この記事では、札幌市の南区について説明する。
その他の南区については、南区の記事を参照のこと。
概要
657.23km2の面積を誇る広大な区域を持ち、札幌市域の面積の約6割を占める。日本の行政区としては静岡市葵区、浜松市天竜区に次ぐ面積であり、静岡・浜松両市が政令指定都市に昇格する以前は日本一広い面積を持つ行政区であった。ちなみに当時2番目の面積であった広島市安佐北区の約1.86倍、日本一小さい行政区である大阪市浪速区の約150倍の面積である。
ただし、区域の多くは支笏洞爺国立公園にも指定されている山林地帯であり、札幌市内の最高地点である余市岳をはじめ無意根山や札幌岳などの標高1000m超えの場所もある。当然山林地帯に人はほとんど住んでいないので人口密度は217.76人/km2(2014年4月5日時点)と低く、日本の行政区全体では浜松市天竜区に次ぐ人口密度の低さである。南区内の人口は、区東側の真駒内・澄川などのエリアや、真駒内通・石山通などの主要な道路沿いに偏っている。
南区内の主な地名
- 真駒内
- 南区役所やエドウィン・ダン記念館などがある。札幌市営地下鉄南北線の終着駅である真駒内駅からは定山渓方面・滝野方面のバスが出ており、札幌市の南のターミナルとも言えるポジション。真駒内エリアの西のほうにある真駒内公園には札幌オリンピックの会場になった施設があり、公園を横断する道路はそれにちなんで五輪通と名付けられている。
- 南30条西~南39条西
- 札幌都心部から続く南○条シリーズの南端にあたる。山が目前にまで迫っているが、南区の中では賑わっているほう。
- 澄川
- 札幌市営地下鉄南北線の澄川駅がある。商業施設がそれなりに多い。
- 藻岩山
- その名の通り、藻岩山のあるエリア。ちなみに、もいわ山ロープウェイの山麓駅は中央区内にある。
- 石山
- 石山通が南から西へ進路を変えて真駒内通と進路を完全に分かつあたりのエリアであり、その意味で交通の要所といえる。現在石山振興会館として使用されている建物は、かつて定山渓鉄道の石切山駅の駅舎であったものであり、唯一現存する定山渓鉄道の駅舎として一部の注目を集めている。エリアの東方には渦巻き状水路などの独特なオブジェがある石山緑地があり、PCゲーム「Rewrite」の舞台モデルとして使用された。
- 常盤
- 支笏湖方面に向かう真駒内通から滝野方面に向かう北海道道341号が分岐するあたりのエリア。真駒内通沿いで市街地と呼べるのはこのあたりまでであり、ここから南は政令指定都市の一部とは思えないような本格的な田舎に突入していく。
- 芸術の森
- 真駒内川を挟んで常盤の向かい側にあるエリアで、その名の通り札幌芸術の森と呼ばれる公園がある。札幌市立大学の本部があるのも実はここ。
- 滝野
- 清田区・豊平区に隣接する山奥のエリア。北海道唯一の国営公園である滝野すずらん丘陵公園があり、日本の滝百選に選ばれているアシリベツの滝をはじめ鱒見の滝などの滝を見ることができる。また、モアイの大行列など謎オブジェで有名な真駒内滝野霊園は、アニメ「天体のメソッド」のロケ地になった。
- 藤野
- 石山から定山渓方面に少し行ったあたりのエリア。南方に「僕、サッカーで優勝したよ!」のCMで地元民にはおなじみの藤野聖山園がある。
- 簾舞
- 藤野の西側のエリア。難読地名として有名であり、「みすまい」と読む。ここから定山渓方面は人家もまばらになり、かなりの田舎になる。
- 豊滝
- 簾舞のさらに西側にあるエリア。石山通から南に入ったあたりに「ノースサファリサッポロ」「フクロウとキタキツネの森」という、ちょっと変わった動物園がある。
- 定山渓
- 南区の西側の大半を占めるエリア。つまり南区がバカでかいのは大体こいつのせい。定山渓といえば温泉が有名だが、定山渓温泉のある場所の住所表記は実は「定山渓」ではなく、「定山渓温泉東」もしくは「定山渓温泉西」である。レアメタルであるインジウムの産出地であった豊羽鉱山(現在は閉山)や、豊平峡温泉、さっぽろ湖などがある。
関連項目