外来語 単語

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外来語とは、固有の対となる概念で、ある言が別の言から借用した彙のことをさす。
ここでは日本語についてしるす。

概要

外来語とは外国語由来のコトバを日本語にとりこんだものであり、現代ではあたらしく入ってくる外来語のほとんどが英語由来である。
おもにカタカナで表記されるためカタカナなどとも言われる。
ただし最近では企業や製品などの固有名詞にかぎって言えば、ラテン文字で書かれることも増えてきている。

(例)新のアイフォン→新iPhone

大陸からはいってきた漢語も外来語なのだが、歴史の古さから外来語として扱わないひともいる。
漢語を外来語とするか否かはヒトによるが、もっぱら漢字でかきあらわされる漢語は、外来語とは別として扱われることが多い。

日本語彙の由来を基準にすると、固有である「ヤマトコトバ(和)」、日本語彙の大部分をしめる「漢語」、さきの二つをおしのけて広まりつづける「外来語」の大きく三つにわけられる。

現代では海外の新しい概念日本語の訳ができる前にいちく取り入れるために使われることがある。歴史の新しいIT業界で特にこの傾向が顕著である。しかしながら、既に日本語でも存在する概念新しく見せるためだけに用いられたり、内容をわかりにくくして消費者をけむにまくため使われることも少なくない。

日本語の音と外国語の発音が一対一対応でないため、同じ単でも人によって表記が微妙に異なったりすることがある。ときには論争になることも...。

外来語の問題

近年、情報通信機器の発達や際化がすすんだことで、外来語が急速にひろまっている。
これを日本語の表現の向上ととらえて好意的にうけとる人々もいるが、その勢いと節操ぶりに危機意識をもつヒトが多いのも事実である。

国語学者の島忠夫は、長年の研究から将来の日本語を予測し、いまの外来語(特に英語)礼賛の潮がつづく場合、日本語彙の割合において外来語がヤマトコトバと漢語を押しのけ最多となり、またその表記もラテン文字流になるとしている。

それのなにが悪いのかというと、言文化とは切っても切り離せない密接な関係にあり、日本の歴史文化習などに断絶を生むからである。


ついで実用性と文化とのつながりについて。

固有であるヤマトコトバは音と意味が密接につながっており、それはすなわち日本人の感性とふかくつながっているということである。
ナ行の彙に「ねる」「ぬま」「のろのろ」など、ゆっくりとした動きや様子をあらわすコトバが多いのは偶然ではなく、われわれの祖先は子音nの音にそういった印をもったからだと考えられている。
だからヤマトコトバはできいてわかるコトバが多い。
たとえば「タケミカヅチ」という神様名前をはじめて聞いても、タケは高いとか猛るのタケで、ミカヅチということからイカヅチ、つまりカミナリ神様だとわかるように。

漢語はその表記を、表意文字である漢字をもちいる(最近は漢語を仮名文字で書くことがふえているようだが)。
漢字の長所はその種類が実にゆたかであることと、造語もきわめて高い点。そしてはじめて見る単でも、文字さえ知っていれば大まかな意味はわかることである。

(例)類学とあれば、この三つの漢字の組み合わせをはじめてみたとしても、個々の漢字を知っていればクジラにかかわる学問だとわかる。

ヤマトコトバでは造語する際、形が長くなりがちなのだが、漢字造語すると短くすむ。
また、より多くの情報をやりとりする場合、書き言葉の方が話し言葉よりも適しており、一文字あたりの情報量にすぐれる漢字は、情報化時代にはとても便利だといえる。
短所としては同音異義語の数が世界一といわれるほどであり、音にしたときに意味が通じないことが多すぎる点である。
これは(輸出元の)漢語にくらべ音素の数がすくない日本語では、おきかえられない音を別の音で代用したことと、そもそも元がまったく別の民族の言なうえ、おなじ漢字をもちいた漢語でも輸入した時代で発音がちがうことが拍をかけ、音と意味がむすびつかないからである。

では外来語。特に圧倒的多数をしめる(カタカナ英語はどうか。
ヤマトコトバ・漢語のどちらとも異なる考えに立つことから、コトバの持つ意味や音が独特であり、ヤマトコトバ・漢語にない部分をうめるモノとして、有用なところがある。

しかし音と意味がむすびつかないという点においては、漢語よりも酷い。
これは特に英語フランス語由来の彙において顕著なのだが、つづりと発音に規則性がなさすぎることである。
くわしいことは省くが、ながい歴史のなかで発音が不規則にかわっており、それを日本語が音をもとにして外来語としてとりこんだためである。

(例)おなじ「o」でもwomenworldでは発音がちがう。

漢字だっていくつも読みがあるじゃないかと言われるかもしれないが、日本語にとりこむ際に日本語にない音は規則的に別の音におきかえられているし、(基本的なものにかぎれば)文字にすればわかるので、まだマシなのである。
日本語彙として歴史があさいことがよりその欠点をあらわにしているが、時代をへたところで音と意味がむすびつかないのはどうにもならないと思われる。
というのも「ち(血)」にまつわる彙でいうと、ヤマトコトバなら「ちしお」「ちのり」、漢語なら「血液」「血」と、共通の音ないし文字があるのだが、英語だとこれが「blood」「hemo~」「serum」のようにバラバラなのである。

つまり外来語はある概念と音を一対一に機械的にひもづけている符牒なのである。
ヤマトコトバならば「たk」という音から「たかい」「たける」というようなつながりが見いだせるのだが、外来語はそういった要素はうすいというほかない。

つまりそれは覚えにくく、より身についたコトバにはなりにくいということである。
覚えようとするとより多くの労と時間がかかり、さらに文字を原のままにするとなると、いまわれわれが英語の単の音とつづりを別個に覚えなければならない苦労を、うわのせで負うことになるのだ。
むしろ英語と共用できる部分がふえて良いんじゃないのという意見には、もとの英語と外来語では意味がちがうと言っておこう。


ヤマトコトバは日本人民族性とふかく関わっているので、これをみだりに漢語や外来語におきかえるのは慎むべきである。
ただしこれは伝統や文化といったものをうけつぐ気がある場合の話で、なくなってもかまわないというのならそれはそれで個人の自由である。
しかし言文化関係だとか、日本語が外来語まみれになってヤマトコトバを捨てても日本人はそのままだという意見に対しては、どうしたらいいのだろうか?

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最終更新:2024/04/25(木) 16:00

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