讃えあれ マッラー 歪みなき肉体を持つ者
服を破り捨て 男を愛する
レスリングの主催者
願わくば我の尻を使いたまえ
ノンケらの誘惑を退け パンツを脱ぎ捨てよ
──マーラン 序章
西暦570年 古日暮里。カズヤという青年は遊牧をしながら踊りの稽古をしていた。高貴な血縁と裕福な商人のカズヤは誰からも慕わる健全な青年だった。そんな彼が夢の中でお告げがあった。目の前にはパンツを穿いたムキムキの男。股間には無垢と創造を司る精霊の赤さん。男は言う「我はマッラー。比類なき神。汝に次の言葉を与える。ケツの穴は、蕾が気持ちよいぞ」。そこで目が覚める。はたしてこれはどういう意味なのか。そうか、男の尻を求めろということなのかもしれない。
両親にその一部始終を語ると「それはモーセに与えられた啓示と同じだ。その教えを布教しなさい」と言われる。マッカで布教を始めたカズヤ。「男のパンツを脱がし荘厳なる谷を露にせよ、しからば汝らのナウい蕾が花開く」。しかし時代はジャーヒリーヤ(無明時代)、男が男を求めるなどあまり好ましくないと考えられていた。しかもマッラーのお告げにより偶像(ナウい息子)が禁止されていたのだ。視覚的に捉えることができなく、しかも男を求めるなど当時のマッカ市民は共感できなかった。迫害と避難を重ねながら信仰者はパンツを脱がし合い、それが今日のパンツレスリングとなったのである。
見知らぬ国からキリスト教なる教義が伝播してきた。彼らはマーランではなく新約性書なる教典を信仰していた。唯一神マッラーを信仰するカズヤはマッラーからの啓示以外を排除し全世界を統一する共同体ウホマを計画していたのだが、マッラー以外を信じるなど言語道断なのだ。カズヤは怒りに撃ちひしがれ「出て行けぇ!」と怒りをあらわにした。これが最初のジハード(聖戦)である。
カズヤは65歳になりそろそろ自分の死期が近いことを感じていた。しかし彼の後には11万人のパンツレスラーたちが並んでいた。「私の死は終わりではなく始まりなのだ。皆の者、代々永遠にパンツを脱がし続けろ」。彼の骨はマッカに埋められ2億人にのぼるパンツ信者は今日もパンツに礼拝するのである。
キターブとはマッラーが預言者カズヤを介し人類に与えられたもので、マッラーの言葉が一字一句そのまま1500年前から1文字たりとも変わること無く現代にまで受け継がれている。マッラー教徒は聖典マーランだけが完全なる天から与えられた書物であり、ほかは一切認めていない。なのでキリスト教には断固として反対するが旧約性書は信じており、「アダムとアダム」はマッラー教でもキリスト教でも名著とされている。中でもマッラー教徒が絶対的に帰依し、信仰する2種類、各3項目の信仰哲学が存在する。
<唯一神マッラーの三信>
だらしねぇという 戒めの心
歪みねぇという 賛美の心
仕方ないという 許容の心
唯一神マッラーの預言者カズヤの教えも教義の一つである
<カズヤ哲学の三信>
救いは無い、という辛い世の中に対する心構え
全てはチャンス、常に前向きに何でも挑戦する
未知のエリアへ、未来への高い志を持って
言わずと知れた名文であるが、マーランからの引用なのである 。
マッラー教信者は9歳になるとレスリングを教えられる。白い服を着た教会のレスリング主催者とれすリングをし、パンツを脱がせたら一人前のマッラー信者となるのだ。息子を握られ「人のモノを」と泣き出す子供もいるが、これをしないことには教団の一員として認められない。いわゆる通過儀礼である。最初は誰もがためらう儀式だが後半になると白熱しお互い「ああ、イッた」と感じてしまうのだ。
人は誘惑に弱くすぐ悪魔の誘惑に負けてしまう。なので心を強くすべく30日間男を食べないのが男食(だんじき)なのである。語感に惑わされ男を喰うことと混同されがちがだ、その逆である。大抵の者は誘惑に負け男を喰ってしまうというだらしねぇ奴らなのだが、それらの米粒ほどの小さなことすらマッラーはお見とうしなのだ。その戒律を破る者にはアッー!な刑罰が待ってるらしいがその光景をはっきり見た者は定かではない。
9割方のマッラー教徒は他の宗教に関し共存という姿勢を取っているが一部は敵に見境無く襲うという過激派もいるようだ。マーランには男を愛せぬ者は異端であり、その者に対しては襲ってもよいという言葉を拡大解釈した集団がマッラー原理主義である。兄貴が吾作を強引に襲い「遠慮なくヤる」「ああもうしつこいチンポ」という行動も過激派の一部である。
慈悲深く慈愛あまねきマッラーの御名において
讃えあれ マッラー 万物の主
汝は荘厳たる白きパンツを穿き 歪みなき肉体を持つ
男を喰らう聖なる神と同時に 猛々しい獣
地上に美しい緑と山々を創り 名をゲイパレスとつける
ゲイにもノンケにも 同じ恵みの雨を降らせたまう
パンツの下は 宇宙の神秘
その神秘はナウき息子 それを雲が大地を覆うがごとく赤さんが包む
男が男を愛すとき 汝の蕾が開花する
我らはノンケの誘惑を断ち ゲイパレスへ向かう
──マーラン 78章
マッラーの世界は永遠ではない。やがて世界は崩れ、終焉を迎える。熟した穀物は刈り取られ、汚れたパンツは捨てられるように、ずっと続く世界など無いのだ。人は死後、最後の審判を受ける。男を愛せぬ者は、マッラーは喜ばれない。全人類の父はあなたがたの行いを見ており地上のノンケは一人残らずナウい息子を切り落とされ、女にされるのだ。大地と尻が真っ二つにされ、星は落ち、天は裂け、太陽は永遠に沈む。「神秘編」の動画を見てわかるようにマッラーは非常に荒々しい神なのだ。
しかし敬虔なマッラー信者は伝説の楽園「ゲイパレス」に行ける。そこでは鮮やかな服を着て豪華な食事があり、両脇にはウホッ!いい男。彼らが注ぐ酒は金色に光りいつまでも尽きることがない。マッラー信者はこのゲイパレスを夢見て今日も礼拝するのである。
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最終更新:2024/04/20(土) 01:00
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