君の名は。 |
|
---|---|
スタッフ | |
原作・監督・ 脚本 |
新海誠 |
キャラクター デザイン |
田中将賀 |
作画監督 | 安藤雅司 |
音楽 | RADWIMPS |
企画・ プロデュース |
川村元気 |
制作 | コミックス・ウェーブ・フィルム |
製作 | 「君の名は。」製作委員会 |
主題歌 | |
RADWIMPS | |
その他情報 | |
公開日 | 2016年8月26日 |
配給 | 東宝 |
上映時間 | 107分 |
『君の名は。』(your name.)とは、日本の小説作品/アニメーション映画作品である。2016年8月26日全国公開。
新海誠監督作品。商業作品としては6作目で、2013年公開の『言の葉の庭』以来3年ぶりの新作となる。
監督自らが執筆した小説を原作としている。小説は映画製作と同時期に書き進められ、映画公開2ヶ月前の6月18日に発売された。 新海監督の初期構想は「見知らぬ男女の出逢い」で、そこから着想膨らませて本作に至ったという。
4曲の主題歌を含め、20曲以上の劇中音楽は全てロックバンド・RADWIMPSが担当している。新海誠監督がRADWIMPSのファンであり、プロデューサーの川村元気がRADWIMPSと交流があったことでコラボレーションが実現した。
また、作画スタッフも、キャラクターデザインに『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』などを担当した田中将賀、作画監督に『千と千尋の神隠し』などを担当した安藤雅司と、豪華な顔ぶれとなっている。
上映時間は107分。1時間未満の作品が多い新海監督の作品の中では長い方である。配給は東宝で、同監督作品では初めてとなる全国区での大規模公開(約300館)。なお、異例の大ヒットを受け、公開館数は2016年11月現在で約340館に増加している。
田舎に暮らす女子高生「宮水三葉」(みやみず みつは)は、夢の中で都会で生きる男子高校生の生活を体験するようになる。
そして逆に東京で暮らしている男子高校生「立花瀧」(たちばな たき)も田舎町の女子高校生になった夢をみるようになる。
しかし、不思議な夢を繰り返すうちに、実は二人の身体が入れ替わっていたことに気づく。
その後、互いに戸惑いながらも入れ替わった生活を楽しんでいた二人であったが、ある日から入れ替わりが起こらなくなる。
三葉のことが気になった瀧は、入れ替わっていた時の記憶を頼りに三葉に会いに行こうと決心する。
電車やバスを乗り継ぎ、三葉の故郷にたどり着いた瀧。しかし、その先で思いがけない事実が判明する。
新海監督作品としては初の大規模公開であり、製作側は興行収入の期待値として20億円程度を見込んでいた。
実際、新海誠監督は日本経済新聞のインタビューにて、本作の目標についてこう答えている。
最初の目標は10億円でした。ただ脚本を書いていくうちに自信が生まれ、20億円出せるかもしれないとなりました。
また、プロデューサーの川村元気も第64回サンセバスチャン国際映画祭の共同会見にて、
新海監督の中編『言の葉の庭』の興収が1.5億円だったので、10倍の15億円いければベストかなと。
―シネマトゥデイの記事(2016年9月26日)より
これは前年公開のオリジナルアニメである上映館数142館、興行収入11.2億円だった「こころが叫びたがってるんだ」と比較すると妥当な見込みであると言える。
しかし公開後の項で記載する興行収入から日本で上映された他の興行収入100億円超えの作品と比較すると、
また比較以外の不安点として、
以上のように、大作映画としてどころか普通のアニメ映画としてみても、興行が不安視されていたことが伺える。ネットの反応にしても、公式サイトこそ週一ペースで頻繁に情報が更新されていたものの、Twitterでは後から見れば反応があったことが伺える程度、2ちゃんねるの「君の名は。」の本スレが公開日でせいぜい2スレ目であったことからも、一般的アニメ映画程度かそれ以下の期待値でしかなかったことがわかるだろう。
しかしこの最悪としか言いようがない条件から、日本映画史に新海誠の名を刻む大躍進が始まる。
