平昌オリンピック(ピョンチャン Olympic)とは、2018年に開催される第23回冬季オリンピック(XXIII Olympic Winter Games)である。
冬季オリンピック | |
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平昌オリンピック | |
正式名称 | |
第23回オリンピック冬季競技大会 | |
XXIII Olympic Winter Games | |
基本情報 | |
開催国 | 韓国 |
開催都市 | 平昌郡 |
開会式 | 2018年2月9日 |
閉会式 | 2018年2月25日 |
競技種目数 | 7競技102種目 |
参加国・地域 | 92 |
新採用/追加競技 | |
オリンピックテンプレートボックス |
2011年7月6日にダーバン(南アフリカ共和国)で開かれた第123次IOC総会で開催地をアヌシー(フランス)、ミュンヘン(ドイツ)、平昌(韓国)の中から決めることになり、圧倒的大差をつけて平昌が開催地となった。
国名 | 都市名 | 1回目投票 |
大韓民国 | 平昌 | 63 |
ドイツ | ミュンヘン | 25 |
フランス | アヌシー | 7 |
しかし、このオリンピックは様々な問題点を抱えている。
圧勝的大差をつけて開催地に決定した理由としては、計画が評判であり、IOCの評価報告書でも高評価。また、李明博大統領がアメリカ等各国を歴訪し、支持を取り付けたことが挙げられる [1]。
しかし、以下の問題点が浮かび上がっている。
とにかく運営面ではすったもんだが続いた本大会ではあるが、一方で競技に目を向ければ日本選手の活躍が大いに目立つ内容であった。
以下、メダル獲得者ないし上位入賞者を中心に、本大会における日本選手の主な戦績をまとめる(2/21現在)。
日本は金3個、銀5個、銅3個の計11個のメダルを獲得しており、1998年の長野オリンピックを上回り冬季五輪としては最多のメダル獲得数となった。
日本は7個のメダルを獲得。高木美帆は金銀銅すべてのメダルを手にすることになった。
スケルトンのみ出場。日本選手の上位進出こそならなかったが、女子の小口貴子は初出場ながら19位と健闘。
女子のみ出場。準々決勝進出はならなかったが、記念すべき五輪初勝利を挙げた。最終順位は6位。
今のところ日本選手の上位進出はなし。最高位は立崎芙由子の女子7.5kmスプリントにおける42位。
男女ともに出場。男子(SC軽井沢)は残念ながら予選突破はならなかったが、女子(LS北見)は日本勢として初めて準決勝進出。下記「そだねージャパン」も参照。
特に話題になった国外選手の成績についても記述(2/24現在)。
今大会もいろんなことがありました。
1988年にソウルオリンピックが開催されたときは、韓国政府首脳の暗殺や大韓航空機の爆破など、とにかく大会の妨害に余念がなかった北朝鮮。今回も金正恩体制下で核実験やミサイル発射を繰り返し国際的に孤立していたため、その動向が注目されていたが、韓国政府やIOCなどの呼びかけもあり、結局は2018年1月になって参加を表明。その後行われた話し合いの結果、開会式では韓国・北朝鮮合同での入場行進が行われたほか、アイスホッケー女子において史上初の南北合同チーム「コリア」が結成されることになった。テロップなどでよく見るIOCコードは「COR」。本来コリアは英語で書くと「Korea」だが、韓国の「KOR」との重複を回避するために、フランス語の「Corée」に由来する表記が採用されている(ちなみに北朝鮮のIOCコードは「PRK」)。
余談だが、前述のアイスホッケー女子日本代表が五輪初勝利を挙げた相手はこの「コリア」チームである。というか、「コリア」は結局今大会で1勝もできなかった。
かねてから組織的なドーピング疑惑が指摘されており、国際陸上連盟からはロシア陸上連盟の資格停止処分を下され、リオデジャネイロパラリンピックでは国レベルで出禁という厳しい措置をくらったロシア。もし本大会にロシアが出場できなくなるとなれば、フィギュアスケート女子シングルのエフゲニア・メドベージェワをはじめ多くのトップ選手が競技に参加しないことになり、本大会が「世界一決定戦」にならないのではないかという心配がなされていた。これに対しIOCは結局、ロシアオリンピック委員会の資格を停止したうえで、「シロ」である可能性が極めて高い選手に限り、個人資格での参加を認めることとなった。これらの選手によって結成された選手団が、「Olympic Athletes from Russia」、略してOARである。OARは"ロシア代表"ではないという立場上、とにかくあらゆる場面においてロシア国旗・ロシア国歌などの使用を一切禁止されており、代わりにオリンピックシンボル(いわゆる五輪のマーク)とオリンピック讃歌が用いられることになったほか、選手のユニフォームなどにある「Russia」の表記も「OAR」などに変更させられている。
ただし個人資格での参加とはいっても一応選手団なので、冬季オリンピックでたくさん実施される個人種目はもちろんのこと、カーリングやアイスホッケーといったチームスポーツをはじめ、ショートトラックやリュージュのリレー、フィギュアスケートやスキージャンプの団体戦といった種目においても「OAR」というチームとして競技に参戦している。
-6℃という厳しい環境の下で実施された、本大会の開会式。服の下にカイロを20個貼り付けて参加したり、そもそも参加をパスしたりする選手も現れる中、入場行進にココナッツオイルでテッカテカになった上半身裸の男が現れ、世界中の注目を浴びることになった。彼は南太平洋に浮かぶトンガからやってきたピタ・タウファトファ、34歳。トンガ選手団の旗手を務めた人物である。
