお留守番・島津義久らが空気読めない態度をとり続けて、朝鮮の役では島津義弘に兵を送らなかったりと、いつ島津家を潰されるか解らない状態で、自らが秀吉に近づくことで、その存命と、所領を近くすることで豊臣政権下での権力強化等をもくろんでいたとも思われるが、大坂から遠く名門意識の強い島津家からは、元は家臣の身でありながら島津氏の領国経営に介入したり、京都で島津邸を見下す位地に屋敷を立てたり、薩摩では禁止されていた一向宗の熱烈な信者であり続けた事などが鬱積を買っていたらしく、秀吉の死後、悪い方の家久こと嫁いじめに定評のあるDQN島津忠恒により、島津家の京都・伏見屋敷に呼び出され、

主家に叛意を持っていた

として手討ちにされてしまった。

※「庄内軍記」によると、薩摩・大隈・日向の三州を手に入れる為に島津忠恒を毒殺する計画を、石田三成に話しているのを島津忠恒に聞かれてしまった為とあるが、「庄内軍記」の異本では話相手が徳川家康となっており、裏付ける史料も無い。

島津忠恒からすれば元家臣を成敗したに過ぎなかったかもしれないが、豊臣政権下では共に同じ大名の地位にある者だった為、実質は暗殺扱いが正しく、石田三成からは問責の書状が島津家に届き、島津義久は島津忠恒の単独犯による実行であると弁明した。

※その他「伊集院忠棟」の詳細についてはWikipediaの該当記事参照の事。

伊集院忠棟が殺された事を知った嫡男の伊集院忠真は、島津家に対して反乱を起こして庄内に立て篭る「庄内の乱」が勃発した。
長期に及ぶ内乱の果てに徳川家康のとりなしで沈静化したものの、伊集院忠真もまた、悪い方の島津家久こと嫁いじめに定評のあるDQN島津忠恒により暗殺された。

※伊集院忠棟の死が秀吉死後の事である為、秀吉に近い大名を取り除こうとしていた徳川家康の暗躍の結果とも言われ、庄内の乱の際に仲介したのはそのお礼とも言われている。

ねんがんの親鸞聖人像を手に入れたぞ

薩摩では、島津氏中興の祖であるチート爺・島津忠良により一向宗は禁止されていたが、伊集院忠棟は熱心な一向宗の信者だったと言われている。

かねてより石山本願寺に多くの寄進を行う程だった伊集院忠棟は、島津家の重臣と言う立場もあってか、本願寺からは丁重に扱われていたが、ある時、妻と共に石山本願寺を訪れた伊集院忠棟は、

親鸞上人の御木像を是非とも御下付頂きたい。

と言って在家には渡せない禁則事項のある木像を所望した。

本願寺より丁重に断りが入ると、伊集院忠棟は短気を現して

これでは武士の面目が立たぬ。
このようになった上は御真影の前で腹かっさばいて死ぬほかござらん。

と、刀を鷲掴みにして自刃をほのめかした。

慌てた本願寺は、やむなく親鸞聖人の自作とされる木像を渡し、伊集院忠棟は大喜びで帰国したと言われている。

ねんがんの親鸞聖人像を手に入れたぞ！！

→とりあえず氏ね（島津忠恒）

関連動画

▼義理9を見込まれて宇喜多直家から自ら登用し西園寺家臣となった「西園寺世界の逆襲」

▼父・伊集院忠倉と共に秋月家に降ったiM@S架空戦記「律子の野望」

補足

「信長の野望」（PC）シリーズにおける伊集院忠棟の能力一覧。

軍事能力

内政能力

戦国群雄伝(S1)

戦闘

－

政治

－

魅力

－

野望

－

武将風雲録(S1)

戦闘

75

政治

72

魅力

70

野望

73

教養

69

覇王伝

采配

70

戦闘

73

智謀

66

政治

72

野望

78

天翔記

戦才

132(B)

智才

146(A)

政才

144(A)

魅力

65

野望

78

将星録

戦闘

56

智謀

75

政治

69

烈風伝

采配

65

戦闘

49

智謀

71

政治

67

嵐世紀

采配

56

智謀

62

政治

65

野望

88

蒼天録

統率

41

知略

72

政治

67

天下創世

統率

40

知略

69

政治

66

教養

63

革新

統率

45

武勇

61

知略

78

政治

74

天道

統率

武勇

知略

政治

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