小走やえとは (コバシリヤエとは) [単語記事]

小走やえ（こばしりやえ）とは、『咲-Saki- 阿知賀編 episode of side-A』の登場人物である。

通称、小走先輩。アニメ版の担当声優は今野宏美。

お見せしよう……王者の概要を！

奈良県における（唯一の）麻雀強豪校である、晩成高校の3年生。

コンビニの商品棚からあんパンを取ろうとした高鴨穏乃の指に麻雀マメができているのを見、彼女が猛練習をしていること、その実力が確かなものであることを見抜く。

それでも「私は小3の頃からマメすらできない」と、自分がさらにその上をゆく熟練者であることを公言し、威風堂々と名台詞「ニワカは相手にならんよ」を吐く。

後輩の岡橋初瀬からは厳しくも頼れる先輩として慕われている様子。

インターハイ県予選1回戦では先鋒をつとめ、清澄に対する風越や龍門渕のような、手強いライバルとして壮絶なバトルを繰り広げる……と思いきや、1局目に阿知賀の先鋒・松実玄の面前ツモドラ7の倍満攻撃を食らって沈黙してしまうと、（尺の都合もあって）まったく見せ場がないまま退場。強い自信と強豪校の誇りを背負ったままあっさり消えるという完全に一話限りのかませキャラであった。

それでも、左側のみの片ドリルという非常に個性的な髪形や、王者の誇りを背負った堂々とした態度と「コバシリセンパイ」というミスマッチな名前（先輩なのにパシリ）もあいまって、ゲストキャラの中では強烈な印象を残した。

……ま、残念ながらすっかりネタキャラで定着してしまった、それはそれで仕方ないね。

ただし彼女と晩成高校の名誉のために補足しておくと、確かに「玄には」大差を付けられたが、彼女自身はしっかりプラス収支で先鋒戦を終わらせている。事実、作中の描写では先鋒戦終了時点でトップ阿知賀155,700（+55,700）、2位晩成115,400（+15,400）であった。

なお、意外なことに「王者の打ち筋を！」のセリフはアニメ限定である。

先輩！がんばってください！　小走「フッ・・・」

小走先輩は、どうも松実玄にフルボッコにされた自信過剰な先輩というイメージが定着しているものの、描写された結果を見るとまた違った面が見えてくる。

先鋒戦、起家は阿知賀の玄。東一局でいきなりツモドラ7という麻雀をやっていれば誰しもゲンナリすること間違い無しの親倍満をツモる玄。事実、小走先輩あまりのツキのみ麻雀出来事にうろたえる様子を見せている。しかしその後は体勢を立て直し、先鋒戦後半の終局時までに合計23,400点（最初の親倍ツモに8,000点払っているため）を取ってきちんと2位に着けて次鋒へ繋いでいるのである。

	松実玄	小走やえ	荒薪(高校)	春日野(高校)	和了り役	備考
開始時	100,000	100,000	100,000	100,000
東一局	+24,000 124,000	-8,000 92,000	-8,000 92,000	-8,000 92,000	門前清自摸和ドラ7 倍満	初見殺しのドラゴンロード炸裂
～中略～
先鋒戦終了時	+55,700 155,700	+15,400 115,400	-16,600 83,400	-54,500 45,500

以上の結果だけを見れば、実質的には4位の春日野高校の先鋒が銀行化しているだけ、弱い相手から和了して首をつないだと言えなくも無い。

しかし、玄の支配能力であるドラゴンロードは麻雀好きの暇人たちによる研究により「ドラを独占する」だけでなく他家に対して「表示ドラを使用できない」「ドラが数牌なら前後の順子が作れない」「常に五筒は2枚、五索と五萬は3枚までしか使えない（大会ルールで赤牌が入るため）」という妨害効果を与え、手作りの縛りとドラなし＝打点引き下げで点数が稼ぎにくい場が形成されることの現実的なキツさが明らかになると、その見方は変化する。

ドラゴンロードは玄自身が和了りやすくなる能力ではないし本人にも手作り上の縛りが多く存在するのだが、他家からすれば和了ればほぼ倍満確定、悪ければ三倍満もあるという理不尽な能力である。通常の麻雀であれば半荘中1回でも倍満を和了した時点でほぼ勝敗は決している。

以上の"異常な場"であることを踏まえると、小走先輩が単なるかませ犬ではなく、数々の名言を豪語するだけの雀力とメンタルを持った打ち手であることを理解していただけると思う。もし個人戦でも出場しているのであれば、奈良県代表もありうるポテンシャルを秘めていることは想像に難くない。奈良で他にキャラが出て無いとか言うなよ！