土日2日間 | 累計 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
順位 | 観客動員数 | 興行収入 | 歴代順位 | 観客動員数 | 興行収入 | |
1週目 (8/26・27) |
1位 | 68.8万人 | 9.3億円 | - | 96.0万人 (初日からの3日間) |
12.8億円 (初日からの3日間) |
2週目 (9/3・4) |
1位 | 86.7万人 (前週比:126%) |
11.6億円 (前週比:125%) |
- | 299.4万人 (公開10日間) |
38.7億円 (公開10日間) |
3週目 (9/10・11) |
1位 | 85.2万人 | 11.3億円 | 97位 | 481.3万人 (公開17日間) |
62.8億円 (公開17日間) |
4週目 (9/17・18) |
1位 | 80.0万人 | 10.7億円 | 44位 | 698.0万人 (公開25日間) |
91.0億円 (公開25日間) |
9/22 | - | - | - | - | 774.1万人 (公開28日間) |
100.8億円 (公開28日間) |
5週目 (9/24・25) |
1位 | 63.7万人 | 8.6億円 | 20位 | 854.5万人 (公開31日間) |
111.7億円 (公開31日間) |
6週目 (10/1・2) |
1位 | 65.0万人 | 7.9億円 | 15位 | 989.4万人 (公開38日間) |
128.6億円 (公開38日間) |
10/3 | - | - | - | - | 1002.5万人 (公開39日間) |
130.2億円 (公開39日間) |
7週目 (10/8・9) |
1位 | 51.3万人 | 7.0億円 | 11位 | 1119.6万人 (公開46日間) |
145.6億円 (公開46日間) |
8週目 (10/15・16) |
1位 | 34.7万人 | 4.6億円 | 11位 | 1184.2万人 (公開52日間) |
154.1億円 (公開52日間) |
9週目 (10/22・23) |
1位 | 36.0万人 | 4.7億円 | 9位 | 1260.1万人 (公開59日間) |
164.1億円 (公開59日間) |
10週目 (10/29・30) |
2位 | 28.5万人 | 3.8億円 | 9位 | 1320.3万人 (公開66日間) |
171.9億円 (公開66日間) |
11週目 (11/5・6) |
1位 | 21.8万人 | 3.0億円 | 7位 | 1381.3万人 (公開73日間) |
179.7億円 (公開73日間) |
12週目 (11/12・13) |
1位 | 19.0万人 | 2.6億円 | 7位 | 1420.9万人 (公開80日間) |
184.9億円 (公開80日間) |
13週目 (11/19・20) |
1位 | 19.1万人 | 2.5億円 | 7位 | 1458.8万人 (公開87日間) |
189.8億円 (公開87日間) |
14週目 (11/27・28) |
2位 | 15.7万人 | 2.1億円 | 6位 | 1498.6万人 (公開94日間) |
194.9億円 (公開94日間) |
公開されるや否やSNSや口コミを通じて若者を中心に瞬く間にその人気に火が付き、全国映画動員ランキングでは全国集計となった2004年以降で歴代タイ記録となる初週から9週連続1位[1]を獲得。10週目で『デスノート Light up the NEW World』に土を付けられるものの、翌週にはアッサリ首位奪還を果たしている。
特筆すべきは、2週目の土日2日間で何と前週比125%という、過去の興行資料でも見当たらない前代未聞の上昇を記録している点である(通常の映画興行では、初週の興行成績が最大値で週を経るごとに徐々に数値が落ちていく)。また、9週目で前週の興行成績を上回る驚異の推移を見せている。その他にも、
あの宮崎駿監督でさえ、興行収入で(アニメが一般的に浸透していないという時代背景を考慮しても)まともに稼げるようになったのが『魔女の宅急便』あたり。100億円超えが『もののけ姫』からであることを考えると、日本映画史において公開前の項にあるような何もかもがないないづくしの完全新規IPの映画が、作品の魅力一本でここまでの大ヒットを叩き出すなど前代未聞、まさに伝説と言っても過言ではないだろう。