実はこの男、このパフォーマンスをしたのはこれが初めてではない。彼はもともとテコンドーの選手であり、リオデジャネイロオリンピックでは80kg超級に出場。そのときもトンガ選手団の旗手を担当し、上半身裸での行進を行っている。
クロスカントリースキー男子15kmフリーに出場するタウファトファだが、数年前まで雪をまともに見たことすらなかったらしく、メディアの取材でも正直に経験不足を告白していた。しかし、オーストラリアのホームレス支援施設で働く彼は、「やればできる」というメッセージを施設の人たちに送りたいと、テコンドーからスキー競技への挑戦を決意。並々ならぬ努力の末、オリンピックの出場権を獲得するに至ったのである。その開催国がテコンドーの本場・韓国だったというのは何かの偶然だろうか。
なお競技の方は2月16日に実施され、タウファトファは優勝者から約23分遅れの56分41秒1、完走者116人中114位でフィニッシュ。結果はともかく無謀ともいえる挑戦を成し遂げた彼に対して、心から称賛の言葉を送りたい。
本大会は開催地である韓国はもちろんのこと、お隣である日本にとっても時差を気にせず熱い戦いをTVで楽しめる…はずだったのだが、スキージャンプ男子ノーマルヒル決勝は午後9時35分開始、フィギュアスケート男子シングルフリーは午前10時開始など、不自然な時間帯に競技が実施され、結局現地観戦はもちろんTVで応援する場合にも、そこそこの観づらさを感じることになった(これに加えて男子ノーマルヒルの場合はあの葛西紀明も恐怖を感じるほどの猛烈な風が吹き荒れ、何度も競技進行が中断された結果、表彰式が始まったころには午前0時を大きく回っていて、お客さんはほとんどが帰ってしまっていた)。前述のとおり日本や韓国にとっては時差を気にしなくていい本大会であるが、逆に言うとヨーロッパやアメリカの人は時差を気にしなければTVで観られなくなるため、そちらのゴールデンタイムに無理やり合わせたのではないかと言われている(ちなみに韓国の午前10時はアメリカ東海岸の午後8時)。
オリンピックのTV放映権料は莫大な収入であるため、運営上仕方ないといえば仕方ないのかもしれないが、韓国まで応援に行った関係者やファン、そしてなにより選手たちのことが第一に考えられているのか?という疑問が呈されることになった。
記念すべきメダルを授与されたのはフィギュアスケート男子シングルの王者・羽生結弦。
けがの影響で約4ヶ月間実戦から遠ざかっており、日本、いや世界のフィギュアスケートファンをやきもきさせていたが、SPでは4回転ループこそ回避したもののすべてを完璧にこなす圧巻の演技で116.68点をマーク。FSではミスもあったものの206.17点をマークし、合計317.85点で金メダル獲得。羽生はソチオリンピックでも金メダルを獲得しているが、この種目での連覇達成はアメリカのディック・バトン氏が1948年サンモリッツオリンピック・1952年オスロオリンピックで達成して以来66年ぶりの快挙。観客たちはこの大偉業達成に熱い拍手と喝采、そしてくまのプーさんで応えた。
カーリング女子に日本代表として出場した「ロコ・ソラーレ」、通称「LS北見」。元「チーム青森」のマリリンこと本橋麻里を中心に、北海道北見市出身の選手のみによって結成されたチームである。
このLS北見、予選リーグでアメリカ・デンマーク・韓国を相手に3連勝スタートと好発進を遂げ、また「スキップの藤澤五月が木村文乃似の美人」「吉田知那美がムチムチしていてかわいい」といった健全な男子向けの話題もまき散らすことになったのだが、なにより注目を集めたのは選手たちが戦術を話し合っている際、「そだねー」「押ささる」「○○かい?」といった北海道方言を多用しているという事実。これが道民たちの心には「あれが方言だったのか」という困惑または郷土愛を、それ以外の者の心には萌えの感情を呼び起こし、「そだねー」は試合のたびにTwitterのトレンドワード入り。気が付けば「#そだねージャパン」なるハッシュタグまで作られ、すっかりこのチームの愛称として定着。そんな日本の盛り上がりが韓国まで届いたのか、LS北見は日本勢として初となる予選突破を果たした。
試合時間が長い上に地味に頭も体も使うカーリングのハーフタイムでは、作戦を練る一方で選手が糖分やエネルギーを補給するためにおやつを食する。今回はこの部分が大きく取り上げられ、各国のチームがどんなおやつを食べているのかがよくわかるようになった。この中で前述のLS北見メンバーが果物と共に食していたのは、地元・北海道北見市の銘菓「赤いサイロ」。当然の如くメディアを通じて注文が殺到し、一時販売停止になるほどの話題を集めたのは言うまでもない。
本大会会場のメインプレスセンター近くに、韓国の現代アート作家・金知鉉の制作した「弾丸マン」というオブジェが設置されていた。東京スポーツの記者が「これは何ですか?」と運営スタッフに尋ねたところ、皆が皆「モルゲッソヨ(知りません)」と答えた、というエピソードを記事で紹介したところ、ニコニコ静画やTwitter、Pixivなどで急速に拡散。即座に大量のイラストやCGが制作され、あたかも「モルゲッソヨ」がこの像の名前であるかのように定着、ついには「平昌オリンピック非公式マスコット」と言われるまでに成長した。詳しくは「モルゲッソヨ」の項目を参照。
ちなみに一応言っておくと、本大会の公式マスコットは白虎の「スホラン」、パラリンピックの方は熊の「バンダビ」である。
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最終更新:2024/03/29(金) 04:00
最終更新:2024/03/29(金) 04:00
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