宗教2世(宗教二世)とは、何らかの宗教に入った人物の子息を指す言葉である。
本記事では、「宗教ではないカルト団体」の2世も包含して扱う用語「カルト2世(カルト二世)」についても触れる。
字義上は「いかなる宗教であるか」は問わない。
ただし、「普通の家(宗教にのめりこんでいない多くの家庭)」との差、献金などによる経済的なトラブル、信仰における親との温度差、などから生じる様々な葛藤・苦境についてクローズアップする際に使用されることが多い言葉である。よって、そういった葛藤・苦境が生じやすい「教義が一般通念から見てかなり特異的」「高額な献金などの問題を抱える」といった特徴を持つ宗教団体、特に世間からいわゆる「カルト」として認識されている宗教団体の信者の子息がそう呼ばれ、または自称する傾向はある。そういった点に着目して「宗教2世問題」などと「社会問題」として捉えられることもある。
ただしこれは全ての自称「宗教2世」に合致する点というわけではない。「宗教の信者の子息であり悩んでいて自分を「宗教2世」と位置づけているが、その宗教は新宗教やカルトではなく、一般的に伝統的な宗教と捉えられているもの」というケースも皆無ではない。
「宗教2世という呼称ではカルトではない他の穏健な宗教を巻き添えにし、また「宗教ではないカルト団体」の2世問題を取りこぼす」という考えから、「宗教2世」ではなく「カルト2世」問題として捉えるべき/呼称すべきではないか?と主張する声もある。
「2世」と付くため、厳密に言うならば「親世代でその団体に入った」家庭の子を指す言葉であり、「祖父母の代で入った」人を指すならば「宗教3世」「カルト3世」となるはずではある。とは言え、上記のような葛藤・苦境があれば、実際には「3世」や「4世」であっても同様に「宗教2世問題」「カルト2世問題」の枠組みの中で扱われることが多い。
「教祖の子息」、例えば「統一教会」の教祖「文鮮明」の息子「文亨進」、「幸福の科学」の教祖「大川隆法」の息子「大川宏洋」、「オウム真理教」の教祖「麻原彰晃」の娘「松本麗華(アーチャリー)」なども、広義の「宗教2世」「カルト2世」と呼べなくもない。だが、ただの「信者」ではない「教祖」の子息を「宗教2世」「カルト2世」と見なせるかについては議論が分かれるところかもしれない。
「2世信者」(二世信者)や「元2世信者」などという類義語もある。ただし「信者」と付くように、この言葉は「親だけでなく自らも信者である(あるいは、過去に信者であった)」という意味合いを含んでいるため、当人が「親は信者だが自分は一度もそうではなかった」と自らを位置づけているケースには不適当かもしれない。つまり「宗教2世」と「2世信者」は厳密にはイコールではない。
「宗教2世」「カルト2世」の中には、大きく分けて「既に信者/会員である親の元に生まれた」人と、「親が、自分が生まれた後にその宗教/カルト団体に入った」人の2種類がいる。統一教会(世界平和統一家庭連合)界隈では、前者を「祝福2世」、後者を「信仰2世」と呼び分けるという。さらに「祝2」「信2」などと略すこともあるらしい。
信仰や宗教を通して経済的苦境に陥らせる/脅す/考え方を押し付けるなどの搾取や虐待を行う事を、霊的虐待(スピリチュアル・アビュース)と捉える考え方がある。親が子供に霊的虐待を行っていた場合、これは一種の児童虐待の問題でもある。
宗教2世/カルト2世問題を扱った作品・報道記事・テレビ番組など。
2022年7月以後は、社会的状況が大きく変化したことにより宗教2世/カルト2世に焦点を当てた記事などが急増したため、ここへの個別の列挙は控える。
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最終更新:2025/12/09(火) 18:00
最終更新:2025/12/09(火) 18:00
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