宮崎吾朗とは (ミヤザキゴロウとは) [単語記事]

宮崎吾朗(みやざき　ごろう)とは、一応日本のアニメーション映画監督である。

概要

1967年1月21日生まれ。信州大学農学部森林工学科卒。
父にアニメーション映画監督の宮崎駿がいる。

三鷹の森ジブリ美術館初代館長。
2006年7月に公開されたゲド戦記で監督デビュー。
ゲド戦記を手がけるまではアニメーションの仕事はしたことがなく、このようなことは異例である。
当時のスタジオジブリ社長である鈴木敏夫の提案で実現。

当初から父・駿から猛反対を喰らい、一切アニメの経験のない人間に監督をやらせるという情報にファンからも反対の声が上がっていた。鈴木曰く「彼の書いた絵コンテを見せると、スタッフはみんな反対の声を失った」との事。

そして完成した映画『ゲド戦記』は父の作品とは全く対照的な貧弱なイマジネーション、平坦な描画、安い世界観、演出の下手さという、ファミ通ならクロスレビューで2点を付けられるレベルのシロモノで、国内ばかりか各国映画祭からも酷評を受け、スタジオジブリの評判を著しく下げることとなる。

「初監督、初アニメーション作品」という観点から見れば作品として仕上げたことは立派ではある。が、それをスタジオジブリ総出で、しかもゲド戦記という名作でやってしまったことから、彼への批判は消しがたいものになってしまっている。

押井守など一部のアニメーターは後者の意見を持っており、特に押井は『初めて作った映画がこんなに面白いのはすごい。これにめげずアニメーターとしてもっと成長していけるよう努力すべきだ』とエールを送っている。

が、とりあえず今のところは駿の判断のほうが正しかったようだ。

逸話

少年時代プラモを作りたかったのにこづかいの少なさ故に断念せざるえず、こづかいの少なさを父に苦言した際、バルサ材を削って模型を作る事を発案されさっくり誤魔化されたが、弟は誤魔化されなかった。
学生時代、アニメイターを志望していたが、母に「アニメイターにだけはなってくれるな」と泣き付かれて断念した。
ジブリの森美術館の仕事を引き受けて、父とFAXで打ち合わせて口論となり、父駿夫の「俺に従え！」という最終宣告に「俺はあんたに育てられた覚えは無い！」と返事を返し父に勝利した。
ゲド戦記完成後の講演で、鈴木敏夫Pが「『ゲド戦記』は応援しなくて良いけど、吾郎ちゃんはイイヤツなので是非応援してやってくれ」と結んだ。

次回作の噂

2008年、神奈川近代美術館で行われた「堀田義衛展」において、堀田義衛作品を原作とするアニメを作るならばどう描くかをテーマにして、「定家と長明」「路上のひと」の2作を描いたコンテが展示された。

これらは、宮崎吾朗を含めるアニメーター3人がそれぞれ書いたものであるが、彼によると、次回作を作るならば、堀田善衞「方丈記私記」「定家明月記私抄」を原作として描かれる二人の若者の青春劇であるといい、現在の仮題は「定家と長明」だそうである。

これだけならただの噂なのだが、2009年4月のジブリ日誌において、「次の長編製作に向けて始動する、3作品が同時進行することになる」とジブリ側から発表があり、さらに鈴木プロデューサーのインタビューなどから、米林宏昌、宮崎吾朗、高畑勲の順で長編映画を製作することがほぼ確実視されている。
そうなれば、宮崎吾朗の製作する作品は、この「定家と長明」でほぼ確定だろうといわれている。名誉挽回なるか。

…と思ってたら第二回監督作品は『コクリコ坂から』に決定しちゃったじゃないですか！ヤダー！

どうやら企画と脚本に宮崎駿、更に第二脚本家として『借りぐらしのアリエッティ』の丹羽圭子も参加するらしいので、ゲドほどの失敗は無さそうだがさてどうなるか。2011年夏にこうご期待。

余談だが、『コクリコ坂から』は駿の愛読書らしい。