この結果、公開3ヶ月後も全国各地で大量のスクリーン数を確保されているどころか、セカンドランがファーストランと並行する事態となっている。また、この映画はリピーターが非常に多いとも言われ、公開直後に売り切れが続出した劇場パンフレットの第2弾を公開4ヶ月目の12月に製作するという異例の事態まで発生している。
東宝のエグゼクティブ・プロデューサーである古澤佳寛によると、2016年9月15日の段階で、年明けまで正月映画が一本増えたつもりで全力で行くとのことである。東宝は本作と「シン・ゴジラ」の大ヒットが重なった結果、2017年2月期の連結決算で過去最高の利益を計上する見込みであり、嬉しい大誤算になったと言える。
関連商品の売り上げも公開後に爆発的に上がっており、新海誠監督自身が執筆した小説は、劇場公開までに50万部を売り上げていたが、公開後はさらに売り上げが伸び、2016年9月20日にはKADOKAWAが100万部突破を発表した。オリコン週間本ランキング(文庫部門)でも8週連続1位を獲得したほか、2016年10月16日には実売100万部を突破し、ミリオンセラーとなった。脚本協力として参加した加納新太の外伝小説や、公式ビジュアルガイドも瞬く間に書店から消え、一時品薄状態に陥った。
映画公開に先駆けて発売されたRADWIMPSのサウンドトラック『君の名は。』は、RADWIMPSとしては初となるオリコン週間アルバムランキング1位を獲得。翌週も1位をキープし、サウンドトラックとしては『アナと雪の女王』以来2年振りとなる2週連続1位を獲得。月間アルバムランキングでも2ヶ月連続1位を獲得している。初回盤は監督のインタビューやメイキングを収録したDVDが付属していたが、例の如く瞬殺で売り切れ、現在では定価の10倍近い値で売買されるプレミアムアイテムの一つになってしまっている。劇中で使われなかったが、RADWIMPSの楽曲を三葉役の上白石がカバーしたバージョンもヒットしたほか、テレビ番組「ミュージックステーション」でも歌われ大きな話題になった。
舞台モデルとなった岐阜県飛騨市や東京の新宿・四ッ谷エリアには聖地巡礼に訪れるファンが出てきており、特に飛騨市では「君の名は。」を観光PRの一つとして積極的に活用している。
一方でファンマナーを問われる事態も発生しており、劇中の場所を訪れる場合はその沿線自治体の注意事項や規則を守って撮影やスケッチなどを行おう。
なお、瀧一行が糸守を目指す際にJRに実在するキハ85系の特急「ワイドビューひだ」が登場するが、経路的に大阪発の便ではなく、名古屋発のものと考えられるので、関東から経路も再現しようと考える人は新幹線は名古屋駅で降りよう。
余談だが、飛騨市含めた岐阜県飛騨地方は2014年以降、映画館が1館もない「空白地帯」であり、美濃地方か隣県の富山県まで出ないと映画が観られないため、観光PRしているにも関わらず、市民のほとんどが映画を観ていなかった。そのため、市などが積極的に東宝に働きかけた結果、11月に飛騨市にて異例の上映会が開催されることとなった。市民向け先行発売では、1950席のチケットを求めて朝早くから市民が列を成し、1時間で完売している。この盛況を受け、飛騨市は東宝の協力の下、12月に第2回の上映会の開催を決定している。
この映画に関わった多くの人が認めていることだが、非常に奇跡的なかみ合わせといえる部分が多々見受けられる。
新海監督本人はこの予想外の大ヒットに困惑の色を隠せずにおり、めざましテレビ笠井アナのインタビューで100億超えに恐怖を覚えていることを告白しているほか、東宝の副社長から胃薬を送られたことをつぶやくという珍事も発生している(実際は好きなだけ飲めということか??)。
急上昇ワード改
最終更新:2024/04/25(木) 19:00
最終更新:2024/04/25(木) 19:00
ウォッチリストに追加しました!
すでにウォッチリストに
入っています。
追加に失敗しました。
ほめた!
ほめるを取消しました。
ほめるに失敗しました。
ほめるの取消しに失敗しました。